韓国映画「ビューティ・インサイド」を映画館で見てきました。
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これはおもしろい。
上野樹里が出ているということで足を運んだが、想像以上によくできている映画である。
ファンタジー恋愛ものであるが、既視感のない奇抜な発想でたのしい映画である。一人二役、三役というものは何度も見ているが、主役が数十人いるというのはあり得ない。結局主人公ウジンを演じる俳優はなんと123人、主だったウジンだけでも21人という前代未聞の主人公である。
朝起きると、別人になっているというのはカフカの「変身」だ。でもこの主人公は毎日違う他人の容姿になってしまうのである。そんな主人公が一人の女性を好きになる。逢引きした後朝もう一度会おうとしたら、顔がハゲ親父になっている。待ち合わせ場所に彼女が来ているのに出ていけない。そういう間抜けな場面と正統派に恋愛を楽しむシーンと交互に出てきて、次はどういう展開なのかと期待してしまう。しかも、最後に向けてはジーンとくるシーンもあってちょっと泣けてきてしまう。おすすめの映画です。
29歳の男性、ウジン(キム・デミョン)が目をさます。小太りで、大きな顔のウジンがつぶやく。「昨日は手のひらより顔が小さかった、今日は手のひらの2倍」と。そう、ウジンは、18歳のある日、目覚めたときに、本来の自分ではない人物になってしまう。この日から、毎日、目覚めるたびに、別の人間に変身する。ウジンの秘密を知るのは、母親(ムン・スク)のほかに、小さいころからの友人、サンベク(イ・ドンフィ)だけである。
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ウジンは、家具のデザイナーでインターネットだけで仕事をこなしている。今日のウジン(イ・ボムス)は、アンティークの家具専門店で、ひとりの女性を見初める。彼女の名が、イス(ハン・ヒョジュ)と分かる。ウジンは、さまざまな姿で、連日、イスの店に通う。
ある日、ハンサムの容姿になったウジン(パク・ソジュン)は、イスにアタックして、イスはデートの誘いを受ける。2人はすぐに意気投合して、ウジンは自分の工房にイスを案内し、ウジンは決心する。「寝なければ、同じ姿でいられる」。そして3日目の夜、ウジンはイスに言う。「明日、朝ごはんを食べよう」と。眠らないように頑張るウジンだが、うっかり寝てしまう。朝、目覚めたウジン(キム・サンホ)は、髪の薄い、中年男になっている。ウジンは、待ち合わせの場所に行くが、とてもイスに話しかけられない。
ある日、イスの店に、チェギョンと名乗る新人の女性が研修に参加してくる。チェギョンは、イスに真実を告げようと決心したウジン(チョン・ウヒ)である。女性になったウジンが、自宅にイスを招き「僕がウジンです」と告白する。ウジンは、スマートホンに記録した映像を見せるが、ただただ、驚くばかりのイス。イスは、逃げ出すようにウジンの自宅から去っていくのであるが。。。
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それでもイスはウジンのことが気になる。翌日思い切って自宅へ訪問すると出てくるウジンが上野樹里である。そして意気投合したあとはさまざまなウジンとデートするのである。
1.現代韓国事情
キムギドク監督の映画や韓国得意のクライムサスペンスばかり見ていると、極端なくらいの韓国下層社会が浮かび上がるが、この映画は普通の韓国の世相が見えていい感じである。電車の中で座席でみんなスマホを手にしているシーンやクラブや若者がよくいくような飲み屋のシーンを見ると日本と似たようなものなんだなと思う。これでもかというくらい若手男優を登場させるが、韓流好みのおばさまにはたまらないんじゃないの?
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2.上野樹里
主人公が好きになるハン・ヒョジュ演じるイスという女の子が上野樹里に似た雰囲気を醸し出しているなと思っていた。しばらくして、主人公の1人として現れる。そう、上野樹里はある1日だけの主人公ウジンとしての出演である。韓国語は一切話せない。日本語を話すのだ。この主人公は男性だけに化けるのではなく、女性にもなってしまう。2人が近づく重要な場面での上野樹里の登場はうれしい。
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主演作「スウィングガール」や「亀は意外と速く泳ぐ」は傑作であるが、「陽だまりの彼女」では本当にいとおしくかわいい存在になってしまう彼女を見て、もっと好きになる。ここでの出番は少ないが、この経験を日本の次回作に活かしてもらいたい。
3.印象に残るウジン役
普通変身するとなると、同性に限られる映像作品が多いと思うけど、ここでは違う。異性である女性にも何度も変身してしまう。特におもしろかったのは、子供に変身してしまう時とおばあさんになってしまった時だ。
子供になってしまったときに、お店の人に大人に対してタメ口をきいているのでおいちょっとおかしい他人に言われたり、酒を飲んでもいつものようにはいかず、すぐ酔ってしまってイスに担がれてしまう。財布はウジンがだすが、どういう関係なんでしょうと言われ、親子だと答える場面には笑えた。
イスが勤務する家具ショップで男女同伴のパーティが開かれることになり、イスはウジンとカップルで参加することになっていた。ところが、その時に限ってウジンは白髪のおばあさんになってしまうのだ。どうしよう?祖母と言い張って行こうかとまで考えるが、とりあえず、ひと眠りしてどうなるか?ということで時間を稼ぐ。その時イスはパーティ会場でやきもきしていた。周りからも、イスの彼氏はこないのかと陰口をたたかれていたその瞬間、気がつくと隣にハンサムな男性がくる。まわりから美人美女のカップルでうらやましがられる。2時間前まではおばあさんだったよなんて場面も面白い。
ハン・ヒョジュのキュートな主演ぶりがよかった。次から次に恋人役がかわるのにはさすがに面喰ったろう。彼女は日本語もしゃべれるし、ケバイ化粧の女が多い韓国女性の中では割とあっさり目で好感が持てる。ぜひこれからも日本映画にも出演してもらいたいものだ。
最後に向けては、どういうふうに映画の決着をもっていくのか、ラスト40分くらいからずっと気になっていた。韓国映画の傑作は結末をただではすませない。ここでも展開に気分よく席をたてた。後味はよかった。
(参考作品)
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これはおもしろい。
上野樹里が出ているということで足を運んだが、想像以上によくできている映画である。
ファンタジー恋愛ものであるが、既視感のない奇抜な発想でたのしい映画である。一人二役、三役というものは何度も見ているが、主役が数十人いるというのはあり得ない。結局主人公ウジンを演じる俳優はなんと123人、主だったウジンだけでも21人という前代未聞の主人公である。
朝起きると、別人になっているというのはカフカの「変身」だ。でもこの主人公は毎日違う他人の容姿になってしまうのである。そんな主人公が一人の女性を好きになる。逢引きした後朝もう一度会おうとしたら、顔がハゲ親父になっている。待ち合わせ場所に彼女が来ているのに出ていけない。そういう間抜けな場面と正統派に恋愛を楽しむシーンと交互に出てきて、次はどういう展開なのかと期待してしまう。しかも、最後に向けてはジーンとくるシーンもあってちょっと泣けてきてしまう。おすすめの映画です。
29歳の男性、ウジン(キム・デミョン)が目をさます。小太りで、大きな顔のウジンがつぶやく。「昨日は手のひらより顔が小さかった、今日は手のひらの2倍」と。そう、ウジンは、18歳のある日、目覚めたときに、本来の自分ではない人物になってしまう。この日から、毎日、目覚めるたびに、別の人間に変身する。ウジンの秘密を知るのは、母親(ムン・スク)のほかに、小さいころからの友人、サンベク(イ・ドンフィ)だけである。
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ウジンは、家具のデザイナーでインターネットだけで仕事をこなしている。今日のウジン(イ・ボムス)は、アンティークの家具専門店で、ひとりの女性を見初める。彼女の名が、イス(ハン・ヒョジュ)と分かる。ウジンは、さまざまな姿で、連日、イスの店に通う。
ある日、ハンサムの容姿になったウジン(パク・ソジュン)は、イスにアタックして、イスはデートの誘いを受ける。2人はすぐに意気投合して、ウジンは自分の工房にイスを案内し、ウジンは決心する。「寝なければ、同じ姿でいられる」。そして3日目の夜、ウジンはイスに言う。「明日、朝ごはんを食べよう」と。眠らないように頑張るウジンだが、うっかり寝てしまう。朝、目覚めたウジン(キム・サンホ)は、髪の薄い、中年男になっている。ウジンは、待ち合わせの場所に行くが、とてもイスに話しかけられない。
ある日、イスの店に、チェギョンと名乗る新人の女性が研修に参加してくる。チェギョンは、イスに真実を告げようと決心したウジン(チョン・ウヒ)である。女性になったウジンが、自宅にイスを招き「僕がウジンです」と告白する。ウジンは、スマートホンに記録した映像を見せるが、ただただ、驚くばかりのイス。イスは、逃げ出すようにウジンの自宅から去っていくのであるが。。。
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それでもイスはウジンのことが気になる。翌日思い切って自宅へ訪問すると出てくるウジンが上野樹里である。そして意気投合したあとはさまざまなウジンとデートするのである。
1.現代韓国事情
キムギドク監督の映画や韓国得意のクライムサスペンスばかり見ていると、極端なくらいの韓国下層社会が浮かび上がるが、この映画は普通の韓国の世相が見えていい感じである。電車の中で座席でみんなスマホを手にしているシーンやクラブや若者がよくいくような飲み屋のシーンを見ると日本と似たようなものなんだなと思う。これでもかというくらい若手男優を登場させるが、韓流好みのおばさまにはたまらないんじゃないの?
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2.上野樹里
主人公が好きになるハン・ヒョジュ演じるイスという女の子が上野樹里に似た雰囲気を醸し出しているなと思っていた。しばらくして、主人公の1人として現れる。そう、上野樹里はある1日だけの主人公ウジンとしての出演である。韓国語は一切話せない。日本語を話すのだ。この主人公は男性だけに化けるのではなく、女性にもなってしまう。2人が近づく重要な場面での上野樹里の登場はうれしい。
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主演作「スウィングガール」や「亀は意外と速く泳ぐ」は傑作であるが、「陽だまりの彼女」では本当にいとおしくかわいい存在になってしまう彼女を見て、もっと好きになる。ここでの出番は少ないが、この経験を日本の次回作に活かしてもらいたい。
3.印象に残るウジン役
普通変身するとなると、同性に限られる映像作品が多いと思うけど、ここでは違う。異性である女性にも何度も変身してしまう。特におもしろかったのは、子供に変身してしまう時とおばあさんになってしまった時だ。
子供になってしまったときに、お店の人に大人に対してタメ口をきいているのでおいちょっとおかしい他人に言われたり、酒を飲んでもいつものようにはいかず、すぐ酔ってしまってイスに担がれてしまう。財布はウジンがだすが、どういう関係なんでしょうと言われ、親子だと答える場面には笑えた。
イスが勤務する家具ショップで男女同伴のパーティが開かれることになり、イスはウジンとカップルで参加することになっていた。ところが、その時に限ってウジンは白髪のおばあさんになってしまうのだ。どうしよう?祖母と言い張って行こうかとまで考えるが、とりあえず、ひと眠りしてどうなるか?ということで時間を稼ぐ。その時イスはパーティ会場でやきもきしていた。周りからも、イスの彼氏はこないのかと陰口をたたかれていたその瞬間、気がつくと隣にハンサムな男性がくる。まわりから美人美女のカップルでうらやましがられる。2時間前まではおばあさんだったよなんて場面も面白い。
ハン・ヒョジュのキュートな主演ぶりがよかった。次から次に恋人役がかわるのにはさすがに面喰ったろう。彼女は日本語もしゃべれるし、ケバイ化粧の女が多い韓国女性の中では割とあっさり目で好感が持てる。ぜひこれからも日本映画にも出演してもらいたいものだ。
最後に向けては、どういうふうに映画の決着をもっていくのか、ラスト40分くらいからずっと気になっていた。韓国映画の傑作は結末をただではすませない。ここでも展開に気分よく席をたてた。後味はよかった。
(参考作品)
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上野樹里の純愛 | |
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七変化する主人公 | |