■ マイナンバーカードの取得は任意、だった。だが、健康保険証と一体化することでいつの間にか強制されることに。そのマイナ保険証でトラブルが頻発している。8月4日付 信濃毎日新聞の社会面に「マイナ保険証が、使えない」「顔認証で不具合 相次ぐ相談」の他、上掲の見出しの記事が載っていた。
脳出血で意識のない夫と共に救急車で医療機関へ向かった女性。夫の暗証番号を知らない女性は「マイナ保険証を使えずに全額自己負担することになったら生活はどうなるのか」と不安が募った、ということが記事に書かれていた。顔に大けがをしたような場合、顔認証もできないケースだってありそうだ。
本人しか暗証番号を知らないとなると、このような問題は起こり得る。少なくとも家族間では暗証番号を共有する必要がありそうだ。では一人暮らしの人は? マイナ保険証では別人の医療情報が登録されるトラブルも多数起きている。このようなトラブルは命に係わる。災害などの非常時、いやそうでなくてもカードの読み取りができないケースだってありそう。
上の事例のような暗証番号が分からないといったトラブルやマイナ保険証のデータが読み取れないという事態すら想定外のシステム設計なんだろうか。
マイナンバーカードを総点検したところで、それが今後ミスは起きないという保証になど決してならないと思うけれど、違うのかな。不安を払拭することはできないだろう。
人は必ずミスをするということを前提として、ミスを防ぐことができるシステムにつくり変える必要もあるだろうし、そもそもマイナンバーカードはなぜ必要なのか、という基本的なことをきちんと、そして本当のことを説明して欲しい。国民の利便性のため、なんて説明はダメ。
**厚生労働省によると、認証がうまくいかない場合は医療機関職員らの目視で本人確認を行えば使用は可能 ― とする医療機関向けのマニュアルはある。だが、こうした内容は、広く一般には伝わっていない。周知されていれば、女性も混乱せずに済んだ可能性がある。** 掲載記事から引用