@画家や芸術家を支援する西欧のパトロン達の重要性
芸術家を支援するパトロンシップはヨーロッパの輝かしい伝統です。パトロン達の支援が無ければ数多くの作品は生まれません。
我が国にはその伝統が無く、パトロンの重要性を見落としがちです。しかし、日本にも少しは居ます。水戸出身の中村彝画伯を支援した新宿中村屋初代当主相馬氏はその例。傑作「エロシェンコ像」が生まれたのは中村屋のおかげです。水戸市の千波湖のほとり、茨城県立美術館の一隅に中村t彝画伯のアトリエが移設展示されている。結核で夭折した画家とパトロン中村屋との関係が生き生きと見えるようである。中村屋と中村画伯は同姓ながら血縁関係はない。また、日本の近代彫刻の扉を開いた荻原守衛(碌山)を支えたのも相馬夫妻でした。彼の作品は、29万9100余人の寄付によって建てられた安曇野の 碌山美術館に見ることができます。
@良心的な画商の重要性
日本では画家を個人的に支援するパトロンが少ない。その代わり画商が重要な役割を担う。笠間日動画廊美術館の五階にある画家三百三十人のパレット展示がその例である。パレットには安井曽太郎、梅原龍三郎、熊谷守一、中村研一、岡本太郎、藤田嗣治らそうそうたる画伯が網羅されている。しかし、圧巻は無名の画家のパレットが多数展示してあることである。日動画廊初代当主・長谷川仁氏夫妻が若い画家を勇気づけ、支援しようとした情熱が見えるようである。
訪問した折、笠間日動画廊美術館で常設展が開催されていたが、日本・アメリカ館五階のパレット展示と合わせて見ると興味が尽きなかった。
パレットの収集展示は吉井画廊の初代当主・吉井長三氏が建てた清春白樺美術館(山梨県)のレストランの壁にもある。無名画家のパレットが、白樺派の文人・画家の手紙や出版本、絵画とともに展示してある。広大な敷地には若い画家へ格安で貸しているアトリエの集合体建築物コアもある。南アルプス連山を前に、何人もの美術を志す若者達が制作に励んでいる様子がうかがえ心楽しい。
◎ 実際に会った 画家とパトロンの思い出
1961年、河野秋邨氏の個展がアメリカ全土を巡回開催された。すべて畳二畳ぐらいの大作で、色彩豊かな南画が数十枚も展示されているのは圧倒的だった。
オハイオ州のコロンバス市での展覧会の折に河野秋邨氏へ毎日、日本食を供した縁で巡回個展のパトロンであるイエーガー氏にも会えた。イエーガー氏は言う「京都で河野氏の南画を見て、アメリカ人にもぜひ見てもらいたいと思ったのです。コロンバスだけでなく、全米の町へも巡回展示します。その費用は私が個人的に出します。好きな画家を経済的に支援するのは楽しく、誇らしいものです」このような個人達が欧米のパトロンシップの輝かしい伝統を育てて来たのでしょう。
清春美術館は吉井長三氏の善良なパトロンシップのお陰で建設された。蕎麦の翁のパトロン達は多数の蕎麦好きの人々です。翁で蕎麦をゆっくり食べながら何時もこんな感慨にふける。(清春美術館と翁の記事やその関連のフォトアルバムの補足としての抜粋、再録です)
八ヶ岳周辺には、本当に素晴らしい景観と色々な施設がありますね、小生も2回ばかり訪ねましたが、勿論シーズン中とあって、結構人も多く、やはりこのままでは何れ俗化するのではと思わされました。でも今回の貴殿の初冬の写真は、澄み切った空気と青空で、やはり都会の喧騒からは開放される別天地かと思わされます。
ところで写真の「蕎麦の翁」は中央道の小淵沢インターをおりて近いのでは。一度行った覚えがありますが。
フォト・アルバムの白樺林の写真の中にある親指風のモニュメントと言うか、展示物は何ですか。
いつもブログの写真楽しませて頂きながら、下らぬコメントなんぞ臆目も無く出し申し訳ありません。
今年もほんとに残り少なくなりました、どうかお揃いで良き新年をお迎え下さい。
投稿 zebra1192 | 2007/12/29 10:34