■ 先日長野県小県郡青木村の大法寺三重塔を訪ねる機会があった。全国に国宝の三重塔が13基あるが、その内の2基が長野県にある。この三重塔と、別所温泉の安楽寺の三重塔(←)だ。
手元にあるパンフレットによると、この三重塔は見返りの塔という名前で親しまれているそうだ。**塔があまりに美しいので思わずふり返るほどであるという意味からつけられたのであろう。**と解説文にある。
鑑賞眼がないので塔のプロポーションがどうの、初重の軒下の組物がこうのと書くことはできないが、中国や韓国の仏塔のずんぐりとした姿(写真でしか見たことがないが)と比べると、はるかに洗練されたプロポーションだということは分かる。石塔と木塔の違いもあるだろうが、ここは日本人の繊細な美意識が反映されているから、とした方が何というか、カッコいいだろう・・・。
この塔は1333年(正慶2年)に造営中であったことが墨書によって確認されているという。改めてこの国に連綿と続く木の文化の素晴らしさを想う。