初日の土曜日の公演は、いつも夕方6時過ぎからの一回だけ。
初日は朝から舞台の仕込みで、皆10時半くらいを目処に集まる。
今回は、大道具の搬入の手伝いがあるので、僕ら『パシリ』の
50代と、若手のメンバーは搬入の手伝いに借り出された。
搬入が一通り終わって、通路に化粧台をセットして男性陣の楽屋が完成。
そのあとは、2時過ぎから始まる場当たりや舞台での通し稽古まで、
体操をしたり発声練習をしたり、思い思いに時間を過ごす。
男性陣は楽屋で、鼻歌のようにしながら歌を合わせる。
『ほら、違うよ!もう一回!』と、最後までオジサンたちの練習。
今年はこういった時間をしつこくやってきたのですが、オジサンたちは
文句ひとつ言わず、よくやってきた気がします。
昨日もちょっと書きましたが、リハーサルでアクシデントがありました。
最長老のおばあちゃんが、自分の出番なのに客席で見ていて、
僕らは舞台の上で呆然として、山中君の機転でその部分を飛ばして進めたんだけど、
次に進めようとしたら、なんと突然、おばあちゃんが舞台に現れて、
僕は、動揺して台詞が飛んでしまった・・・・。
そして、次の台詞は台本とは違っちゃったけど、それを受けたエドさんが
なんとか繋いでくれたんだけど、本番でなくて良かったです。
リハーサルが終わって、『おばあちゃん、ボケちゃったのか?』
と、皆が心配したくらい・・・・
それで、本番には舞台監督に手助けをしてもらって、おばあちゃんの出番を
支持してもらうことにした。
そして本番。
出番前に、男性陣全員で腕をぶつけ合って気合を入れる。
今回の芝居は、劇団創設以来始めて、男性陣だけで幕が開き、唄を歌う。
唄に入る前にテンションをあげるのが僕の役目。
本番は、やっぱり少しずれる人が居たけれど、男性陣の一体感は出た気がします。
そういう意味では、稽古のときからずっと4人組がチームワークを育んできた
そういう部分が出た気がしました。
一番助けられたのは、最初の曲の後でお客さんが拍手をしてくれたこと。
これで、この後の芝居はお客さんの反応がどんどん良くなって行きました。
朝から雨が降ったにも関わらず、開場して15分ほどで殆どの席が埋まった。
お客さんは出演者の友人や身内が多いのだけれど、芝居をきちんと観てくれる。
芝居を一緒に楽しみ、役者に勇気や元気を与えてくださる。
今回の舞台ほど、『良い客が、良い舞台を作る』と感じたことは有りません。
そういう意味で、今回の公演は御客様に感謝しなければいけませんね。