透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

814 坂城町上平の火の見櫓

2017-05-22 | A 火の見櫓っておもしろい


814 坂城町上平 撮影日170520

■ 見張台が円形ではなく、4角形の火の見櫓は東信方面では少ないかも知れない。先日(20日)に見てきた火の見櫓では5基目で初めてだった。次稿に載せる火の見櫓を見つけたものの、その時直ちには駐車する場所が見つからず先に進んでこの火の見櫓と出合った。



屋根の頂部の避雷針に付けてある飾りは時々目にする形。この飾りも4隅の蕨手も細い部材で、繊細な印象。見張台の下にスピーカーを4つ取り付けてある。



ホース格納箱が倒れたままになっている。これはどうしたことだろう・・・。


 


813 坂城町上平の火の見櫓

2017-05-21 | A 火の見櫓っておもしろい


813 坂城町上平 撮影日170520

 上田市から坂城町方面に向かって千曲川の左岸側を走って行った。途中で右岸側の方が火の見櫓がありそうだと景色を見て思ったが橋が無い・・・。で、この火の見櫓が見えた時はうれしかった。



錆止め塗装が施され、銀色に輝く屋根と見張り台。蝶の吻を思わせる蕨手。放射状に伸ばされた床下地材。



簡素なつくりの踊り場、短い脚。ホース格納箱と比べればその短さが分かる。



カンガルーポケット(櫓の1面に持ち出した踊り場)。ここで注目は床の外周材の両端を留めているブラケット。手すり材端部の処理の仕方。それから半鐘を吊り下げている腕木のアングル材の先端の形、吊り材の形。一見同じように見える火の見櫓でも細部に注目すると、みんなちがう。

久しぶりに書く。ひのみやぐら みんなちがって みんないい。


 


812 上田市築地の火の見櫓

2017-05-21 | A 火の見櫓っておもしろい


812 上田市築地 撮影日170520

■ おそらくは地元の人しか通行しないであろう狭い道路をゆっくり進んでここに来た。住宅地で周囲に高い建物が無く、遠くからこの火の見櫓が見えたので。4本の脚、4角形の屋根、円形の見張り台。屋根の飾り、2種類のブレース、踊り場の形、そして脚。全形と細部共東信では標準的な形の火の見櫓。







この火の見櫓の梯子段に等辺山形鋼(アングル)が使われている。梯子を登り降りするときは手でこの山形鋼を握ることになるが、強く握ると痛いだろう。これは厳しい。人が直接触れる部材の選択には特に慎重でなければならない。





809 上田市神畑の火の見櫓

2017-05-21 | A 火の見櫓っておもしろい


809 上田市神畑 撮影日170520

■ 松本から三才山、平井寺両トンネルを抜けて上田市のサントミューズへ向かう途中でこの火の見櫓を見かけた。東信でよく見かけるタイプで、4角形の櫓に4角形の屋根、円形の見張り台というごく一般的な組み合わせ。櫓の中間の踊り場も東信ではごく一般的な形のカンガルーポケット。











吉田 博展@サントミューゼ

2017-05-21 | A あれこれ

■ 上田市のサントミューゼは大・小ふたつのホールと美術館、スタジオ、子どもアトリエなどからなる複合施設で2014年(平成26年)10月にオープンした。設計はコンペで選ばれた柳沢孝彦さんと梓設計のチーム。

柳沢さんは真鶴町立中川一政美術館や、東京都現代美術館、郡山美術館などの美術館も手がけている。樋口一葉記念館も柳沢さん。新宿初台の新国立劇場(旧称第二国立劇場)もそう。有楽町マリオンは竹中時代の作品。柳沢さんは高校の先輩で、出身校の教育会館の設計もしている(過去ログ)。

施設名称のサントは蚕都だと以前聞いた。上田は養蚕が盛んだったところで上田紬はあまり知られていないようだが日本三大紬のひとつ。

現在このサントミューゼ(上田市立美術館)で開催中の吉田 博展(会期:4月29日~6月18日)に行ってきた。展示替えが行われることになっていて、22日までの前期展示に火の見櫓のある風景を描いた作品があると聞いたので予定を変更して昨日(20日)出かけた。

*****

まずは建築について。


①模型写真 敷地の南側(①の右側)を千曲川が流れている。

エントランスホールの一角に模型が展示されていた。模型写真と下の施設案内図で分かる通り、この施設は円形のコリドール(回廊)をメイン動線として美術館と大小ふたつのホール、その他の施設を配置している。コンセプチュアルなプランだ。

美術館には青、ホールには赤のイメージカラーが与えられていて案内図の両施設の輪郭線にこの色を用いているが、分かりにくいのは残念(写真③)。

円形のコリドールの内側は芝生広場になっている。ちなみに金沢21世紀美術館はこのコリドールの直径とほぼ同じ円形(直径約113m)のプラン。

芝生広場の先(模型②の下方)に見えるのが大型の商業施設というのは何とも残念。②を上下反転して千曲川側に広場を向けるという配置計画もあり得たのでは。当然そのようなプランも検討されたのだろうが、この配置にしたのはどのような理由によるのだろう・・・。


②模型写真


③施設案内図


④外壁のパターン

大きな外壁面をストライプな凹凸をつけたコンクリート打ち放しで仕上げている。黒い帯は木。

円弧を描く主動線、コリドール。地元産の木材(カラマツ材)が壁面に多用されている。コンクリートと木材、素材感の上手い表現。







*****

エントランスホールに入るも、チケット売り場が見当たらない。職員に訊けば、なんとミュージアムショップで売っているとのこと。エントランスホールにチケットカウンターがあるかと思いきや然にあらず。これはどうしたことだろう。制服姿ですまし顔の美女がカウンターにいて、チケットを扱っていないとダメでしょう。高級レストランが大衆食堂並みの対応では、展覧会に入る鑑賞者の気持ちが高まらない。演出として疑問。

施設のリーフレットに館内案内図が載っていないのも不便。複合施設であればなおさらだ。建築も芸術そして文化なのだから基本的な情報(設計者・施工者・設計コンセプト・床面積・開館年月など)も載せて欲しいところ。



さて展覧会。

あのダイアナ妃も、フロイトも吉田 博のファンだっという。夏目漱石の「三四郎」にも作品が出てくるというから、有名な画家なのであろう。が、私はこの画家を知らなかった。

手元にあるリーフレットによると吉田 博は1876年に久留米で生まれ、東京の画塾・不同舎に学び、絵画の素養を身に付けたという。

会場内で流れていたビデオ映像によると、吉田 博は黒田清輝(代表作「湖畔」は美術の教科書に必ず載る)の白馬会に対抗して設立された平洋画会のリーダー。反骨精神旺盛で、自分より絵の上手くない者が国費でフランスに行くなら、自分はアメリカだ、と自費で行ったという。

水彩画、油彩で描いた風景、そして淡い色彩の木版画の数々。多作な作家だったのだろう、前期の展示作品を出品目録で数えると200点以上あった。すばらしいことに水彩で描かれた日本の風景には湿った空気が表現されている。水彩画や確か40歳を過ぎてから始めたという版画の精緻な表現が好い。油彩画にも同じような表現傾向が見られ、細部まで表現してあるが、私は油彩画の場合はもっと大胆にざっくりと描いてある作品の方が好みだ。

目当ての火の見櫓のある風景を描いた「街道風景」という作品は水彩画で、街道の両側に石置き板葺きの切妻屋根の民家が並ぶ絵だった。火の見梯子が道路沿いに立ち、後方にうっすらと描かれた山がある。紅葉した木々から季節は秋だと分かる。

このように道路を中心に配置し、両側の家屋などで遠近感、奥行き感を示す構図を「道路山水」というそうだが、これは繰り返し書いているように私が惹かれる構図だ。道路山水という言葉を覚えておこう。

この絵の民家の破風板は棟で交叉している。吉田は山好きで上高地でも絵を描き、登山もしているから、長野県内の風景かも知れない。街道に妻側を向けている民家もあれば平側を向けているものもある。描かれた場所はどこだろう・・・。

私は会場内の数ヶ所に設置されたケースの中に展示された写生帖に描かれた風景スケッチに特に惹かれ、魅せられた。的確に対象の形を捉え、簡単に着色しているが、これが実に魅力的だった。

画才に恵まれた作家だ。展示替されたらもう一度出かけたい。


「道路山水」的構図 火の見櫓のある風景 須坂市須坂にて


 


万芸一芸を生ず

2017-05-19 | A あれこれ

■ 毎朝聴くNHKのラジオ深夜便、今朝(19日)4時過ぎからの「明日へのことば」のコーナーに女流講談師の神田 紅さんがゲスト出演していた。

女優を経て講談師になるまでのエピソード、師匠の神田山陽の教え、近況などを、神田さんはさすが語りのプロ、テンポよく語っていた。

神田さんは師匠の「万芸一芸を生ず」という言葉を座右の銘にしているという。「一芸万芸に通ず」という言葉は耳にしたことがあるが、万芸一芸を生ずという言葉を聞くのは初めてだった。いろんな芸が一つの芸に収斂していく、というか活きるということだろか。

二兎を追う者は一兎をも得ず、多芸は無芸、ではないのだ。万芸一芸を生ずという言葉は、僕のような発散型人間にはありがたい。

特定の分野の専門家でなくとも生きる道は開けている。専門分化した各領域を繋ぐ役割を果たすことができるような人材も今の世の中、必要とされている・・・、箍(たが)が無ければ桶にはならない。これは好い。我ながら好い言葉を思いついたものだ。いやこんなことを書くつもりではなかった。

今朝の神田 紅さんの話しは僕のような発散型人間にはありがたい、ちょっと元気になる内容だった。そう、このことを書いておきたかっただけ。


 

 


国立駅舎復元

2017-05-17 | A あれこれ


JR中央線 国立駅 撮影日20060625

■ ブログを始めて間もなく「国立駅舎の保存困難に」という記事を書いた。過去ログ
中央線の高架化に伴って解体されることになった国立駅舎、多くの市民の熱望に応えて保存が検討されたものの実現しそうにないことを伝える新聞記事を読んで書いていた。

私は20代をこの町で過ごし、毎日この駅を利用していたから駅舎が無くなってしまうことを大変残念に思っていた。

それが・・・。

今日(17日)東京の友人からこの駅舎が復元されることになったことを知らせるメールが届いた。メールに添付されていたのは**国立「三角屋根の駅舎」復活までの長い道のり**という記事のアドレスだった。

記事には木造駅舎の柱や梁などの部材が保存されている様子を写した写真も載っている。なぜこの駅舎の切妻屋根が左右非対称なのか、その理由も紹介されているが、このことを私は初めて知った。

国立市のホームページには駅前広場を再整備して、そこに旧駅舎を復元するという計画図が載っている。2020年の2月の完成を予定して整備を進める計画だという。


撮影日20060625

このような細部まできちんと復元されるのだろうか・・・。是非出かけて確認したい。数年先の楽しみができた。


 


ほお葉巻き

2017-05-17 | A あれこれ

 今朝(17日)の信濃毎日新聞朝刊に「初夏の香り ほお葉巻き作り」という見出しの記事が載っていた。ほお葉巻きは、米粉で作ったあん入りの団子をほお葉で包み、蒸してつくる。ホオの木の若葉を使うからこの季節限定で木曽地方の郷土食。

この国には豊かな食文化があり、また包むという文化もある。この「包む」に注目してカテゴリーを設けているけれどほとんど記事を書いていない。これからはこの「包む」をもう少し取り上げたい。

ちょうどいい機会だ。木曽方面へ櫓と蓋巡りへ出かけよう。そして包むを探してみよう(ほお葉巻きを買ってこよう)。毎年Aさん頼みでは申し訳ない。 


過去ログ

過去ログ2

 


小布施の蓋は北斎の天井絵

2017-05-16 | B 地面の蓋っておもしろい


小布施町小布施 撮影日170512

◎ 小布施と言えば葛飾北斎。高井鴻山と親交のあった北斎は晩年になってこの町を訪れ、生涯で4回滞在したとされ、作品を残している。北斎の作品が全国的にも有名な北信濃の観光地の基礎となった。

町のマンホール蓋のデサインには北斎が描いた上町祭屋台の天井絵「男浪図」が採用されている。この絵は1845年、北斎最晩年の86歳の作とされている。

町名などの文字を入れていないのは、この作品を大切に思う町の人たちの気持ちの表われであろう。蓋の上下はこの写真の通りだと思うが絵の向きは左が下のようだ。




 


ドラマ「みをつくし料理帖」私の楽しみは・・・

2017-05-15 | A あれこれ

 NHKの土曜時代ドラマ「みをつくし料理帖」が始まった。高田郁さんの原作が好かったから、ドラマが楽しみだ。

主人公の料理人・澪を演ずるのは黒木華さん。彼女は原作を読んだときに浮かんだイメージに近い。息子を頼って大坂から江戸に出てきたものの、息子は見つからず、澪と一緒に長屋住まいをする芳は安田成美さん。彼女はイメージより若い。

澪に板場を任せるつる家の店主・種市は小日向文世さんが演ずる。澪に優しく接する店主に相応しい雰囲気の俳優だ。それから澪と同じ長屋で暮らしていて、店を手伝うことになるおりょうは、誰だっけ・・・。そう、麻生祐未さんという私が知らない女優。おりょう役には美人過ぎるけれど、次回以降どんな演技をするのか注目したい。

これを恋愛ドラマとしてみるなら、医者の源斉と澪が心惹かれる小松原が気になるところ。このふたりを演じている若手俳優のことは知らないが、小松原は抱いていたイメージから遠い。野生を強く感じてしまう。

全10巻の長編を8回の、そうたった8回のドラマにどう仕立て上げるのか気になるところ。私が原作で最も好きな場面が出てくるのだろうか・・・。

さて、ドラマで江戸のまちが俯瞰的に映し出されたが、その中に火の見櫓が立っていた。切妻屋根の家並みの中に方形(4角錐)屋根がすくっと立っているとよく目立つ。やはり火の見櫓は昔も今もランドマークだ。また、つる家のすぐ近くに枠火の見(屋根の上に設えた火の見梯子)がある。 ドラマでは「はてな飯」を試食してもらうためにそのおにぎりを店の前で配るシーンに枠火の見が映った。もちろん半鐘を吊り下げてある。次回も映るかも知れない。

ヤグラーな私の楽しみ。


 


長野県77市町村蓋巡り

2017-05-14 | B 地面の蓋っておもしろい



長野県全77市町村蓋巡りの進捗状況 54/77 170512現在

 長野県は南北に長く、北部・中部・南部というエリア分けをよくするが、この分け方によれば、北部と中部はクリアした。ただし北相木村と南相木村には蓋が無く、栄村では火の見櫓をバックに蓋写真を撮ることができなかった。まあ、蓋巡りが行ったことがない町村へ行くという動機付けになれば良い。

残りは南部の23市町村。木曽の6町村はすべて行ったことがあるが、飯田市より南の町村にはどこも行ったことがない。今年中には達成できるだろう。


 


808 環水平アーク

2017-05-14 | A 火の見櫓っておもしろい



(再)小布施町小布施横町 小布施町役場近く 撮影日時170512 11:02AM


808 小布施町中松 撮影日時170512 11:48AM

 12日の昼前に環水平アークが見られた。

昨日(13日)の朝刊(*1)にもこの珍しい気象現象が取り上げられていた。記事には長野地方気象台によるこの現象の説明が載っている。**低気圧が近づき、上空にできる雲が徐々に高度を下げて厚くなる過程で観測できることが多い**

環水平アークを背景に立つ火の見櫓を2基撮ることができた。 


 *1 信濃毎日新聞


小布施といえば栗

2017-05-13 | A あれこれ


栗おこわを食した日 170512

■ 須坂・小布施・高山、北信3市町村火の見櫓巡り。昼食は小布施で。小布施と言えば栗、ということで栗おこわ。栗の上品で控えめな甘さが好い。これ以上の食レポはパス。食事の後、買い求めた土産は試食で決めた栗饅頭。