後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

日中貿易は日米貿易より大きい・・・この現実を直視すべきではないでしょうか?

2015年10月31日 | 日記・エッセイ・コラム
現実を直視すべきではないでしょうか?
以下に、http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/5050.html より転載いたしました。

2004年に対中国の貿易額(輸出入合計)が対米国を上回ってから、毎年、両者の差は拡大し、2010年には対世界貿易シェアで中国は23.7%となり、米国の12.7%を大きく越えています。
日本の対世界貿易における中国と米国のシェアの推移を見ると、米国は1980年代後半には3割近くのシェアをしめていたのが、近年、低下傾向となり、2004年には18.6%とはじめて2割を切っています。これに対して、中国は、1991年までは1割未満のシェアでしたが、2001年の中国のWTO加盟を契機として、最近急速にシェアを高め、2004年には20.1%とはじめて2割を越え、「米中逆転」の様相を明確にしたのです。
日中貿易拡大の要因としては、日本企業が生産拠点を中国に移し、中国で現地調達できない基幹部品等を日本から輸出、また最終製品のかなりの部分を中国から逆輸入する流れが加速しているのが大きいと言われています。
 一方、中国側から見ると、対日貿易より対EU、対米貿易の方が伸びている。
読売新聞2005.1.27によると、「中国から見た2004年の対日貿易額は、欧州連合(EU)、米国に抜かれて三位に転落し、中国の貿易相手国としての日本の地位はむしろ低下している。」と報じています。
そして昨年の2014年の日中貿易額は実に36.8兆円に対して日米貿易額は21.2兆円だったのです。
日本人の多くは中国が嫌いです。しかしその一方で中国は日本経済のとって一番重要な国になっているのです。
この事実を深く考えるべきではないでしょうか?

中国の経済力と技術力の増進を静かに受け入れるのが日本の国益になる

2015年10月31日 | 日記・エッセイ・コラム
中國や韓国のことになるとすぐに感情的になって怒り出すひとが多い昨今です。
その気持ちも分かりますが、もう少し冷静になって中国や韓国が日本の経済安定にどれほど重要なのかを考えるのが日本の国益にかなうのです。そして中國の工業技術が急速に進歩していることも静かに受け入れることも非常に重要と思います。
これこそ「敵を知れば百戦あやふからず」なのです。
それではまず中国の総生産(GDP)の推移と他国との比較の図面を見てみましょう。
下にその図面を示します。

(図面は、http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/j006.html より)
長い間、世界2位だった日本のGDPを中国は2010年に抜き、日本が3位になったのです。これにショックを受けた日本人は多かったと思います。
しかし 長い目で見ると日本が中国に抜かれたということより、極東に世界第2位と第3位の国が隣接して誕生したということの方が日本にとっては重要な事実と思います。さらに韓国も経済成長率がかなり高いので、東アジア経済圏は確実に世界の中で中心的な役割を占めているのです。
こんなことを書くと時代錯誤だと笑われますが、これこそ大東亜共栄圏のような気分になるから不思議です。
この中國の経済成長にかんして、10月26日に趣味人倶楽部のニックネームさんから以下のようなコメントを頂きました。
非常に穏当で建設的なご意見なので以下に示しまします。
「中国経済は崩壊するとずいぶん前から主張されている方が多いようです。しかし崩壊するどころか、その中国から、イギリスは経済の基幹となる原発を買う契約をしました。
中国は崩壊するには大きくなりすぎています。中国の崩壊があるとすれば、日米欧をはじめとする資本主義国への影響も甚大となります。だから中国を崩壊させないように働きかけるのが結局はアメリカなどの資本主義国なのです。このパラドックスは頭に入れておいたほうがいいでしょう。
中国の崩壊を心配するよりも、資本主義国が自分の足元を心配したほうが良いと思います。
習近平が失脚するのを期待している人も多いようですが、そんなことを期待しても何の意味もありません。失脚しても、共産党独裁政権の下で、第2第3の習近平が現れるだけです。それが中國という超大国の統治には現実的だからです。以下省略。」
そして中国の共産党独裁がいずれ崩壊するという人もいます。
これも間違った考えです。一旦共産党独裁が確立するとアメリカが中国を軍事占領しない限り体制は変化しません。それがソ連の衛星国体制とは根本的に違う点です。
さて中国の工業技術はどのようなものでしょう?
http://www.excite.co.jp/News/chn_soc/20150609/Searchina_20150609102.htmlの報道を一部抜粋します。
「2013年におけるドイツの製造業の規模は2兆300億ドル(現在のレートで約254兆円)、中国の製造業の規模は2兆7400億ドル(現在のレートで約343兆円)に達し、中国製造業は世界一の規模に達したと指摘できます。中国企業は研究開発に資金を投下し、工場を進化させているのです。すでに華為技術(ファーウェイ)や中興(ZTE)など世界の通信産業で大きなシェアを確保する企業に成長しています。」
中國は報道されているようにインドネシアなどに新幹線を輸出する契約をしています。そしてイギリスにも原発を3基輸出します。
工業技術の向上は日進月歩です。経済が伸びているかぎり研究開発への投資も増大するのが普通です。そして最近では品質管理にも努力しているようです。
技術分野によってはまだまだ遅れている分野もありますが早晩中国の工業技術は一流になるのは間違いありません。
日本の技術が高度成長の間に急速に向上し、世界で一流になったように中国の技術も進歩するのは確かなことです。
中国の経済力と技術力の増進を静かに受け入れるのが日本の国益になるのです。
この結論だけで終わってしまったら舌足らずになってしまいます。
中國の悪い点は国際ルールを無視するような前近代的な体質です。
それを直すのがアメリカの南沙諸島への艦艇の派遣です。日本もフィリピンもアメリカのように艦艇を派遣すべきと思います。如何でしょうか。

それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈りいたします。後藤和弘(藤山杜人)
(今日の挿絵は先日撮ってきた釜無川の北の七里ケ岩の黄葉が始まった写真です。)