史跡訪問の日々

幕末維新に関わった有名無名の人生を追って、全国各地の史跡を訪ね歩いています。

草津

2016年08月19日 | 群馬県
(古久長旅館)
 草津温泉へは、関越自動車道から西に八十キロメートル程。決して交通至便なロケーションではないが、温泉街はいつも大勢の観光客、湯治客で賑わっている。


古久長旅館

 草津温泉の古久長(こくちょう)旅館は、佐久間象山が正妻のお順(勝海舟の妹)とともに草津温泉を訪れた際、定宿としていた。幕末当時は三階建ての豪壮な館だったが、明治二年(1869)四月七日未明の草津温泉の大火に巻き込まれ、その後再建されたものである。

(西の河原公園)


西の河原公園

 温泉街の西側に、温泉が湧出する西の河原(さいのかわら)公園がある。この公園のネーミングは、「賽の河原」とひっかけたもので、たしかに草木の生えない河原に滾々と温泉が湧き出る様は「賽の河原」を連想させるものである。


ベルツ像


スクリバ像

 公園の一画にベルツとスクリバ両博士の胸像が置かれている。ヒゲを生やした両者の像は、そっくりである。両博士は、東京帝国大学に招かれ「内科にベルツ、外科にスクリバあり」といわれて、我が国近代医学の基礎を築いた。両氏は無二の親友で、ともに草津温泉を化学的に研究し、その医学的効能を世界的に知らしめた。スクリバは草津町民に無料で診察を施し、町民から深く親しまれた。ここに置かれた胸像は、東京大学構内の両博士の胸像が、戦時中供出される際にコンクリートでコピーしたもの(ベルツ記念館に展示)で、戦後草津町に贈られたものを、平成四年(1992)、建て替えられたものである。傍らにはベルツ先生記念碑(昭和十年建碑)が建てられている。


ベルツ先生記念碑


(ベルツ記念館)


ベルツ記念館

 道の駅「草津運動茶屋公園」の向かい側にベルツ記念館がある。一階はどこにでもあるお土産屋であるが、その二階にベルツ関係の資料が展示されている。拝観は無料。展示は、意外と充実している。


ベルツ記念館の展示
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