透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

富士見町境の火の見梯子

2022-10-11 | A 火の見櫓っておもしろい


(再)諏訪郡富士見町境 火の見梯子控え柱付き 撮影日2022.10.10


 こうような火の見櫓のタイプをどのように捉えれば良いのか・・・、ずっと考えている。柱が3本で横架材とブレースが設置されていて櫓を構成しているから火の見櫓、という捉え方もあると思う。柱3本で構成される櫓の構面の1面が梯子になっている、という捉え方。一方、後ろの柱は梯子が倒れないように支える控え柱として捉えれば、柱3本の働きは同じではなく、控え柱付きの火の見梯子と捉えることもできると思う。未だ結論出ず・・・。



てっぺんに避雷針らしき設えがしてある。半鐘を吊り下げる腕木と柱の接合部をガセットプレートで補強している。好ましい。


 


富士見町境の火の見櫓

2022-10-10 | A 火の見櫓っておもしろい






1394 諏訪郡富士見町境 4柱6〇型トラス脚 撮影日202.10.10


形が整っていて美しい火の見櫓だ。なだらかなカーブを描いて上方に逓減する櫓、大きさのバランスが良い屋根と見張り台。


屋根の軒先の飾りは蕨手ではない。こういうの何て言うのかな・・・。
露出が良くなかった。撮り直す機会があると思う。




この脚は間違いなくトラス構造。


 


布と糸の風景

2022-10-10 | A あれこれ



 坂井 真智子 布絵展 ―布と糸の風景― 

北安曇郡池田町のカフェ「風のいろ」で開催中の坂井さんの布絵展を鑑賞した。上のポストカードの作品で分かる通り、山のある風景がリアルに表現されている。

爺ケ岳。その山容、山肌や稜線などを色や形に制約のある布と糸という素材でリアルに表現しているのだから驚きだ。自由に表現することができる水彩画でもこれほどリアルには表現できないのではないか。何より凄いと思うのは山容の正確さ。安曇野から望む北アルプスの山並みを表現した作品では仁科三山(爺ヶ岳、鹿島槍ヶ岳、五竜岳)はもちろん、その右側にごく小さく表現された白馬三山(白馬鑓ヶ岳、杓子岳、白馬岳)も見てすぐ分かる。布で表現しているのに・・・。

遠近法をきっちり押さえていることが分かる。遠景の水平面、例えば湖の遠くの水面の表現は幅を小さくした横長の布を数枚上下に並べて使うなどして表現しているし、遠くの山などは空気遠近法により、薄い色の布を使っている。

またリアルな表現とは違う、布という素材をストレートに活かした表現、布でしか表現できないようなやや抽象的な作品も魅力的だ。

布と糸という表現に制約のある素材を用いながら、風景をリアルに表現している作品、その一方で布という素材でなけでば表現できないような作品、その両方の作品に魅せられた。

会場、会期などの情報は下の通り。おすすめの作品展。


 


ねまるちゃテラスの黒部ダムカレー

2022-10-09 | F ダムカレー




 2016年当時、黒部ダムカレーを提供していたのは20店舗だった。その全ての店舗の黒部ダムカレーを食べた(過去ログ)。それ以降、提供をやめてしまった店舗もあり、新たに提供を始めた店舗もありで、現在提供しているのは16店舗。その中に2018年に黒部ダムカレーの提供を始めた「ねまるちゃテラス」がある。今日(9日)大町に用事があったので、時間を調整して昼に食べてきた。

以下指定仕様による竣工検査の結果報告

ねまるちゃテラスの黒部ダムカレー 竣工検査日2022.10.09
・施工会社の所在地:大町市平10731(木崎湖畔 写真左下はカウンター席から見た木崎湖の様子)
・ダム型式:アーチ式ライスダム 
・堤体長:約15cm(実測値)堤体両端間の直線長さ
・堤体高:約4cm(実測値)
・堤体幅:約5cm(実測値)
・堤体重量:約200g(施工者への聞き取り調査による)
・総貯ルー量:約200cc(黒部ダムカレーカードに記載されている数値) 
・ダム湖に浮かぶ遊覧船・ガルベ1艘:クリームチーズ
・ダム下流:野菜サラダ
・敷地:円形の白い皿 直径25cm 
・ダム湖の深さ:未計測
・施工費:1,100円(税込み)
・施工者:未確認
・施工時間:約7分
・検査時間:約18分(測定及び試食時間)


検査担当者は味の検査資格を有していないため、味の検査結果は未記入(空欄)
メモ:やや辛目の牛すじカレー、堤体は地元産米。





名月十三夜

2022-10-08 | A あれこれ



 旧暦の9月13日は十三夜。少し歪(いびつ)な月。

整形の満月を愛でるという風習は平安時代に中国から伝わったと何かで読んだ(書名は忘れてしまった)。それ以前は十三夜を愛でていたという。少し歪な形の方を好むという心性が日本人にはあるようだ。都市計画然り。中国からシンメトリックな都の計画がこの国に伝わったが、いつの間にか、それがくずれてしまった。寺院の伽藍配置然り。


 


フジモリ茶室「五庵」

2022-10-08 | A あれこれ

 藤森照信さん設計の「五庵」が藤森さんの出身地、茅野市宮川に建築されたことをある方のインスタで知り、今日(8日)観に行ってきた。「五庵」は東京オリンピック・パラリンピックに併せて開催された「パビリオン・トウキョウ2021」で建築された四畳半の茶室。再建築される予定だということは以前から知っていたが、完成したことは知らなかった。

「パビリオン・トウキョウ2021」の時は芝生のスカートを穿いていたけれど(残念ながら写真がないので、興味のある方はネット検索してみてください)、宮川ではスカートは穿いておらず、4本脚で立っていた。よく分からないが東京では4本脚ではなくて別の構造で茶室を持ち上げていたのではないかと思う。


茶室「五庵」
設計:藤森照信 所在地:茅野市宮川 撮影日:2022.10.08


なんとアクロバチックな!


外壁は焼杉板張り、屋根はしわくちゃにした銅板葺きという、フジモリ建築定番の仕上げ。ブレースがないけれど、これで水平力に対して抵抗できるんだろうか・・・。できるんだろうな。床は木造格子梁であることが「パビリオン・トウキョウ2021」の時の写真で分かる。その床と自然木の柱とどのように接合しているのだろう、柱脚は大きな石にどのように固定しているのだろう・・・。建設の様子、見たかったなあ。


脚元の様子


茅野市宮川のフジモリ建築は五庵と下の5作品で計6作品となった。撮影日2022.10.08 


神長官守矢史料館(デビュー作 1991年)     高過庵(右 2004年)と低過庵(左 2017年)


空飛ぶ泥舟(2010年)             高部公民館(2021年)


 


「時計遺伝子」

2022-10-08 | A 読書日記


『時計遺伝子 からだの中の「時間」の正体』岡村 均(講談社ブルーバックス2022年)

 体内時計という言葉は知っていたが、時計遺伝子という言葉は知らなかった・・・。時計遺伝子を発見した科学者3人が2017年のノーベル生理学・医学賞を受賞しているそうだ。

体の様々な機能に関わっているという時計遺伝子。時計遺伝子が体の機能に関わるメカニズムって、興味深い。この連休に読もう。


 


インスタグラム

2022-10-07 | A 火の見櫓っておもしろい



 インスタ初投稿(右下)から6番目の投稿(左上)まで記録として残しておきたい。できるだけ印象的な写真を選んで載せている。

インスタグラムも魅力的なサービスだと思うけれど、僕の場合インスタグラムで文章を書こうという気持ちにはならない・・・。だからキャプションだけ書いている。ブログ離れということも聞くけれど、やはり文章を書くのにはブログが好いと思う。


 


フェイスブック

2022-10-07 | A 火の見櫓っておもしろい


フェイスブックの投稿画面

 ブログ、フェイスブック、インスタグラム。フェイスブックを始めたのは2019年の秋。自費出版した本の宣伝をしようという不純(?)な動機からだった。フェイスブックとインスタグラムで取り上げるのはもっぱら火の見櫓のこと。

フェイスブックは原則として週1回、土曜日にアップすることにしている。しばらく前から上掲した例のようにある夫婦が火の見櫓についてあれこれ話すという趣向。

インスタグラムは印象的な(インスタ映えするというのか)写真を載せてキャプションをつけるだけで文章は書かない。その代わり日々アップすることにしている。

それぞれのSNSの特徴を踏まえてアップしていきたいと思う。何らかの方法で情報発信することは生きていることの証だと僕は思っている。


 


「本所おけら長屋 十九」

2022-10-07 | A 読書日記

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 人気シリーズ最新刊『本所おけら長屋 十九』畠山健二(PHP文芸文庫2022年)を読んだ。「ほろにが」「ぜんあく」「せんべい」「はりかえ」収録されている4編のタイトルはすべてひらがな4文字。このシリーズは始めからずっとこだわりの4文字だ。

本の帯に**笑って泣けて元気が出る**とあるけれど、本当にそう。「ほろにが」に笑い、「せんべい」には涙。

「ほろにが」
そそっかしくて早呑み込みの半次と言われている研ぎ屋の半次は長屋暮らし。ある日、半次のところに大店のお嬢様が訪ねてくる。
**「半次さんでしょうか」
「そうですけど・・・・・」
(中略)
「長屋に住んでいる、相生町のとぎやの半次さんでしょうか」
「ですから、そうですけど・・・・・。おたくはどちらさんで」
「静といいます。半次さんの嫁になるかもしれない者です」
(後略)**(16頁)
とんだ思い違いが巻き起こす「騒動」に大笑い。あらすじは省略するけれど、実によく考えられたストーリー。

「せんべい」
おけら長屋の住人、お里さんは仕事帰りに子どもたちのケンカに遭遇。三人の子どもたちが走り去り、一人の子どもが口元から血を流して座り込んでいた。お里さんが血を拭きなと手拭いを差し出すと、**「私は武士の子です。施しは受けません」**(143頁)と子ども。
**「一丁前の口を聞くんじゃないよ。何が施しだい。そんなに大層なもんじゃないだろう。ほら、使いなよ。武士の子がそんな顔をしてたらみっともないだろう」**(143頁)
さらにお里さんと子どもの会話は続く。お里さんは子どもに名前を住んでいる長屋を伝え、手拭いにはせんべいが挟んであるから、後で食べなと言ってその場を後にした・・・。このせんべいがその後、思わぬ展開を招くことに・・・。おけら長屋の住人たちの人情に涙。

「はりかえ」
ついに松吉とお栄さんが所帯を持つことに。僕はお栄さんがこれから結婚するような歳の女性だとは思っていなかった。こうなれば、次に気になるのが、僕が好きなお満さんの結婚話。

このシリーズ、次は2023年の春に発売予定と帯にある。楽しみに待とう。





「非色」有吉佐和子

2022-10-05 | A 読書日記

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『非色』有吉佐和子(河出文庫2022年7刷)

 しばらく前に「青春ボックス」と名付けた、ぼくが20代の時に受け取った手紙やはがきを納めた箱のことを書いた。箱の中の手紙やはがきを一通り読み返したが、その中に『非色』を読んでいます、と書かれた手紙があった。文面からぼくがある女性に『非色』を贈ったことが分かった。

本のタイトルは覚えていたが、内容については人種差別がテーマだったということくらいしか覚えていなかった。それで再読してみようと書店で探した。20代のときに読んだのは角川文庫だったようだ(1967年刊行)。それが河出書房新社から復刊されていて、書店の文庫コーナーに並んでいたので買い求めた。約400ページの長編。1日100ページ、4日で読了。

カバー裏面にこの長編の概要が簡潔にまとめられている。**色に非ず―。終戦直後黒人兵と結婚し、幼い子を連れニューヨークに渡った笑子(えみこ)だが、待っていたのは貧民街ハアレムでの半地下生活だった。人種差別と偏見にあいながらも、「差別とは何か?」を問い続け、逞しく生き方を模索する。一九六四年、著者がニューヨーク留学後にアメリカの人種問題を内面から描いた渾身の傑作長編**

何の衒いもない有吉佐和子の文章は実に分かりやすく、そして読みやすかった。

アメリカ社会の人種差別問題(アメリカだけのことではないように思うし、過去のことでもないようにも思う)を、主人公の笑子や、同じ貨物船(そう、貨物船)で笑子と一緒にアメリカに渡った3人の日本人女性たちの日常生活を描くことで、読者に分かりやすく説いている。人種差別や偏見の問題を、一気に読ませる小説に仕立て上げたこの作家の力量(有吉佐和子が33歳の時に上梓された作品)の凄さを改めて感じた。

ストーリーには派手な展開はないけれど、笑子が**私も、ニグロだ!**(408頁)だという考え、自己認識にたどり着き、ニグロの夫と4人の子どもたちと強く生きて行く決心をするというラストには感動した。

笑子と同船した3人の女性の中に**着ているものも上品で、どこから見ても「いいとこのお嬢さん」という感じだった。**(112頁)という麗子がいた。有吉佐和子は読者が全く予想できないような麗子のアメリカでの生活を描いた。社会の厳しい現実を突きつける作家だったと、改めて思った。そして意思の強い作家だったということも。


 


インスタグラム

2022-10-04 | A 火の見櫓っておもしろい


私のインスタ写真

 しばらく前にインスタグラムを始めた。取り上げるのは火の見櫓。文章がメインのブログとは違い、インスタグラムは写真がメイン。文章か写真か、最近は文章より写真、ブログよりインスタグラムという傾向があるようだ。どちらも情報発信ツール、両方の特徴を踏まえて投稿していきたいと思う。ブログからインスタへ移行している人も少なくないようだが、ブログを続けて文章を書かなくては・・・。