史跡訪問の日々

幕末維新に関わった有名無名の人生を追って、全国各地の史跡を訪ね歩いています。

銚子 Ⅱ

2014年06月01日 | 千葉県
(良福寺)


因明院受炮發性信士(大森金六郎の墓)

 前回、良福寺を訪ねた時、探し当てられなかった水戸藩諸生党の大森金六郎の墓に、二度目にしてやっと出会うことができた。正面には戒名、左側面にはこの墓を建てた「町内 年寄中」、右側面には「慶應四辰十月五日」という没年月日が刻まれている。

(川口神社)


川口神社

 銚子市川口町の川口神社は海を臨む小高い丘の上に建てられている。階段の途中に吉田松陰がこの地を訪ねたことを記念した石碑がある。表面の「松陰先生曾遊之地」の文字は、徳富蘇峰によるものである。


松陰先生曾遊之地

 裏面には、嘉永五年(1852)五月、松陰が当地を訪れた時に詠んだ漢詩が刻まれている。

銚子港
抵銚子浦戸口殷盛 然港口沙游 不便通船
其守備軍弱 亦恃地利者歟

巨江汨汨流入海 商船幾隻銜尾泊
春風吹送糸竹声 粉壁紅楼自成郭
吾来添繿壬子年 倚檣一望天地廓
遠帆如鳥近帆牛 潮去潮来煙漠漠
欧羅亜墨知何処 決眦東南情懐悪
眉山之老骨己朽 何人復有審敵作
仄聞身毒与満清 宴安或被他人掠
杞人有憂豈得己 閑却袖中綏邊略
強開樽酒発浩歌 滄溟如墨天日落
右吉田松陰先生之詩 嘉永五年正月八日銚子客次有此作

 銚子の地が外敵に対して無防備なことを嘆いたものである。


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