映画「鑑定人と顔のない依頼人」は2013年日本公開のイタリア映画だ。
「ニューシネマパラダイス」「マレーナ」のジュゼッペ・トルナトーレが監督で、映画音楽は監督の名コンビ巨匠エンリコモリコーネである。それこそクリントイーストウッドの出世作「夕陽のガンマン」「荒野の用心棒」の音楽担当だ。
イタリア映画といっても、交わされる言葉はほとんど英語である。鑑定人に名優ジェフリーラッシュが扮し、その悪さ仲間がドナルド・サザーランドである。
一流鑑定士がある女性から鑑定依頼をうける。最初は相手にしなかったのに、姿を見せない依頼人に関心を持ち深みに入っていく。依頼人が美人と判明し、それまで独身を通していた主人公の動きがかわる。いったいこの依頼は何なのか?
序盤戦から依頼人が姿を表わすまでは普通の展開だったが、終盤にかけて妙に動きが速くなりスピードアップする。すると、想像もしなかった展開に変わっていく。
ヴァージル・オールドマン(ジェフリーラッシュ)は天才的鑑定眼をもち、あるゆる美術品の価値を一瞬にして判断することができる一流鑑定士だ。オークショニアとして値の張る美術品オークションをリードする立場にあった。しかし、相棒(ドナルド・サザーランド)と悪さをしている。これは贋絵画と偽って、相棒に安く入札させる。ヴァージルは極度の潔癖症で、極め付けに芸術品の中の女性しか愛することができないという人物だ。
そんな主人公にある鑑定依頼がくる。それは、若い女性からの資産家の両親が亡くなり、屋敷に遺された絵画や家具を査定してほしいという依頼だった。忙しい鑑定人は相手にしていなかった。しつこいので、とりあえずお屋敷へ向かう。ところが、依頼人は姿を現さない。ヴァージルは不信感を抱くも、それが本物なら歴史的発見となる、ある美術品のパーツを見つける。
ヴァージルは彼女が屋敷で暮らしていることを突き止める。彼女と壁ごしのやり取りを重ねる。
会話を交わした後、帰ると言って入口のドアを閉め、その隙に屋敷の中に残る。そこでヴァージルは、こっそり依頼人の姿を覗き見ると、美しい女性だった。徐々に魅かれていく。この奇妙な鑑定依頼の本当の目的とは何か?
1.ジェフリーラッシュ
「シャイン」のピアニスト役が絶品だけど、「英国王のスピーチ」のドモリ矯正士も実にうまい。「英国王」ではアカデミー賞の助演男優賞もらってもおかしくないと感じていた。オーストラリア出身だけど、イントネーションが英国系で聴きとりやすい英語を話す。自分にとってはわかりやすい。この映画の鑑定人は、何でそれまで独身だったのか?別に男色の趣味があるわけではない。それが若い依頼人に徐々に心ときめかす。その老いた男の恋愛を実にうまく演じている。落胆した姿も非常に味がある。あんなことになったら具合も悪くなるよなあ
2.謎の依頼人
最初依頼人は姿を見せない。執事が取り仕切っている。大けがでもして顔を損傷しているような人なんだろうか?と思ってしまう。あえてそうしたと思うが、謎に包まれた時間が続く。そうした後で主人公が賭けに出る。わからないようにしてこっそり部屋に残るのだ。そこで初めて姿を見ることができる。美女のようだ。
隠れていたが、依頼人にばれてしまう。彼女はあわているが、説得して平穏な状態となる。それからはひきこもり状態の彼女に対して、男性の保護本能が目覚めてくる。依頼人の世話をするようになっていくのだ。
3.意外性のある展開
この映画のラスト30分はよめない。ミステリーとしては実にうまい。
謎の依頼人が顔を見せ、鑑定人が恋していく。依頼人もそれにこたえる。恋愛モノなのかと自分を錯覚させる。ところがそう簡単には終わらない。イタリアの超一流監督がつくるんだからそんな陳腐な映画ではない。
それまで出演してきた脇役たちが一気にからんでくる。それも見せかけは2人に干渉しているようにはみえない。
2人は愛し合うようになり、絵画に描かれる女性しか愛せない男に隙が生まれる。
そして唖然とするシーンにつながっていく。
結局は「スティング」を思わせるドンデン返しだった。
それでも主人公はある人物をかばう。そこが監督のいいたいことだったのであろう。
「ニューシネマパラダイス」「マレーナ」のジュゼッペ・トルナトーレが監督で、映画音楽は監督の名コンビ巨匠エンリコモリコーネである。それこそクリントイーストウッドの出世作「夕陽のガンマン」「荒野の用心棒」の音楽担当だ。
イタリア映画といっても、交わされる言葉はほとんど英語である。鑑定人に名優ジェフリーラッシュが扮し、その悪さ仲間がドナルド・サザーランドである。
一流鑑定士がある女性から鑑定依頼をうける。最初は相手にしなかったのに、姿を見せない依頼人に関心を持ち深みに入っていく。依頼人が美人と判明し、それまで独身を通していた主人公の動きがかわる。いったいこの依頼は何なのか?
序盤戦から依頼人が姿を表わすまでは普通の展開だったが、終盤にかけて妙に動きが速くなりスピードアップする。すると、想像もしなかった展開に変わっていく。
ヴァージル・オールドマン(ジェフリーラッシュ)は天才的鑑定眼をもち、あるゆる美術品の価値を一瞬にして判断することができる一流鑑定士だ。オークショニアとして値の張る美術品オークションをリードする立場にあった。しかし、相棒(ドナルド・サザーランド)と悪さをしている。これは贋絵画と偽って、相棒に安く入札させる。ヴァージルは極度の潔癖症で、極め付けに芸術品の中の女性しか愛することができないという人物だ。
そんな主人公にある鑑定依頼がくる。それは、若い女性からの資産家の両親が亡くなり、屋敷に遺された絵画や家具を査定してほしいという依頼だった。忙しい鑑定人は相手にしていなかった。しつこいので、とりあえずお屋敷へ向かう。ところが、依頼人は姿を現さない。ヴァージルは不信感を抱くも、それが本物なら歴史的発見となる、ある美術品のパーツを見つける。
ヴァージルは彼女が屋敷で暮らしていることを突き止める。彼女と壁ごしのやり取りを重ねる。
会話を交わした後、帰ると言って入口のドアを閉め、その隙に屋敷の中に残る。そこでヴァージルは、こっそり依頼人の姿を覗き見ると、美しい女性だった。徐々に魅かれていく。この奇妙な鑑定依頼の本当の目的とは何か?
1.ジェフリーラッシュ
「シャイン」のピアニスト役が絶品だけど、「英国王のスピーチ」のドモリ矯正士も実にうまい。「英国王」ではアカデミー賞の助演男優賞もらってもおかしくないと感じていた。オーストラリア出身だけど、イントネーションが英国系で聴きとりやすい英語を話す。自分にとってはわかりやすい。この映画の鑑定人は、何でそれまで独身だったのか?別に男色の趣味があるわけではない。それが若い依頼人に徐々に心ときめかす。その老いた男の恋愛を実にうまく演じている。落胆した姿も非常に味がある。あんなことになったら具合も悪くなるよなあ
2.謎の依頼人
最初依頼人は姿を見せない。執事が取り仕切っている。大けがでもして顔を損傷しているような人なんだろうか?と思ってしまう。あえてそうしたと思うが、謎に包まれた時間が続く。そうした後で主人公が賭けに出る。わからないようにしてこっそり部屋に残るのだ。そこで初めて姿を見ることができる。美女のようだ。
隠れていたが、依頼人にばれてしまう。彼女はあわているが、説得して平穏な状態となる。それからはひきこもり状態の彼女に対して、男性の保護本能が目覚めてくる。依頼人の世話をするようになっていくのだ。
3.意外性のある展開
この映画のラスト30分はよめない。ミステリーとしては実にうまい。
謎の依頼人が顔を見せ、鑑定人が恋していく。依頼人もそれにこたえる。恋愛モノなのかと自分を錯覚させる。ところがそう簡単には終わらない。イタリアの超一流監督がつくるんだからそんな陳腐な映画ではない。
それまで出演してきた脇役たちが一気にからんでくる。それも見せかけは2人に干渉しているようにはみえない。
2人は愛し合うようになり、絵画に描かれる女性しか愛せない男に隙が生まれる。
そして唖然とするシーンにつながっていく。
結局は「スティング」を思わせるドンデン返しだった。
それでも主人公はある人物をかばう。そこが監督のいいたいことだったのであろう。
言葉もですが、主要キャストにもイタリア系
が見当たりませんね。
「ニューシネマパラダイス」は長らく私のベストワン。
大好きな作品でした。だから張りきって完全版を
見たけど、こりゃカットするわなと納得しました。
冗長過ぎて全然面白くなかった。
「マレーナ」はう~~ん。男性は好きな作品かも。
「海の上のピアニスト」も良かった。特に音楽は
いつものエンリコですが、凄く印象的でした。しかも
これで苦手だったティム・ロスのイメージが変わりました。
ジェフリー
「シャイン」以降は脇に回った感がありましたが
久々の主役ですネ。
オーストラリア出身俳優のなかでも、ハリウッド系じゃない一人ですよね。
サザーランド
若き日の「イナゴの日」とか「カサノバ」とかTVで見て
怪優のイメージでしたけど、年行くに従って普通の役
演じるように。「バックドラフト」の放火魔?が
印象的でした。息子は最近どうしているんでしょ?
↓クリントイーストウッド監督、好きなので
殆ど見ています。ジェームズ・ブラウンの
伝記映画も近く公開されるようで、1950年前後の
音楽シーンを題材にした作品が続きますネ。
JBの方は是非見たいと思っているのですが。
高倉健さんってもうそんなお年でしたか。
10月に入って公私にわたって忙しく、3日は中国から大学の同級生が一時帰国で午前様となり、ブログサボっています。
>「ニューシネマパラダイス」は長らく私のベストワン
割とそうおっしゃる方多いですよね。完全版というのは見ていませんが、くどくなるんでしょうか?
>これで苦手だったティム・ロスのイメージが変わりました。
「海の上のピアニスト」より前というと、タランチーノ作品というイメージが自分は強いです。最近はあまり自分の見ている映画とかぶらなくなってきています。
>ジェフリー オーストラリア出身俳優のなかでも、ハリウッド系じゃない一人ですよね。
英語の話し方の調子も英国系と感じさせてしまう部分がありますね。本当にうまい役者と思っています。何より「シャイン」のくまんばちのテーマが圧巻です。
>サザーランド
若き日の「イナゴの日」とか「カサノバ」とかTVで見て
怪優のイメージでしたけど、年行くに従って普通の役
彼は七〇年代でツキを使い果たした感じがします。今でもチョコチョコ見かけるけど、ロバートアルトマン監督「マッシュ」の滑稽さ、エロサスペンス系「赤い影」でのジュディクリスティとの絡みのシーン、「コールガール」でのジェーンフォンダの相手役が特に印象的ですね。
>ジェームズ・ブラウンの伝記映画も近く公開されるようで
「ヘルプ」の監督:テイト・テイラーがつくったみたいで、予告編を見ると、なかなかおもしろそうですね。今は「ジャージーボーイズ」がすばらしかったので、その余韻に浸っております。
>高倉健さんってもうそんなお年でしたか。
正確に言うと、学年が一緒ということですが、考えてみれば、アメリカと日本は学年のカウントが違うかも?亡くなった私の父より学年二つ上です。それなのに現役とは脅威!!
またよろしくお願いします。
ブラボーー
>セレブな背景とアートの世界の中のイリュージョンのなせる技かなと最後まで惹きつけられる映画です。
おっしゃる通りですね。イリュージョンって素敵なお言葉ですね。
>最後のドンデン返しも最初はショックでしたがなぜか幸せそうな彼の最後の顔を見てホットしました。
これはショックですよ。もしこんなことされたら生きていく気力消されそうですよね。
>多分彼女も途中から半分本気で彼を愛した瞬間があったのではと女性としては思いたいストーリーでした。
男性としてもそう思いたいですよね。それにしてもストーリー作りが抜群にうまいと感じさせる作品でしたね。
ジェフリーラッシュには駄作が本当ないです。