■ 火の見櫓のある風景スケッチ展②の会期中にポストカードをつくりました。展示したスケッチ11点の中から3点。案内カードが思いの外好評でしたから。
額に入れて自室の机に飾りました。案外好いかも。
ポストカードはスケッチ展の会場だった安曇野市豊科のカフェ、BELL WOOD COFFEE LAB(0263-75-3319)と同じく豊科の甘味喫茶、野田園 お茶の間(0263-72-2217)で販売しています。
■ 火の見櫓のある風景スケッチ展②の会期中にポストカードをつくりました。展示したスケッチ11点の中から3点。案内カードが思いの外好評でしたから。
額に入れて自室の机に飾りました。案外好いかも。
ポストカードはスケッチ展の会場だった安曇野市豊科のカフェ、BELL WOOD COFFEE LAB(0263-75-3319)と同じく豊科の甘味喫茶、野田園 お茶の間(0263-72-2217)で販売しています。
2023.11.06 06:04AM
この空、何色?
『日本の傳統色』長崎盛輝(京都書院)で探す。
「桜鼠」が近いかな・・・、「水がき」かな・・・。
どちらでもないな。
今日も何か好いことがありますように。
■ 朝日美術館(長野県東筑摩郡朝日村)で開催中の「土たちの詩話」濱田卓二 展のギャラリートークに参加した。
彫刻家の濱田卓二さんの話だけでなく、朝日美術館で開催するのだから、朝日村の土で創りたいという濱田さんの想いを受けて、胎土探しをサポートした地質コンサルタントの下田 力さんの土の説明も興味深かった。
縄文人が使っていたのは約2万年前に堆積した波田ローム、今回の作品展のために使ったのは主に約10万年前に堆積した小坂田ロームとのこと。縄文土器研究家の方の参加もあり、専門的な話を聞くことができた。
会場の休憩室には専門機関(名古屋工業大学)で行われた胎土の成分の分析結果の掲示もあった。
今回の作品展は縁あってできた専門家チームの1年間に及ぶプロジェクトの成果のプレゼン。鑑賞をおすすめします。
土たちの詩話 濱田卓二 展
会期:2023.10.07~11.26
会場:朝日美術館(休館日:月曜日)
2015.07.03
2023.11.02
■ 朝カフェで松本清張の長編小説『火の路』文春文庫をまた読み始めた。8年前にも朝カフェで読んでいる(過去ログ)。この小説を初めて読んだのは1978年7月、45年も前!
前に読んだ文庫本は知人にあげたので、また買い求めた。
酒船石や益田岩船の用途は? この謎に関する松本清張の緻密で周到な論考。これは「論文小説」。古代史に関する専門的な内容で、難しいが、朝日新聞に連載された新聞小説というから驚く(1973年6月16日~1974年10月13日 原題「火の回路」)。
読みたい小説が他にもある。年末まで長編小説を読み続けることになりそうだ。
■ 車の定期点検の案内ハガキに貼られていたミッキーマウスの63円切手。2023年7月12日発行の「ミッキーとなかまたち」10枚シートの中の1枚(シール式)。ミッキーの人気がずっと続いているのはなぜ?
■ 岡山市在住のOKさんから岡山県総社市の地域誌「然 ZEN 2023.秋」号が送られてきた。OKさんは火の見櫓が縁で知り合いになった方。OKさんはこの地域誌に総社市内の火の見櫓について寄稿している。市内の火の見櫓の分布状況、火の見櫓の型、半鐘等について調査、地道な取り組みによって得られた知見を紹介している。このような取り組みをしている方と情報交換できることは大変有難い。
封書に貼られていた切手は2種類。
□ 100円切手は1989年8月19日発行の第3次国宝シリーズ「神人車馬画象鏡」。調べるとこれは奈良県河合町佐味田宝塚古墳から出土した古墳時代、4~5世紀の鏡で重要文化財に指定されている。1989年発行ということは34年も前の切手ということになる。
□ 4枚貼られていた10円切手はもっと古く、1966年だから57年も前に発行された名園シリーズ「偕楽園」。随分趣のあるデザインだ。
1966年ころ封書の送料はいくらだったんだろう・・・。調べてみた。ちょうど1966年(昭和41年)の7月に郵便法が改正され、定形外の封書は50gまで25円、100gまで35円になっている。送られてきた地域誌の重さを量ると約80gだったから35円だ。それが現在は140円か・・・。
■ 11月になった。今年も残すところ後2か月。時の経つのは早い。一寸の光陰軽んずべからず、本当にそう思う。10月はスケッチ展開催であっという間に過ぎ去った、という印象。
ブックレビューは今回が219回目。毎回5冊とすると、1,000冊を超えている。私にとって読書は食事と同じ生活の一部、一日として欠かせない。
ブックレビュー、10月に読んだ6冊の本たち。
『思い出せない脳』澤田 誠(講談社現代新書2023年)
脳に関する本を初めて読んだのは高校3年の時、『脳の話』時実利彦(岩波新書)だった。以来、脳について書かれた本は時々読んできた。『思い出せない脳』もその1冊。私の脳も必要なことがなかなか思い出せなくなっている。スケッチ展でも3年ぶりに会ったKMさんの名前が思い出せなかった。で、まず芳名帳に名前を書いてもらい、事なきを得た。
帯に**最新脳科学が明かす記憶のミステリー**とあるように、この本で、著者は記憶のメカニズムについてあれこれ分かりやすく解説している。脳は実によくできたシステム、脳に関する本を読むといつもそう思う。
『美術の愉しみ方』山梨俊夫(中公新書2023年)
美術作品の愉しみ方は人それぞれ。でも基礎的な知識があるともっと深く愉しむことができる。ラグビーもルールを知るとより深く楽しむことができるように。スケッチ展開催を機に美術に関する本を読もうと思って買い求めた本。何か所か付箋を貼った。**劉生と同世代のもうひとりの重要な画家 萬鉄五郎は、劉生と同じように、自然を描くことは自分を描くことであると考える。**(67頁)自然を描くことは自分を描くこと、そう、火の見櫓のある風景スケッチには私が表現されている。
『異邦人(いりびと)』原田マハ(PHP文芸文庫2023年9刷)
原田マハには美術を題材にした小説が何作かあるが、「異邦人」もその内の1作。川端康成の『古都』を意識して書かれたとのこと、物語の最後に明かされる驚きの事実は、確かに『古都』。
『楽園のカンヴァス』原田マハ(新潮文庫2022年24刷)
原田マハの虚実織り交ぜたストーリー構成の巧さに感動、涙が出た。今年のベスト3に入る作品になるだろう。私にこの作家の美術を題材にした小説は全て読もうと思わせた作品。
『美しき愚かものたちのタブロー』原田マハ(文春文庫2022年)
『楽園のカンヴァス』に比べると地味と言うか、渋いと言うか、そんな印象。「松方コレクション」物語。上野の国立西洋美術館に行きたくなった。来年の春にでも行こう。
『旅をする木』星野道夫(文春文庫2022年53刷)
**カムチャツカ半島での取材中、ヒグマの事故により急逝。**(カバー折り返しの文章からの引用)
朝カフェのHさんが一番好き、という本。アラスカでの暮らしを通じて感じたこと、考えたことが平易で味わい深いことばで綴られている。既に53刷、これは名著。
松本清張の長編小説『火の路』(文春文庫)を再読し始めた(過去ログ)。
注:鍋冠山が出てくる箇所、過去ログでは上巻384頁となっているが、新装版では上巻449頁。尚、同453頁にも出てくる。**正面に鍋冠山がある。常念岳はそれに妨げられて見えない。**
■ スケッチ展のことを書き続けてきたが、本稿を以って一区切りとしたい。
風景スケッチでは3次元の空間(風景)を2次元の平面に落とし込む作業がまずある。この作業が楽しいから、私は写真を見て描くことはしない。写真は既に3次元が2次元に落とし込まれてしまっているから。
今後の課題などと大層なタイトルをつけたが、要は今後どのようなスケッチを描こうか、ということ。このことについて現時点で考えていることをまとめておきたい。
1 火の見櫓のある風景 四季を描く
3年前(2020年)のスケッチ展では全て季節が夏、今回も展示したスケッチは下掲の1枚を除き、やはり全て夏だった。このことについて特に理由はない。ただし冬は寒くてなかなか外に出て描こうという気持ちにはならない。TMさんから3年前のスケッチ展の時も今回も冬景色を描いてくださいと言われている。この冬は描こうと思う(ちょっと弱めの決心)。
雪に覆われた風景では特に屋根は形がはっきりしない。曖昧な形、ふわっと降り積もった雪の輪郭をどう線描するか・・・。着色はどうすればよいか。雪の影を薄い青や紫で着色した水彩画を見ることがあるが、他に表現する方法はないものだろうか。課題(そうやはり課題だ)は多い。
春、花のシーズンを今まで描かなかった理由が分からない。色鮮やかな風景が描けそう。 秋景色も描こう。
長野県朝日村にて 2022.11
2 火の見櫓のある風景 点景として人を描く
スケッチ展の会場に偶々来られた写真家に人物を入れたらどうか、と言われた。確かに人物を描き入れたことはなく、もっぱら静的な風景を描いて来た。人物を描き込むことは、時間軸を追加することだから(この理路は分かりにくいかもしれないが)、確かに魅力的だ。
火の見櫓の横の道を小学生が登校して行く・・・、おばさんふたりが火の見櫓の脇で立ち話をしている・・・。静的なスケッチに時間軸が加わることでそこに物語が生まれる。上掲したスケッチに赤いランドセルを背負って下校していく小学生をふたり描き込んだらどうだろう・・・。静的なスケッチに動きが出る。動的なスケッチ、物語のあるスケッチはなんとも魅力的ではある。だが、いきなり油性ペンで本チャンの線を引くというこだわりを捨てずに描けるだろうか・・・。
描いてみよう(かな)。
スケッチ展関係の最後の記事です。
10月4日から29日までの会期中(休日を除けば20日間)に多くの方々に会場にお越しいただきました。芳名帳には141名ものお名前が記されていました。中には2度、3度とお越しいただいた方も居られます。でも皆さん記入は1回のみでした。また記入されなかった方も居られたようです。延べ人数は優に150名を超えていたものと思われます。私が不在の時にお越しいただいた方も少なくありません。会場でお礼を申し上げることもできず、申し訳ありませんでした。
わざわざ会場にお越しいただいた皆さんに感謝申し上げます。それから都合がつかないからと連絡していただいた皆さん、SNSにコメントしていただいた皆さんにも感謝申し上げます。
専用のギャラリーにも劣らない展示空間でもあるカフェでスケッチ展を開催できたこと、大変うれしく思います。カフェ・BELL WOOD COFFEE LAB(安曇野市豊科 0263-75-3319)のオーナーの鈴木さんにも深く感謝申し上げます。
皆さんありがとうございました。
■ 10月19日午前10時。アポ通り朝カフェのHさんがスケッチ展に来てくれた。いつもカウンターの向こう側に立っているHさんが私服で目の前に座っている。
昨年のある日、朝カフェで角田光代訳の『源氏物語』(河出書房新社)を読んでいると、Hさんから「私も読みました」と声をかけられた。角田訳の「源氏物語」は上、中、下3巻で厚さが14cmもある。Hさんは読書好きに違いないと思った。
また、先月(10月)のこと、原田マハの『楽園のカンヴァス』(新潮文庫)を読んでいた時は、この本を読んで原田マハの他の作品も読むようになった、と聞いた。
小川洋子(過去ログ)、村上春樹(過去ログ)・・・。Hさんが挙げた作家の小説を偶々ぼくも読んでいた。久しぶりに本好きの人と話ができてうれしかった。 だが、肝心のスケッチの感想は覚えていない・・・。
Hさんに好きな本を訊いた。ぼくが差し出した雑記帳にHさんはしばらく考えてから「旅をする木」星野道夫(文春文庫)と書いた。
*****
早速、朝カフェの隣にあるTSUTAYAで買い求めて読んだ。
カバーに**多くの人に〝人生を変えた本〟と紹介された、永遠に読み継がれるべき1冊**とある。巻末に1999年3月10日第1刷、2022年7月25日第53刷とある。20年以上もよく読まれていることが分かる。
読んでみて、我が来し方を振り返り「そうか、こんな生き方もあるんだなぁ・・・」と思った。平易な文章で綴られたアラスカでの生活の様子などが、こころにじんわり染み入る。いいエッセイ集だなと思う。
今度朝カフェでHさんと会った時「読みましたよ」と伝えよう。