映画「コンサートフォージョージ」を映画館で観てきました。
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映画「コンサート・フォー・ジョージ」は2002年11月ジョージハリスンの追悼コンサートの映像を映画化したものである。21年の歳月を経て、日本で一般公開された。盟友エリッククラプトンが協賛するミュージシャンを集めてロンドンのロイヤルアルバートホールで開催された。ポールマッカートニーとリンゴスターのビートルズメンバーに加えて、後期の準メンバーといえるビリープレストンやジョージが傾倒したインド音楽のラヴィシャンカール父娘も参加している。
感動しました。
すごすぎる映像だらけである。
恥ずかしながら、こんなすごいコンサートが開かれていたことを知らなかった。1971年バングラディシュ救済のためのコンサートをジョージハリスンが主宰してマジソンスクエアガーデンで開催された時、輸入盤のLPをすり切れるくらい聴いたものだ。ジョージを除いたメンバーは似たようなメンバーだけど、今回はエリッククラプトンが仕切る。音はかなり洗練されている。
⒈ビートルズ中期のジョージ
まずはビートルズ時代の曲からスタート。
ラバーソウルの「恋をするなら If I Needed Someone」はビートルズが1966年に来日して東京公演した時のセットリストの一曲である。TV放映した時、長い長い前座があってからスタートしたわけだが、小学校低学年の自分はビートルズが登場する時には寝てしまった。父がオープンリールのテープレコーダーに録音して何度も何度も聴いていた。自分には良さがまったくわからなかった。
それから3年ほどたって本格的に聴くようになって、テープレコーダーをもう一度聴き直した時、「恋をするなら」が耳に焼きついた。今回はエリッククラプトンが歌う。
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⒉タックスマン
自分が普通の人と違うビートルズへの目覚め方をした曲である。小学校の同級生でお兄さんがいるビートルズを聴いている奴がいた。彼が住む社宅に行ったら「タックスマン」を勧めてくれた。当時よくあった4曲入りのEPだ。リズミカルなテンポで、父が聴いているテープの曲よりもよく感じた。ウルトラシリーズがリアルに全盛な時で「バットマン」と同じような感覚で「タックスマン」ってキャラクターだと本気で思っていた。
家で親にねだったら、「タックスマンって税務署員だぞ。とんでもない。」と父に言われた。この衝撃は57年たった今でも忘れられない。自営業の経営者だった父にとっては税務署は敵だ。税務調査でいつも絞られていたのだ。でも、買った後一番聴いたのは父かもしれない。
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⒊リンゴスター
バングラデシュ救済のコンサートにも参加している。全米ヒットチャートNo.1の「想い出のフォトグラフ」はまだ発売されていないので、「明日への願い」を歌っていた。ビルボードではトップにはならなかったが、キャッシュボックスでトップになった。もう一曲は「ハニードント」だ。だいたいLPに一曲くらいリンゴスターがリードボーカルの曲がある。
カールパーキンスの正統派ロックンロールである。ジョージハリスンのギターが印象的な曲だ。いかにもリンゴスターらしいスッとボケたボーカルだ。この後、リンゴスターは数々の名曲に合わせて後ろの席でドラムを叩きつづけるのが印象的だ。
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⒋ヒア・カムズ・ザ・サン
「アビーロード」に入っているアコースティックギターの名曲だ。ジョーブラウンがギター片手にさわやかに歌う。実はジョーブラウンのことはあまり知らない。もともとビートルズより先のデビューでヒット曲を出していた。ジョージハリスンがジョーブラウンの歌をコピーしていたようだ。最後にウクレレ片手に「夢で逢えたら」を歌う。
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⒌ラヴィ・シャンカール
映画が始まってすぐ凄いインド美人が出てくる。いったい誰なんだろうと思っていたら、ラヴィシャンカールとくっついてインタビューを受ける。こんな若い美人と一緒になるなんて凄いなと思ったけど、娘のアヌーシュカ・シャンカールだということがわかる。高齢になったラヴィ・シャンカールは今回は演奏せずに娘に任せる。いかにもインドの音楽にエリッククラプトンがギターの音色を合わせるのが素敵だ。
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艶福家のラヴィシャンカールはこの美女の前に歌手ノラジョーンズをこの世に送り込んでいる。異母姉妹の共演をやっていること自体で凄いと感じる。
⒍ポールマッカートニー
コンサートの中では一番の格上だ。登場した時の拍手も大きい。得意の左ききスタイルでアコースティックギターを持って「フォーユーブルー」を歌うが、いかにもジャムセッション的な曲である。その後でウクレレを持ってジョージハリスンの代表曲「サムシング」を歌う。これはすばらしい!
ジョージハリスンはウクレレが好きだったという。それを意識してか左利き持ちのウクレレでサムシングをじんわりと歌う。途中からエリッククラプトンにヴォーカルを交代するが、実に味がある。映画の大画面に映るポールとエリックを見て、こんなすばらしい組み合わせってあるかしら?と思う。これには感動して涙がでてきた。このコンサートのヤマであろう。
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「サムシング」の原曲でポールマッカートニーが弾くベースのメロディラインは歴史的名演で、本当はウクレレからテンポが変わるときに左利きベースで弾いてほしかった。
「ホワイルマイギタージェントリーウイープス」ではホワイトアルバムと同様にピアノのイントロをポールマッカートニーが弾く。裏でリンゴスターはドラムスを叩くし、リードギターはエリッククラプトンだ。まったくの再現である。
⒎ビリープレストン
「レットイットビー」や「アビーロード」の頃は実質5人目のメンバー的活躍をしている。ゲットバックのエレクトリックピアノのソロがいちばん際立つ。ジョージハリスンがLP「オールシングスマストパス」から「マイスウィートロード」をシングルカットしたけど、最初にシングルを出したのはビリープレストンである。
いかにもアフリカ系の声で清々しく歌う。いい感じだ。個人的にはヒットしたインストメンタルの曲「アウタスペース」がすばらしいと感じる。ロックとソウルとジャズの混合に大きく貢献した曲だ。でも、コンサートの4年後若くして亡くなってしまう。残念である。
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⒏エリッククラプトン
リーダーとしてコンサートを仕切る。20年以上前のコンサートとはいえ、改めてエリッククラプトンの凄さを再認識した。今回逆に感心したのはリードギターでオリジナルから逸脱したアドリブを演奏していないこと。エリッククラプトンも長髪のバングラディシュの頃はジョージハリスンのヴォーカルの後ろでギターに専心している。ジョージもギターを合わせるけどアドリブが若干ちぐはぐ。今回の方が泣きが入っているね。熟練の味だ。すばらしい!!
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エリッククラプトンはほとんど登場しているけど、地味な曲でもバングラデシュでもやった3枚組ファーストアルバムに入っている何故か自分が好きな「ビウェア・オブ・ダークネス」が良かった。
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それにしてもジョージハリスンのセガレは父親に容姿も声もそっくりだよね。コンサートでやったのに何で「ギブミーラブ」入っていないんだろう。それだけ不思議??
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映画「コンサート・フォー・ジョージ」は2002年11月ジョージハリスンの追悼コンサートの映像を映画化したものである。21年の歳月を経て、日本で一般公開された。盟友エリッククラプトンが協賛するミュージシャンを集めてロンドンのロイヤルアルバートホールで開催された。ポールマッカートニーとリンゴスターのビートルズメンバーに加えて、後期の準メンバーといえるビリープレストンやジョージが傾倒したインド音楽のラヴィシャンカール父娘も参加している。
感動しました。
すごすぎる映像だらけである。
恥ずかしながら、こんなすごいコンサートが開かれていたことを知らなかった。1971年バングラディシュ救済のためのコンサートをジョージハリスンが主宰してマジソンスクエアガーデンで開催された時、輸入盤のLPをすり切れるくらい聴いたものだ。ジョージを除いたメンバーは似たようなメンバーだけど、今回はエリッククラプトンが仕切る。音はかなり洗練されている。
⒈ビートルズ中期のジョージ
まずはビートルズ時代の曲からスタート。
ラバーソウルの「恋をするなら If I Needed Someone」はビートルズが1966年に来日して東京公演した時のセットリストの一曲である。TV放映した時、長い長い前座があってからスタートしたわけだが、小学校低学年の自分はビートルズが登場する時には寝てしまった。父がオープンリールのテープレコーダーに録音して何度も何度も聴いていた。自分には良さがまったくわからなかった。
それから3年ほどたって本格的に聴くようになって、テープレコーダーをもう一度聴き直した時、「恋をするなら」が耳に焼きついた。今回はエリッククラプトンが歌う。
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⒉タックスマン
自分が普通の人と違うビートルズへの目覚め方をした曲である。小学校の同級生でお兄さんがいるビートルズを聴いている奴がいた。彼が住む社宅に行ったら「タックスマン」を勧めてくれた。当時よくあった4曲入りのEPだ。リズミカルなテンポで、父が聴いているテープの曲よりもよく感じた。ウルトラシリーズがリアルに全盛な時で「バットマン」と同じような感覚で「タックスマン」ってキャラクターだと本気で思っていた。
家で親にねだったら、「タックスマンって税務署員だぞ。とんでもない。」と父に言われた。この衝撃は57年たった今でも忘れられない。自営業の経営者だった父にとっては税務署は敵だ。税務調査でいつも絞られていたのだ。でも、買った後一番聴いたのは父かもしれない。
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⒊リンゴスター
バングラデシュ救済のコンサートにも参加している。全米ヒットチャートNo.1の「想い出のフォトグラフ」はまだ発売されていないので、「明日への願い」を歌っていた。ビルボードではトップにはならなかったが、キャッシュボックスでトップになった。もう一曲は「ハニードント」だ。だいたいLPに一曲くらいリンゴスターがリードボーカルの曲がある。
カールパーキンスの正統派ロックンロールである。ジョージハリスンのギターが印象的な曲だ。いかにもリンゴスターらしいスッとボケたボーカルだ。この後、リンゴスターは数々の名曲に合わせて後ろの席でドラムを叩きつづけるのが印象的だ。
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⒋ヒア・カムズ・ザ・サン
「アビーロード」に入っているアコースティックギターの名曲だ。ジョーブラウンがギター片手にさわやかに歌う。実はジョーブラウンのことはあまり知らない。もともとビートルズより先のデビューでヒット曲を出していた。ジョージハリスンがジョーブラウンの歌をコピーしていたようだ。最後にウクレレ片手に「夢で逢えたら」を歌う。
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⒌ラヴィ・シャンカール
映画が始まってすぐ凄いインド美人が出てくる。いったい誰なんだろうと思っていたら、ラヴィシャンカールとくっついてインタビューを受ける。こんな若い美人と一緒になるなんて凄いなと思ったけど、娘のアヌーシュカ・シャンカールだということがわかる。高齢になったラヴィ・シャンカールは今回は演奏せずに娘に任せる。いかにもインドの音楽にエリッククラプトンがギターの音色を合わせるのが素敵だ。
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艶福家のラヴィシャンカールはこの美女の前に歌手ノラジョーンズをこの世に送り込んでいる。異母姉妹の共演をやっていること自体で凄いと感じる。
⒍ポールマッカートニー
コンサートの中では一番の格上だ。登場した時の拍手も大きい。得意の左ききスタイルでアコースティックギターを持って「フォーユーブルー」を歌うが、いかにもジャムセッション的な曲である。その後でウクレレを持ってジョージハリスンの代表曲「サムシング」を歌う。これはすばらしい!
ジョージハリスンはウクレレが好きだったという。それを意識してか左利き持ちのウクレレでサムシングをじんわりと歌う。途中からエリッククラプトンにヴォーカルを交代するが、実に味がある。映画の大画面に映るポールとエリックを見て、こんなすばらしい組み合わせってあるかしら?と思う。これには感動して涙がでてきた。このコンサートのヤマであろう。
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「サムシング」の原曲でポールマッカートニーが弾くベースのメロディラインは歴史的名演で、本当はウクレレからテンポが変わるときに左利きベースで弾いてほしかった。
「ホワイルマイギタージェントリーウイープス」ではホワイトアルバムと同様にピアノのイントロをポールマッカートニーが弾く。裏でリンゴスターはドラムスを叩くし、リードギターはエリッククラプトンだ。まったくの再現である。
⒎ビリープレストン
「レットイットビー」や「アビーロード」の頃は実質5人目のメンバー的活躍をしている。ゲットバックのエレクトリックピアノのソロがいちばん際立つ。ジョージハリスンがLP「オールシングスマストパス」から「マイスウィートロード」をシングルカットしたけど、最初にシングルを出したのはビリープレストンである。
いかにもアフリカ系の声で清々しく歌う。いい感じだ。個人的にはヒットしたインストメンタルの曲「アウタスペース」がすばらしいと感じる。ロックとソウルとジャズの混合に大きく貢献した曲だ。でも、コンサートの4年後若くして亡くなってしまう。残念である。
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⒏エリッククラプトン
リーダーとしてコンサートを仕切る。20年以上前のコンサートとはいえ、改めてエリッククラプトンの凄さを再認識した。今回逆に感心したのはリードギターでオリジナルから逸脱したアドリブを演奏していないこと。エリッククラプトンも長髪のバングラディシュの頃はジョージハリスンのヴォーカルの後ろでギターに専心している。ジョージもギターを合わせるけどアドリブが若干ちぐはぐ。今回の方が泣きが入っているね。熟練の味だ。すばらしい!!
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エリッククラプトンはほとんど登場しているけど、地味な曲でもバングラデシュでもやった3枚組ファーストアルバムに入っている何故か自分が好きな「ビウェア・オブ・ダークネス」が良かった。
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それにしてもジョージハリスンのセガレは父親に容姿も声もそっくりだよね。コンサートでやったのに何で「ギブミーラブ」入っていないんだろう。それだけ不思議??