映画とライフデザイン

大好きな映画の感想、おいしい食べ物、本の話、素敵な街で感じたことなどつれづれなるままに歩きます。

チャンス  ウーピー・ゴールドバーグ

2009-03-26 13:40:48 | 映画(洋画 99年以前)
ウーピー・ゴールドバーグは おせいじにも美人とは言いがたいが、黒人の中で独特な存在感がある女性である。「ゴースト」のインチキ占い師で存在感を示してから、映画界から引っ張りだこの状態が続いた。この作品でも主役である。

ウーピー・ゴールドバーグは投資信託会社の優秀な証券マン。男性証券マンをしのぐ活躍を見せているが、黒人女性だということで昇格できない。男性同僚に手柄を取られたのに腹を立て退社して自分で投資顧問会社を作る。
前の会社にいたおばさん秘書ダイアンウィーストを仲間にして二人で会社をはじめる。今までの顧客に電話営業をするが、いつも「パートナーがダメだと言うので」の言い訳で断られる。そんな時ウーピーは架空の白人男性パートナーカティを作り上げる。黒人女性だということで真剣にビジネス話に取り入ってくれないからだ。その後カティことウーピーは、IT企業の買収話を察知するなどアタリまくる。渦中の人カティに顧客はしきりに会いたがるが、言い訳じみた話でその場を避ける。しかし、やられっぱなしだったライバル信託会社の陰謀でカティにインサイダー疑惑がかかり証券監視委員会からカティに対して出頭命令がでてくるが。。。。

ニューヨーク舞台のお気楽なコメディ。ウォール街舞台でも相場の話で埋め尽くされているわけでもない。むしろ黒人女性のビジネス界における地位の低さが話のポイントしかし、ウーピー以外はほとんど黒人はでてこない。上司、同僚、仲間の秘書もすべて白人であり、ブラック映画とは一線がある。人種差別反対的話は何もなく、むしろ男尊女卑がテーマともいえる。特殊メイクは傑作である。

アメリカでは金融会社の垣根が取れているせいか舞台が投資顧問会社なのか、投資信託会社なのかが今ひとつわからない。 97年というと、パソコンの性能が急激に良くなっているころ IT会社の買収のテーマは時勢にあっていたであろう。
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墨東綺譚  永井荷風

2009-03-26 13:26:25 | 映画(日本 1989年以降)

新藤兼人監督の作品。小説に基づいている部分もあるが、戦後にまで話は進み、作家永井荷風の晩年を描く。津川雅彦は好演、何より墨田ユキが美しい。
結婚二度した後、気楽な独身生活をしている津川雅彦は、麻布の洋風住宅に住み、創作のかたわら、若い芸者の面倒をみてあげたり、銀座の女給宮崎美子に金をせびられたりしている。荷風の母親杉村春子には、理想の女性を捜し歩いているんだと言っている。
若い芸者が田舎に帰ると挨拶に来た後、荷風は花街で知り合った女性に似た美人が玉の井行きバスに乗っているのを見て、私娼の町玉の井にふらふら出かける。有名な「ぬけられます」の表示看板のある玉の井の中を歩いているときに雨が降ってきた。そのとき女郎墨田ユキに雨が降ってきたのでちょっと入れていってもらえません。と言われる。ついていくと一人の部屋にだどりつく。そこで意気投合する。美しい裸体を見せられるがその日は帰る。そして毎日のように通うようになるが。。。。

荷風の遊郭通いやレヴュー嬢を面倒みていた話は有名元慶応の教授、文化勲章受賞流行作家というプロフィールもあるが、資産家として死んだときにお金をたくさん残していたと言われる。まさに適役と言うべきか、この時代の津川雅彦はちょっとエロなおじさん役が実にうまい。杉村春子、新藤作品には欠かせない乙羽信子はじめ脇役陣は鉄壁 。
墨田ユキは単にきれいなだけでなく、情感あふれる演技はすばらしい。幼い顔をしているようで、きわどい色っぽさを見せる。 画像も美しく、脚本もよく、戦前遊郭の姿をうまく描いた傑作だと思う。

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