1 フェルメール展の会場の東京都美術館の外壁の打ち込みタイルと秋空の雲の様子が、デルフトの街を描いた「小路」のレンガ造りの家と雲によく似ていますね。
今回の週末東京、金曜日の午前中にまずフェルメール展を観ました。
「解釈を拒絶して動じないものだけが美しい」 確かに解釈だらけなのもどうかなとは思います。でも敢えて「優れた作品は多様な解釈を許容する」と書いておきます。背後の壁に掛けられている絵やテーブルの上の果物、ステンドグラスに描かれた女性などはそれぞれ何かを暗喩しているそうですが、描かれた女性の表情などと共にいろいろな解釈が示されているそうですね。
来歴不明な作品、真贋をめぐって研究者で意見が分かれる作品などフェルメール作品には謎も多いとのことですが、「真珠の首飾りの少女」のモデルは誰なのかも謎。諸説あるようですが、フェルメール家のお手伝いさんになった若い女性がモデルだとした小説が2002年に映画化されました。松本でも公開されて観ましたが、フェルメールの光りの表現を意識した映像が印象的でした。今回の展覧会を記念してこの映画が11月に再び上映されるそうですね(1日から3日間、展覧会場の東京都美術館で)。おすすめします。
やはりフェルメールといえばこの2点の作品のように室内での女性の日常を描いた作品が浮かびます。何気ない日常の光景がなぜ崇高に見えるのか、絵の中の時間はなぜゆっくり流れているのか・・・。私には説明できません。
ミュージアムショップで買い求めた絵はがき、印象に残った作品
今回の展覧会に出品予定だった「絵画芸術」が出品されないことになって、替わり出品された「手紙を書く女と召使」。左側の窓から直接射しこむ光とカーテンを透過してくる柔らかな光、その違いの表現。手紙を書き終えるのを待っている女性の表情。テーブルに掛けられたクロスの質感。窓とテーブルとの距離が絶妙な空間構成・・・。すばらしい!
この絵の床の白と黒のタイルのパターンが1階の展示室に再現されていました。
展覧会のポスターにもなっている「二人の紳士と女」。ドレスの赤とテーブルクロスの濃い青の色彩の対比。柔らかな光に満たされた室内、読み取れない女性の表情の意味・・・。
展示作品7点のうち特に印象に残った2点を挙げました。