映画とライフデザイン

大好きな映画の感想、おいしい食べ物、本の話、素敵な街で感じたことなどつれづれなるままに歩きます。

映画「1秒先の彼女」

2021-06-27 17:13:26 | 映画(アジア)
映画「1秒先の彼女」を映画館で観てきました。


台湾映画「1秒先の彼女」の評判がいい。台湾で賞をとりまくったようだ。原題:消失的情人節、英題:My Missing Valentine、ラブコメディだという知識だけで映画館に向かう。主人公のプロフィルを簡潔に映像で紹介する序盤戦は、テンポ良くスタートする。恋のチャンスに恵まれない30才の女性がひょんなきっかけで知り合った男と七夕バレンタインを過ごそうと意気込んでいたら、ふと目を覚ますと時計の針は1日先を示している。しかも、顔は日焼けしている。いったい何があったのかと空白の手がかりを探すという話である。

終わってみて、ようやく基調は純愛ラブコメディだということがわかる。いきなり、主人公が警察に昨日の出来事を教えてよと交番に駆け込むシーンを映す。


何で日に焼けているのかもわからない。これってどういうこと?と思っていると、中盤戦でファンタジーの手法を使っていることもわかる。それが不自然すぎると、非現実すぎてちょっと引いてしまう。でも、それぞれのキャラクターに惹かれるものがあってむしろ引き込まれる。

台湾映画独特の優しさと笑いを誘うコミカルなタッチが、非常に心地よい。現代台北の街中だけでなく、田舎の海岸線が美しい町を映して視覚的にも楽しめる。


末梢神経を刺激するような荒々しい動きもなく、最後まで快適な時間を過ごせた。自分は1人で見たが、カップルで映画を見るのにはここ最近では1番のおすすめだといえよう。


郵便局で働くシャオチー(リー・ペイユー)は、仕事も恋もパッとしないアラサー女子。何をするにもワンテンポ早い彼女は、写真撮影では必ず目をつむってしまい、映画を観て笑うタイミングも人より早い。ある日、ハンサムなダンス講師(ダンカン・チョウ)とバレンタインにデートの約束をするも、目覚めるとなぜか翌日に。バレンタインが消えてしまった?


消えた1日の行方を探しはじめるシャオチー。見覚えのない自分の写真、「038」と書かれた私書箱の鍵、失踪した父親の思い出…謎は一層深まるばかり。どうやら、毎日郵便局にやってくる、人よりワンテンポ遅いバスの運転手・グアタイ(リウ・グァンティン)も手がかりを握っているらしい。そして、そんな彼にはある大きな「秘密」があったー。 (作品情報 引用)

⒈リーペイユーとシャオチーの恋
主人公を演じるリーペイユー「学力の経済学」を書いた慶應義塾の中室牧子教授に人相がそっくりである。以前企業グループの講演会で講義を聞いたことがあった。1クラスの人数を減らしても経済学的に効果は出ないなんて、最近の論調と違う教育に関するお話を思いっきり早口で話していた。この映画の主人公がせっかちだというのに妙に通じて思わず笑ってしまう。
リーペイユー↓


中室教授↓


街の公園でダンス教室をやっていて、良かったら一緒にやってみませんかと言われ加わると、講師に誘われてしまう。郵便局の窓口に何度も訪ねて来たりして、ようやく七夕バレンタインを一緒に過ごせる人が現れるという展開だ。このダンス教室の講師、ラグビーの五郎丸選手に似ていて、五郎丸と中室教授の恋かな?と思っていたら、突如空白の1日ができて、相手の行方も含めて訳がわからなくなるのだ。

郵便局の窓口対応が主人公の仕事である。向こうでは「郵局」の二文字だ。窓口には隣に美貌の若い女の子と反対の隣にハイミスのベテラン女性がいるけど、いずれハイミスと同じような身になってしまうのかと恐れている。やっとの思いで恋を掴みきったように見えたが。。。ここで郵便局員という設定にしたのは最後に向けて生きてくる。


⒉純愛
シャオチーが窓口にいると、封書に貼る切手だけを買いにくる1人の男性がいる。何かあるな?と思っているど、主人公シャオチーの恋は進む。でも、突如空白の1日がすぎて、郵便局に出社する。すると、いつものようにこの男性が切手を購入しにくる。でも、目の周辺に殴られたような跡がある。どうしたんだろう。


ストーリーの序盤から中盤にかけて、少しだけ触れていく。でも、この男性こそがストーリーのキーになるのである。この男グアタイは何をやるのにも動きが一歩遅い。せっかちで常に誰よりもテンポが速い動きをするシャオチーの真逆だ。ある意味、主人公は男女それぞれいるということなのだ。シャオチーの恋の物語の裏で同時進行で動いている話があったのだ。それを徐々に語っていく。このあたりをまとめる編集の力にも恐れ入った。

絶対に会えない人まで登場させる その話に情感がこもる。しかも、悲愛に思えた話に最後に向けて光を与える。そして、ビージーズが歌うジョークでエンディングクレジットを迎える。素敵な終わり方である。

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