『たゆたえども沈まず』
『デトロイト美術館の奇跡』
『リーチ先生』
『リボルバー』
『風神雷神』
■ 上掲したリストの順番で原田マハの小説を読もう、と思う。で『たゆたえども沈まず』(幻冬舎文庫2020年4月10日初版、2022年11月25日12版発行)を読み始めた。
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『本日は、お日柄もよく』は読者として若者を意識したのかどうか、気楽に読めるようなライトな文章表現が目立っていたが、このアート系の小説は、硬い表現で綴られている。才能のある人は書き分けができるんだなぁ・・・。が、原田マハの本流はやはりアート小説なんだろうな。
**川上の空は夕日を抱きしめてやわらかな茜色のヴェールを広げていた。絹のようになめらかな陽光を弾きながら、水面がさんざめいている。**(17頁) この絵画的な表現はアートに深く関わり、キュレーターもしていたこの作家らしい。
今週末はこのアート小説を読む。
カバーはこの小説に登場するゴッホ、フィンセント・ファン・ゴッホの「星月夜」。ゴッホの油彩画の特徴は短い毛糸を並べたような描法にある。
以下追記(2023.11.17)
ぼくが感じた上の見解を見たKBさんから次のような情報をいただいた。
アムステルダムのゴッホ美術館の日本語の解説書にこのような記載があるとのこと。このようなことは全く知らずに、感じたままを書いたけれど、ゴッホは実際に毛糸で色の効果を確認していたんだ。これって常識?