昨日のこのブログで600万人以上といわれるユダヤ人の大量殺戮の記事を出した。ヒットラーによるホロコーストである。
この狂気の殺戮の対称ははユダヤ人だけで無かったのだ。50万人ものジプシーもホロコーストにあっている。ジプシーは日本では「流浪の民」という歌で、何かロマンチックで楽しそうな民族として受け止められて来た。その平和で無力な民族がヒットラーによって殺戮された。
ナチスが政権獲得後の1935年に、ジプシー(以下ドイツ語のロマを用いる)を「劣等民族」と見なす法律が施行された。ロマの選挙権は剥奪され、非ロマとの結婚禁止、商売の禁止、学校入学の禁止、ドイツ国内での移動禁止などが主な内容である。その後ロマは強制移住や強制労働政策の対象となり、収容されたロマには、強制的断種手術が行われた。
第二次世界大戦によりドイツの占領地域が広がると、ナチスは再び多数のロマを抱えこむことになった。ナチスが「最終解決策」と呼んだ政策で、ロマはユダヤ人と同様にホロコーストの対象とされた。正確な数は不明であるが、戦争中に約50万人のロマが殺害されたとされる。強制収容所への移送を待たずに現地で殺害されたものも多かった。ナチス親衛隊特別行動部隊「アインザッツグルッペン(Einsatzgruppen)」が東欧の占領地域に派遣され、ユダヤ人、共産党員、ソ連軍捕虜とともに、多数のロマが殺害された。ナチスの被害にともなう戦後補償について、現在もロマはユダヤ人より不利な扱いを受けている。
ヨーロッパ諸国はイギリスの産業革命以来、汽車や自動車を作り現代文明を完成した。その同じヨーロッパ人の民族が互いに争い殺し合った。日本人には想像も出来ない残酷な方法で。文明は限りなく進歩するが人間は全然進歩しない。しないどころか一層残酷になる。西欧文化には輝かしい面もあるが底知れぬ闇がつきまとっている。この最後の文章の「西欧文化」という言葉を「日本文化」と置き換えて考えることも重要ではなかろうか?
あまりにも暗い記事なので、最後に少し気が晴れる写真を出します。先日、多摩の横山で撮ったものです。
今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。 藤山杜人