史跡訪問の日々

幕末維新に関わった有名無名の人生を追って、全国各地の史跡を訪ね歩いています。

磯庭園(仙巌園)

2008年10月20日 | 鹿児島県
 久し振りに磯庭園(仙厳園)を訪れた。広い庭は相変わらずよく手入れが行き届いており、非常に気持ちが良い。仙厳園は、万治元年(1658)十九代島津光久がこの地に別邸を構えたのが始まりである。眼前に錦江湾と桜島を配した借景は雄大である。磯御殿は、維新後、鹿児島における島津家の生活の拠点となり、一時は本邸として使われたこともある。


磯御殿


磯御殿から桜島を臨む


反射爐址


薩摩藩百五十斤鉄製砲(復元)

 仙厳園の入口を入ると巨大な鉄製の大砲が出迎えてくれる。勿論、これは復元されたレプリカであるが、当時反射炉で鋳造された最大級の砲身が百五十斤砲であった。


炉床の下部構造

 島津斉彬は藩主に就くと、軍備の近代化と産業の育成に力を注いだ。反射炉は、主に大砲を鋳造するために建設されたもので、嘉永五年(1852)に着手し、安政三年(1856)にようやく鉄製砲の鋳造に成功した。文久三年(1863)の薩英戦争ではこの反射炉で造られた大砲が活躍したという。現在は解体されて基礎部分だけが残されている。炉の高さは15~20メートルと推定されている。



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