床屋さんへ行ってきました。
今回は芝居の役作りもあって、殆ど切らずに整えた程度。
おでこの辺りだけに集中している白髪が目立つところは、染めて・・・・
いっそのこと、白髪のようなメッシュを入れて・・・・
と頼んだけれど、白髪のような透き通った色には出来ないそうで、
やったところで、昔の『茶髪』のようになるだけ・・・・
髪の毛の染め方も、市販の白髪染めと理容店でやってもらう染色は
基本的に使う薬剤が違うので、時間が経過するとその違いがはっきり解る。
市販の白髪染めの殆どは弱酸性の薬剤を使うので、色抜けしてくると
黒かったものも赤っぽく変色する。
一方、理容店などでやって居る染色剤は弱アルカリ性。
こちらは時間が経過して色抜けしても、色そのものが薄くなるだけで
黒い髪が赤くなったりしない。
数百円で買える市販品に対して、理容店で染めて貰うと数千円。
安ければいいと言う人は市販品を使えばいいし、僕のように変色を嫌う人は
理容店で定期的にやって貰えばいい。
僕はそう云った『付加価値』に金を払うだけなのである。
世の中に色々な職業がある中で、これほど『付加価値』だけを売り物にして
営業して居る職種は、音楽などの芸術家を除いて、他に見当たらない。
白髪染めだけでなく、髪の毛なんて単純に切ればいいと思っている人は
世の中に沢山居る。
市販の染色剤、子供用のヘアカット器具、バリカン・・・・
要は散髪なんて、誰でもできる事だし、景気が悪くなると最初に削るのが
こう云った事に対する出費なのだと思う。
そして営業に出たり、販売に出たりする仕事でもない。
店を構え、ひたすらその『付加価値』と云う商品を買ってくれるお客さんを待つ。
だからこそ、常日頃から腕を鍛えておかないと売れるものが無くなる。
夜遅くまでカットの練習をして腕を磨いている人たちの姿を、
店のブラインド越しに見ると、何だか『ガンバレ』と言いたくなったりする。
僕は『床屋』と呼ばれる職業は、凄い職業だなぁと何時も感心し、
何だかとても『崇高な職人』に見えたりする。
仕事って、そうなんだよね。
お金を頂くんだから……
いつも上を見ていないと、誰でも出来る事に、お客様はお金なんて払わないもの・・・・
で、今日はこんな感じ。
今日も、良い感じの仕上がりです。