映画「64 後編」を映画館で見てきました。
横山秀夫のベストセラーミステリーの映画化である。わずか7日しかなかった昭和64年1月におきた未解決幼児誘拐殺人事件の時効があと1年に迫る中で、同じような誘拐事件が14年たって発生する。当初から刑事として捜査に加わっていた現在広報官になっている佐藤浩市と幼児を誘拐され悲痛に暮れていた永島正敏を中心に事件の推移を語っていく。
捜査当局と警察に入っている記者クラブとの関係、県警本部での地位を守ろうとする幹部と本庁幹部との関係それぞれにおきた葛藤を語りながら、事件を紐解いていく。佐藤浩市、三浦友和、夏川結衣のベテランに綾野剛、瑛太といった若手がうまく交わり合った豪華配役陣がうまくこなすのに加えて、久々登場の緒方直人がいい感じの演技を見せる。
昭和最後の年、昭和64年に起きた少女誘拐殺人事件は刑事部で“ロクヨン”と呼ばれ、被害者が死亡し未解決のままという県警最大の汚点となっている。その事件から14年が過ぎ、時効が近づいていた平成14年、“ロクヨン” の捜査にもあたった敏腕刑事・三上義信(佐藤浩市)は、警務部広報室に広報官として異動する。記者クラブとの確執、キャリア上司との闘い、刑事部と警務部の対立のさなか、ロクヨンをなぞるような新たな誘拐事件が発生する。そして三上の一人娘の行方は……。
(作品情報より)
1.群馬のロケ
横山秀夫が上毛新聞の記者をやっていたせいか、舞台が群馬となる。原作では架空の町となっていたが、地理的にもこのエリアを連想して書かれているので当然そのロケが中心である。
是枝監督の「そして父になる」でも群馬が舞台になったが、河川が流れる周りに発展するいかにも典型的な北関東地方都市風情の町は映画にはしやすい。古典的昭和チックな喫茶店もまだまだ残っているのもいい。
2.未解決事件
もともとの未解決事件があって、時効間際に同じような事件が起きるというパターンは割とある気がする。クライムサスペンスが得意な韓国映画にも「悪魔は誰だ」といういい作品がある。もちろん途中からの展開は異なるが、正直真犯人もこのひっかかりは間抜けじゃないかと思ってしまう。
群馬は人口20万前後の都市がいくつもある場所で、こういう狭い社会だったらきっちり調べれば犯人は特定するのが容易のような気もするんだけど、この映画のモデルにあった未解決事件やすぐ隣の両毛地区での「足利事件」など割と凶悪な事件が未解決になってしまうのはいかがなものかと感じる。
3.豪華な配役陣
やはりこの映画の主役は佐藤浩市がベストだろう。安定感が抜群である。三浦友和もヤクザ映画などへの出演をへて、ちょいと悪い奴の演技がうまくなってきた。永島正敏が犯人を見つけるために執念をしめした行動が凄いが、その時に見せる表情が狂気に迫る。好演である。
今回久々に見たのが緒方直人だ。
彼の近年の出演作を見ると、ほとんど見ていない。平成の初めの頃の大人気ぶりを思うと、何でこんなに影をひそめてしまったのかと思う。緒方直人の顔を見てすぐわかったが、しばらく出くわしていないので違う人と勘違いしたのかと思ってしまう。エンディングクレジットでは綾野剛よりも下になっている。オヤジのような凶暴なイメージはない。でも一見まじめ風で何をするかわからないなんて役は適しているかもしれない。今回の大活躍で少しは株をあげたのではないだろうか?
映画としてはまあまあといった感じかな
横山秀夫のベストセラーミステリーの映画化である。わずか7日しかなかった昭和64年1月におきた未解決幼児誘拐殺人事件の時効があと1年に迫る中で、同じような誘拐事件が14年たって発生する。当初から刑事として捜査に加わっていた現在広報官になっている佐藤浩市と幼児を誘拐され悲痛に暮れていた永島正敏を中心に事件の推移を語っていく。
捜査当局と警察に入っている記者クラブとの関係、県警本部での地位を守ろうとする幹部と本庁幹部との関係それぞれにおきた葛藤を語りながら、事件を紐解いていく。佐藤浩市、三浦友和、夏川結衣のベテランに綾野剛、瑛太といった若手がうまく交わり合った豪華配役陣がうまくこなすのに加えて、久々登場の緒方直人がいい感じの演技を見せる。
昭和最後の年、昭和64年に起きた少女誘拐殺人事件は刑事部で“ロクヨン”と呼ばれ、被害者が死亡し未解決のままという県警最大の汚点となっている。その事件から14年が過ぎ、時効が近づいていた平成14年、“ロクヨン” の捜査にもあたった敏腕刑事・三上義信(佐藤浩市)は、警務部広報室に広報官として異動する。記者クラブとの確執、キャリア上司との闘い、刑事部と警務部の対立のさなか、ロクヨンをなぞるような新たな誘拐事件が発生する。そして三上の一人娘の行方は……。
(作品情報より)
1.群馬のロケ
横山秀夫が上毛新聞の記者をやっていたせいか、舞台が群馬となる。原作では架空の町となっていたが、地理的にもこのエリアを連想して書かれているので当然そのロケが中心である。
是枝監督の「そして父になる」でも群馬が舞台になったが、河川が流れる周りに発展するいかにも典型的な北関東地方都市風情の町は映画にはしやすい。古典的昭和チックな喫茶店もまだまだ残っているのもいい。
2.未解決事件
もともとの未解決事件があって、時効間際に同じような事件が起きるというパターンは割とある気がする。クライムサスペンスが得意な韓国映画にも「悪魔は誰だ」といういい作品がある。もちろん途中からの展開は異なるが、正直真犯人もこのひっかかりは間抜けじゃないかと思ってしまう。
群馬は人口20万前後の都市がいくつもある場所で、こういう狭い社会だったらきっちり調べれば犯人は特定するのが容易のような気もするんだけど、この映画のモデルにあった未解決事件やすぐ隣の両毛地区での「足利事件」など割と凶悪な事件が未解決になってしまうのはいかがなものかと感じる。
3.豪華な配役陣
やはりこの映画の主役は佐藤浩市がベストだろう。安定感が抜群である。三浦友和もヤクザ映画などへの出演をへて、ちょいと悪い奴の演技がうまくなってきた。永島正敏が犯人を見つけるために執念をしめした行動が凄いが、その時に見せる表情が狂気に迫る。好演である。
今回久々に見たのが緒方直人だ。
彼の近年の出演作を見ると、ほとんど見ていない。平成の初めの頃の大人気ぶりを思うと、何でこんなに影をひそめてしまったのかと思う。緒方直人の顔を見てすぐわかったが、しばらく出くわしていないので違う人と勘違いしたのかと思ってしまう。エンディングクレジットでは綾野剛よりも下になっている。オヤジのような凶暴なイメージはない。でも一見まじめ風で何をするかわからないなんて役は適しているかもしれない。今回の大活躍で少しは株をあげたのではないだろうか?
映画としてはまあまあといった感じかな