■ 寅さんシリーズで、いいなと思った4作品をまた観ている。既に第28作「寅次郎紙風船」(マドンナ音無美紀子)と第32作「口笛を吹く寅次郎」(マドンナ竹下景子)は観終えた。今日(30日)の午後、第10作「寅次郎夢枕」(マドンナ八千草薫)を観た。
本作には寅さんが亀戸天神でマドンナ・お千代(八千草薫)さんにプロポーズ。お千代さんOKというびっくり場面が!? 「観て止めて書く」を繰り返してその場面の台詞をメモした。ちゃんと聞き取れないところは違っているかもしれないが、次の通り。
「寅ちゃん・・・」
「なんだい」
「用があるって、なんのこと? 歌ばっかり歌ってないで話してよ」
「ちょっと言いにくいんだよなぁ、これがなぁ」
「でも、ご飯食べて、お茶飲んで、もうかれこれ4時間も経ってるのよ」
「そんなに経っちゃった? じゃ、めんどくさいから今日は打ち切りにして帰るか?」
「そんな・・・、せっかくお店を休みにして出てきたのよ」
「そうか。なんて言ったらいいもんかなぁ」
「大方察しはついてるだろ。千代ぼうは感がいいから、えぇ?」
「それは・・・、まあ、なんとなく」
「それだよ、それでいいんだよ。なんだよ、4時間かかってくたびれちゃった。まあ、千代ぼうもさ、いつまでもひとりで居られるわけじゃないんだし。あんまりぱっとした相手じゃねぇけどさ、このあたりで手打った方がいいんじゃねぇかな。どうかね」
「うん」
「いやだったら、いやでいいんだよ、こういうことは」
「いやかい?」
「ううん いやじゃないわ」
「じゃ、いいのかい」
「ずいぶん乱暴なプロポーズね、寅ちゃん」
「しかたねぇや、おれこういうこと苦手だしさ。じゃ、いいんだな」
「決まったようなもんだ。よし、そうとなりゃ、あいつに電話で知らせてやるか。(略)赤電話どこかな」
「ちょっと、寅ちゃん」
「なんだい」
「あいつって誰のこと?」
「決まってるじゃねぇか、うちの2階のインテリだよ」
「岡倉先生?」
「そうだよ」
「私、勘違いしてた」
「勘違いって誰と?」
「寅ちゃん」
「私ね、寅ちゃんと一緒にいると何だか気持ちがほっとするの。寅ちゃんと話していると、あぁ、私は生きているなぁって、そんな楽しい気持ちになるの」
「寅ちゃんとなら一緒に暮らしてもいいって、今、ふっとそう思ったんだけど・・・」
「冗談じゃないよぉ、そんなこと言われたらびっくりしちゃうよ。ハハハ」
「冗談じゃないわ」
・・・・・
「うそよ。やっぱり冗談よ」
「そうだろ、冗談に決まってるよ」
「じゃあそろそろ帰りましょうか」
「そうねぇ 帰ろうか」
これ程はっきり寅さんに結婚の意志を示したマドンナは他にはいない。一方的に寅さんが失恋するパターンとは逆で、これはマドンナが失恋するパターン。お千代さんはそれ程がっかりした様子ではなかったが、内心はどうだったんだろう・・・。第32作の朋子(竹下景子)さんの場合は観ていて切なくて涙が出た。
本作のデートの場面はいいなぁ、好きだなぁ。