透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

各務原市の火の見櫓(登録有形文化財)

2022-10-01 | A 火の見櫓っておもしろい


1392 岐阜県各務原市那加前野町 覚王寺前 4柱〇4型ブレース囲い(BC)前面開放脚 撮影日2022.09.30

 愛知県春日井市鳥居松町にある茶楽家「われもこう」でyumiさんとkakuさんの作品展を鑑賞して、次なる目的地の岐阜県各務原市那加前野町へ向かった。すれ違いが困難と思われる道路を進んで目的地に到着した。ここには登録有形文化財の火の見櫓が立っている。


細身で背が高い火の見櫓だ。櫓は上方に向かって直線状に細くなっている。この火の見櫓のおおよその高さを知りたい。梯子の段数と間隔(ピッチ)により、見張り台の高さをざっくり調べて、約15.5mだと分かった。見張り台の床面から屋根の軒までは通常2mくらい、それに屋根の高さをおよそ1.5mとみて、火の見櫓のおおよその高さを19mと推測した。帰宅後に文化庁のデータベースで高さを調べると19mとなっていた(この火の見櫓は登録有形文化財だから文化庁のデータベースに載っている)。この値は上記の概算値と一致していた。4本脚の根本の間隔(4角形の1辺の長さ)はおよそ1.7m。高さと脚の間隔の値もこの火の見櫓がかなりの細身であることを示している。


円形(円錐形)の屋根に蕨手が付いている。これはかなり珍しいと思う。今までに見たという記憶がない。薄くて幅広の平鋼でつくった避雷針の飾りをそのまま軒先まで伸ばして蕨手にしている。このようにしてまで付けた蕨手は単なる飾りではなく、災害除けの願いが託されているのだと思う(過去ログ)。


見張り台の手すりの下側を外側にはらませているのはなぜだろう・・・。こうしないで、床まで上側の手すりと同じ様につくるのと何が違うのだろう。


上の梯子はなぜまっすぐ伸ばさないで曲げているのだろう。まっすぐ上に伸ばすと、踊り場直上の横架材に梯子がかなり近接して、人の移動に支障を来たす、という理由がまず考えられる。案外正解かもしれない。

 
一面持ち出し型の踊り場(カンガルーポケット)の手すりも見張り台の手すりと同じ形にしている。


踊り場の半鐘の円錐形の小屋根にも蕨手!


櫓内に出入りするための開口部のこのようなデザインは長野県内では見たことがない。かなり前にやはり岐阜県の垂井町で見たことがある(下の写真) 4つのプレートが設置されている。


岐阜県不破郡垂井町で見た火の見櫓の脚部


この梯子も下端を曲げてある。なぜ?

 




「那加消防組前野部」の銘板 他に「昭和拾貳(貮?)年壹月建設」、「岐阜熊田商店鉄工部建設」という縦書きの銘板が設置されている。


メモ: 9月30日(金)午前5時45分~午後6時45分(13時間) 走行距離約412km

 


art unit mikka 作品展

2022-10-01 | A あれこれ


 しばらく前にyumiさんとkakuさんから個展開催の案内状が届いていた。会場は愛知県春日井市の茶楽家 われもこうというギャラリー。愛知県か・・・、距離を調べるとおよそ170km。各務原の火の見櫓も見ることにして昨日(9月30日)車で出かけてきた。朝6時前に出発、国道19号をひたすら走ること4時間。予定通り10時前に会場のギャラリーに着いた。ふたりと会うのは4年ぶりか。


茶楽家 われもこうはギャラリーを併設しているカフェ 


yumiさんの作品 

こころに浮かぶイメージを細描した作品。抽象画と具象画のどちらともとれるような作品で、非常に緻密に描いている。色と形、どの展示作品も私の好みで、すっかり魅せられた。


kakuさんの作品

詳しく聞かなかったけれど、アクリル絵の具をペインティングナイフ(ヘラ)で引くようにして描いているとのこと。描法がよく活きた抽象画で、洋風の空間にはもちろん、モダン和風の大きな空間にもよく合うだろうな、と思いながら鑑賞した。

ふたりの描く作品は作風が全く違う。両者の作品がそれぞれの個性を際立たせ、より魅力的にしている。久しぶりに感性を刺激され、描きたいという気持ちが高まった。

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カフェでふたりと話をしていると、なんとTさんが! 彼女は松本から電車で来たとのこと。空間と時間が一致しないと人と会うことはない。なんという偶然だろう・・・。