映画とライフデザイン

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映画「スターリンの葬送狂騒曲」

2018-08-12 06:42:42 | 映画(欧州映画含むアフリカ除くフランス )
映画「スターリンの葬送狂騒曲」を映画館で観てきました。


1953年スターリンが亡くなったあと、スターリンショックという株の大暴落が日本で起こった。これにより朝鮮戦争が落ち着き、景気を牽引してきた戦争特需がなくなるのでは?という連想だそうだ。でも当のソ連のトップは後釜狙いの権力闘争で大騒ぎだ。この映画はだいたい史実に基づいている。この映画のいいところは、その史実をコメディタッチで描いているところだろう。内容はエグいが笑えるシーンも多い。

一応後継者になるがオタオタするマレンコフ、マレンコフをたてるフリをして虎視眈々とトップを狙うフルシチョフ、秘密警察の親分で粛清を指導してきたベリヤなど、突然意識を失ったスターリンの後釜問題で大あらわだ。


時は1953年、モスクワ。この国を20年にわたって支配していたスターリンは側近たちと夕食のテーブルを囲む。道化役の中央委員会第一書記のフルシチョフ(スティーヴ・ブシェミ)の小話に大笑いする秘密警察警備隊長のベリヤ(サイモン・ラッセル・ビール)。スターリンの腹心のマレンコフ(ジェフリー・タンバー)はすぐに場をシラケさせてしまう。


明け方近くまで続いた宴をお開きにし、自室でクラシックのレコードをかけるスターリン。無理を言って録音させたレコードに、ピアニストのマリヤ(オルガ・キュリレンコ)からの「その死を祈り、神の赦しを願う、暴君よ」と書かれた手紙が入っていた。スターリンは読んだ瞬間、顔をゆがめて倒れ込む。

朝になりお茶を運んできたメイドが、意識不明のスターリンを発見し、すぐに側近たちが呼ばれる。驚きながらも「代理は私が務める」と、すかさず宣言するマレンコフ。側近たちが医者を呼ぼうと協議するが、有能な者はすべてスターリンの毒殺を企てた罪で獄中か、死刑に処されていた。仕方なく集めたヤブ医者たちが、駆け付けたスターリンの娘スヴェトラーナ(アンドレア・ライズブロー)に、スターリンは脳出血で回復は難しいと診断を下す。その後、スターリンはほんの数分間だけ意識を取り戻すが、後継者を指名することなく、間もなく息を引き取る。


この混乱に乗じて、側近たちは最高権力の座を狙い、互いを出し抜く卑劣な駆け引きを始める。表向きは厳粛な国葬の準備を進めながら、マレンコフ、フルシチョフ、ベリヤに加え、各大臣、ソビエト軍の最高司令官ジューコフまでもが参戦するが。。。
(作品情報一部引用)


1924年レーニン亡き後、トロツキーと権力争いをした後にスターリン書記長が自らに権力をを集中させソ連のトップとなる。そしてトロツキーばかりでなくスターリンの反対思想を持つ者は全て粛清されてしまうのである。当時のソ連で失脚する人たちの姿がいくつかの映画で描かれる。ニキータ・ミハルコフ「太陽に灼かれて」はその中でもピカイチの出来だ。忠実な軍人までが連行されることもある。スターリンは権力をとって以来、粛清で対立する勢力を押さえつけてきた。今でこそヒトラーにひけをとらない独裁者というが、世間には公表されていないことも多い。しかも、戦後の日本の知識人にはアカが多く、フルシチョフによるスターリン批判があった後でも支持されていた時期すらある。実際にはヒトラーの人後に落ちないとんでもない野郎だ。

映画でもスターリンが列挙した粛清リストに載る面々を収容所で次から次へと銃殺するシーンが出てくる。スターリン死亡の後、目の前で次々射殺されていたのに突然中止になり助かる処刑者の姿を映し出すのには笑える。ニキータ・ミハルコフ「太陽に灼かれて」でもわかるように、ちゃんとした反発の証拠があるわけではない人でも引っ張られる。むちゃくちゃだ。


映画ではフルシチョフ、ブルガーニン、マレンコフといった世界史の教科書には欠かせないソ連の指導者が登場する。この後、11年たってブレジネフが書記長となり権力を持つと同時にフルシチョフは失脚。誰もが権力を失った途端に失脚の道を歩む。韓国の大統領の末路も酷いもんだが、ソ連も同じようなもんだ。ここでも、ベリヤに至っては濡れ衣といってもいいような状態で、失脚どころか殺されてしまう。北朝鮮だけでなく他の共産主義国にもそういう部分は残っているだろう。アカ連中の権力闘争は怖い。

こういうのを見て町の駅で共産党のビラ配っているアカババアどもは共産主義がいかにひどいものかと理解できるのであろうか?対岸の火事と思ってわからないだろうなあ。

太陽に灼かれて
スターリンの粛清で壊れる家庭(ブログ記事)

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