BYOOLというSNSで友人になった、めいこさんは1923年生まれの女性の方です。ホームページを見ていましたら楽しい絵が100枚以上掲載してありました。
素人の絵には、つい上手に見せようとして詰まらない絵になってしまうことが時々あります。しかし、めいこさんは上手に見せようとは微塵も思っていません。見る人々の心へすうっと入って、心を温める絵画です。100点以上ある絵の全てがそうなのです。
山下 清さんの絵を連想しながらHPの文章も読んで行きました。心にしみじみ沁みる、そして心温まる文章です。日常のことをさりげなく書いて、絵も描いて行く。なんと豊かな老後の生活ではないでしょうか。
めいこさんのご了解を頂いたので、ここで二つの絵とそれについた文章をご紹介します。
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庭の手入れ
ずっと秋だけだった植木屋さんが、このところ、春にも来て貰う様になった。消毒が主だが、私に庭の世話が殆ど出来なくなったからだ。
此処に引っ越してきて四十数年前、真っ先に植えられた金柑の木は、居間の傍、南側の一番いい場所を占めているのでよく伸びる。春になると、私が脚立に乗って、時々鋭いとげに刺されながらも短く刈っていた。
初めのうち、金柑の実は十二月末にはオレンジ色になるので、お正月には甘く煮ておせちの重箱に入れていたが、ちかごろは季候のせいか十二月はまだ青く、眺めるだけになっている。春になると大きいのを選んで三瓶ほど煮る。あとの実は鳥達が入れ替わり来て啄ばみ、何時の間にか、無くなる。
夏近くなると、金柑の木に芳香の強い白い花がたくさん咲いて、今まで何処にいたのかと思うほどの蜂や、綺麗に装った蝶がひらひらとやって来る。忙しげにあちこちと移動して働いている小さな生き物たちを、居間からガラス越しにそっと眺めていると、家の中にいる私まで元気を貰うような気がする。
暮らしの中、「チャイム」
夜の8時、チャイムが鳴る。あやしみながら応答すると、今まで話をした事の無い近所の家のご主人が立っておられた。
「犬の散歩の途中だがお宅の家の方を見ると、勝手口の電灯の上にある橙色の回転灯が光って点滅している。こんなのは今まで見た事が無いのでお知らせする」と言われる。
勝手口の外へ出てみると、橙色の光が派手に点滅している。この機器自体が勝手口に付いているのを知らず、何物か判らず迷ったが、夜遅いので、セコムに相談の電話をすると、これはセコムの物です、とすぐ若い人が来てくれた。パソコンのADSL機器が近くにあり、相性が悪いのかもしれないと言う。3日して工事の方が来てアダプタをつけた。
出典は、HP「80歳の生活」より、
http://hyoutannjima.hp.infoseek.co.jp/