映画とライフデザイン

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映画「幸せを呼ぶミナの文房具店」

2014-11-02 21:11:33 | 映画(韓国映画)
映画「幸せを呼ぶミナの文房具店」は2013年の日本未公開韓国映画だ。


ジャケットの雰囲気に魅せられてレンタルした映画である。病気で倒れた父親の代わりに故郷の文房具屋を営むことになったアラサ―女性の物語である。コメデイタッチで進むが、じんわりとハートに響く場面もあり、個人的には楽しめた。

主人公カン・ミナ(チェ・ガンヒ)はソウル近郊都市の公務員として、税金徴収に当たっている正義感あふれる独身女性だ。その取り立ては厳しく、住民との軋轢もあり、2か月の停職処分を受けてしまう。そんな時、田舎の父親カン・ポングン(チュ・ジンモ)が病に倒れたという知らせがあった。しかも、父親には借金もあるようだ。停職を機に田舎へ帰ったら、父親が営んでいる小学校前の小さな文房具店は古ぼけたままだった。ミナはこの店をきれいさっぱり売り払ってしまおうと決心していた。


一方、新任教師チェ・ガンホ(ポン・テギュ)が文房具店の前の小学校4年生の担任として転任してきた。小学校は自分の母校なので、思い出に浸っている。うっかりおもちゃの手錠をはめるが、鍵がないことに気づく。
朝、ミナが店を片づけていると、小学生たちが、やっと再開したと店になだれ込んできた。あれこれ品定めしているが、ミナはいい加減に子供を扱うし、売ろうとする気力もない。


すると、店の買い手を不動産屋が探してきた。ミナが子供にぞんざいな態度で接しているので、子供たちが店から遠ざかっているのを買い主がみて、店に寄りつくようにしてほしいと言いだす。ミナは一転、店の品物を売りきってしまおうと子供たちと仲良くしようとするのであるが。。。

主人公の子供たちに接する態度がひでえなあという場面が続く。何もこんなに子供たちを扱わなくてもいいのにと思っていたら、徐々に子供たちとの友情が芽生えてくる。新任教師チェとクラスの問題児やその他のいじめっ子との触れ合いやそこに絡むミナのふるまいがいい感じで、しんみりしてしまう場面がでてきた。最後の運動会にかけての展開は非常によかった。


おそらく監督は子供の扱いがうまいのであろう。出てくる子供はみんな好演で、不自然さがなかった。特にいじめられっ子を演じていた少女はきっといい俳優になるだろうと感じた。

1.町の文房具屋
日本も韓国も商店事情は大して変わらないんだなあと映画を見て思った。
自分が通った小学校の前にも、同じような文房具屋さんがあった。昭和40年代だったので、この映画のロケに使ったお店とたいして古さは変わらない。映画の文房具屋でも駄菓子を売っていたが、自分が行っていた店にもあった。当時1円単位で売っていたような気がする。それにしても、こういうお店ってなくなったなあ!品川の実家近くの商店街にも文房具屋は4軒くらいあったけど、いまや店は全部別形態の店に変わっている。


実家近くの文房具屋はみんなオジサンがやっていて、中には子供の自分から見てイヤな奴もいた。ここでは女性の店主だ。こういうコミュニケーションあふれるお店っていいよね。本屋も文房具屋も万引きがつきものだけど映画でも万引きが1つのテーマになっている。貧乏で授業に必要な笛などが買えないので、万引きしてしまうといった話だ。韓国社会の縮図的な話もここにはずいぶんと出てくる。

2.暴力描写
主人公ミナが税金未払いの家へ行って、取り立てようとしたらバケツの水を浴びせられる。おいおいこんなことって日本じゃありえないよね。韓国は許されるの??その上、主人公は怒り狂って、役所の軽自動車を未払いの家の車にぶつける。復讐だ。
あとは、至る所で暴力描写が目立つ。転任してきた教師のもとへ、子供の親が来て暴力をふるう。しかも、身に覚えのないことだ。傷害罪じゃない。まだまだ韓国では暴力が寛容とされているのであろうか?

回想シーンを交えたノスタルジーなムードが実に心地良い映画であった。
見てよかった。

幸せを呼ぶミナの文房具店
ほのぼのした子供との交流
コメント
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