日本の政治家は中国や韓国が悪いと言います。中国や韓国の政治家も日本が悪いと言います。そしてその政治家の影響を受けて新聞が相手の非を執拗に書きます。その記事を読んだ人々が憎しみ合います。これは大変不幸な隣国関係です。他人に嫉妬したり、他人を恨んだり、憎んだりしている状態は人間の幸せな状態とは言えません。
この悪い関係はごく最近の短い期間に起きたことです。
すこし視野を広げて過去2000年間の日中韓の関係を歴史的に見れば、心が悠々として憎悪の気持ちが消えてしまいます。そうでない人もいるでしょうが、私の憎悪の気持は消えていきます。
特に自分が好きな唐時代の漢詩を幾つか読み返し、素朴で、ふくよかで、気品のある李朝の陶磁器の写真を眺めていると心が平和になります。中国や韓国の人々に対して尊敬の念が湧いてきます。
当然のことながら日中韓の3国の友好を祈る気持ちになります。
最近の世の中は少し変です。日中友好や日韓友好と言っただけで非国民という批判を浴びます。国賊と言う人もいます。まるで第二次大戦中の日本に返ったようです。韓国も中國も同様なようです。日本を非難しないと居心地の悪い思いをするのでしょう。
私は高齢者なので短い老い先です。好きな漢詩を読み、気品ある李朝の陶磁器の写真を眺め幸せな気分で日々を送ることにしています。そして何時の日か日中韓友好の時が来るのを祈っています。
下に好きな漢詩3首と李朝の陶磁器の写真を5枚お送りいたします。
それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈りいたします。後藤和弘(藤山杜人)
日本人の好きな漢詩(http://matome.naver.jp/odai/2141574836629656901)より3首。
(1) 春曉、 孟浩然
春眠不覺曉 春眠曉を覺えず
處處聞啼鳥 處處啼鳥を聞く
夜來風雨聲 夜來風雨の聲
花落知多少 花落つること知りぬ多少ぞ
(出典:春曉 孟浩然 - 夢幻泡影)
春の眠りの心地よさに
夜の明けるのにも気がつかずにうとうとしていると
あちこちに鳥の鳴き声が聞こえる
昨夜は雨風の音がしていたけれど
花はどれほど散ったのだろう
(2)春望、 杜甫
国破山河在 国破れて山河在り
城春草木深 城春にして草木深し
感時花濺涙 時に感じては花にも涙を濺ぎ
恨別鳥驚心 別れを恨んでは鳥にも心を驚かす
烽火連三月 烽火三月に連なり
家書抵萬金 家書萬金に抵る
白頭掻更短 白頭掻かけば更に短く
渾欲不勝簪 渾べて簪に勝えざらんと欲す
長安の都は賊軍のために破壊され、あとには山と川だけが昔のままに残されている。その荒れ果てた城内に、また草木が生い茂る春が到来した。しかし、この戦乱の時節に私は感極まって、春の花を見ても涙が落ち、家族との別離を悲しむあまり、鳥の声にも心が動ぜずにはいられない。戦いを告げる烽火(のろし)は三カ月もの間、絶えることなく、遠く離れた家族からの手紙は、なかなか届かないので、万金にも値するほど貴重なものだ。老いと心痛のため、私の髪はますます白く短くなり、もはや冠をとめるピンもさせなくなってしまった。
(出典:【漢詩の楽しみ】 春望(しゅんぼう) - (大紀元))
(3)送元二使安西、王維 「元二の安西に使するを送る」
渭城朝雨潤輕塵 渭城の朝雨 軽塵を潤し
客舎青青柳色新 客舎青青柳色新たなり
勧君更盡一杯酒 君に勧む更に盡くせ一杯の酒
西出陽關無故人 西のかた陽關を出ずれば故人無からん
(出典:元二の安西に使するを送る 王維 漢詩の朗読)
元二を見送るために前夜から泊り込んだのだが、朝方からの雨が軽く細かい土ぼこりをしっとり濡らし、渭城の朝はすがすがしい。
旅館の前の青々とした柳は、雨に洗われていっそう鮮やかに見える。
さあ、いよいよお別れだ。もう一杯ぐいと飲み干し給え。
ここから西の方、陽関を越えれば、もう親しい友はいないだろうから。
(出典:元二の安西に使するを送る|道草ばっかり)
李朝の陶磁器の写真5枚をお送りいたします。
(出典:https://www.google.co.jp/search?q=%E6%9D%8E%E6%9C%9D%E3%81%AE%E9%99%B6%E7%A3%81%E5%99%A8%E3%81%AE%E5%86%99%E7%9C%9F&biw=948&bih=557&tbm=isch&tbo=u&source=univ&sa=X&ved=0CBsQsARqFQoTCIOM1cH7pMgCFSQWpgod94gEjg#imgrc=7Jh54tha8Bq8OM%3A)