映画とライフデザイン

大好きな映画の感想、おいしい食べ物、本の話、素敵な街で感じたことなどつれづれなるままに歩きます。

ゆれる  オダギリジョー

2010-03-08 20:17:50 | 映画(日本 2000年以降主演男性)
オスカー監督賞は女流監督の手に渡った。それはそれでよかったと思う。観ていないがかなり激しいシーンがありそうだ。よくこなしたものだ。日本でも女流監督が頑張り始めた。若手ナンバーワンは誰もが西川美和さんをあげるであろう。脚本も自力で書く。この「ゆれる」も文芸作品を読むような奥深さがある。傑作というべきであろう。



東京で若手写真家として名を売っているオダギリジョーが故郷の山梨に母親の一周忌に出席するために帰ってきた。葬儀にも来れずにいたので父親の伊武雅刀は複雑な心境であったが、家業のガソリンスタンドを切り盛りする兄の香川照之は温かく迎えていた。スタンドには真木よう子というオダギリの幼馴染が働いていた。兄香川は想いをよせているようだ。でもその夜、真木をオダギリが家まで送っていった。二人は旧交を深めた。法事が終わった翌日、香川とオダギリと真木で吊り橋のある渓流地にドライブに行く。オダギリが木陰で写真を撮っているとき、ふと吊り橋を見た。なんと真木が吊り橋から転落しているではないか。。。。。

このあとこの転落が事故か、香川が意図的に転落させたのかということでの話が続く。香川とオダギリとの精神の葛藤に、父親伊武と父親の兄弟である弁護士蟹江がからんでいく。

映画を通じて途中だれる場面がない。画面から目をはずせない。法廷の場面も出てくるが、法廷劇の要素が強い訳ではない。オダギリと香川の二人の心理描写をセリフだけでなく、映像に思いを込めて伝えていく。二人の演技は実に素晴らしい。表情だけで気持ちが伝わってくる。沈黙の瞬間をうまく作る。良く練られた西川美和監督の演出と脚本には感嘆する。

詳細はいえないが、終わり方が非常に素敵だった。はっとした。



西川美和さんの写真をみると、すごく素敵な人だ。まだ若い。すごい才能にただただ感心。文芸的なセンスもかなりだと思う。これからずっと追いかけていきたい。
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経済の講演を聴いて

2010-03-08 19:31:15 | Weblog
有名国立大学経済学部の看板教授の講演を聴いた。非常に参考になった。

備忘録的に内容を記すと

現在の日本はデフレギャップ状態にある。総供給量が需要量を上回る。逆になるとインフレギャップとなる。この状態は30年ベースで考えて、両方が均等に訪れる。
世の中きびしい話をすると喜ぶ人が多い。今に対して悲観的な見方をして、後であたったねといわれるほうがいいよという人がいるが、これもどうかと思う。

実際には日本の最悪期は抜けつつあると思う。
これからのポイントは3つある。1つはアジア景気活況を組み込む、2つ目は日本の産業構造の調整がどうすすむか、3つ目は新しい産業をどう発展させるか
中国のGDPがついに日本を抜く。90年当時は日本の8分の1であった。おそらく何年後には日本の3倍程度になる可能性がある。中国バブル論をいう人がいる。しかし、中国はすぐ成長が止まるわけではない。一昨年末のデータで東京の20階以上のビルが370棟に対して、上海は6000棟ものビルがある。BRICSが先進国を抜くのも遠い日ではない。ASEANにも人口が5億いる。この成長もかなりのものとなりそうだ。
中国やアジアの国が発展して、生産拠点がすべて向こうへ移ってしまうと危惧する人たちもいる。それはならない。アジアで稼ぐことは日本国内にも良い結果をもたらす。
バブル崩壊以降の日本は先送りをずっと続けてきた。景気が悪くなると、斜陽産業の救済を続けてきた。百貨店の整理が話題になっている。これは百貨店の数が明らかに多いということだ。数が多すぎる産業は必ず淘汰される運命にある。この調整がどう進むかが2つ目のポイントだ。
あとは環境、医療、新しいインフラ整備などの新しい産業の発展過程がどう進むかが3つ目のポイントだ。

戦後の歴史を紐解くと大きな転換点が2つあった。1つがオイルショックで、もう一つが90年のバブル崩壊である。異常に強かった預金性向がオイルショック時の強烈なインフレで日本人の考えが少し変わった。インフレによる資産の目減りで、株や土地にしておこうという考えがバブルまで強くなった。89年まではうまくいった。これがバブル崩壊となった。その結果リスク資産でダメージを受けた日本の預金性向はまだ強い。

しかし、資産運用の基本は土地、有価証券、現金の資産3分割法であろう。0.01%の預金を複利で回しても倍になるには聖徳太子のころまでの時を要する。証券化によって土地は10000円から購入することだって出来る。土地はインフレには強い。
あとは円安リスクも考えるべきであろう。現在こそ円高気味であるが、95年以降はむしろ円安にふれているといえる。日本には財政破綻の危険がある。例えをすると、350万の年収で450万の借金をして800万の生活をしていれば生活が破綻するようなものだ。最近ギリシャが財政破綻してユーロ安になっている。しかし、GDPに対する債務の比率は日本のほうがギリシャよりも高い。こういうことを考えて金融資産は外貨建てに分散すべきであろうと思う。

などなど書いてみた。あとで加筆するかな

そういう教授も資産運用が決して得意なわけではなさそうだ。自分でも言っていた。
経済の動きの話が当たっていても、それだけで投資に成功するとは限らないもんね。

でも今回講演で一番なるほどと思ったのが「これだけ公務員をいじめると公務員も反乱をおこすよ」と言っていたこと。本当そうだよね。民主党も政治主導とちょっといいすぎだと思う。民主党議員はよほど官僚にいじめられ続けたのかな?目の敵にしているね。こういうと民衆に喜ばれると思っているけど、違うと思う。実際、官僚には優れた人はたくさんいる。逆にそういう人間を活用できなければ、本当の意味での税金の無駄遣いになることを理解しているのかと私は思う。サミュエルソンの経済学に有名なタイピストの話がある。「優秀な弁護士でタイプがうまくても、タイピストを雇った方がいい。」民主党議員にはよく読んで欲しい。国家が何のために優秀な公務員を雇っているのか?これを活用できない政治家たちは、同じように国から給料をもらって政治家としての責任を果たしていないことになる。
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