後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

よい神父は透明になる、その向こうに神が見える

2018年07月15日 | 日記・エッセイ・コラム
カトリックの教会のミサでは時々いろいろな修道会の神父をお招きして司式して貰います。常駐の主任司祭だけでなく修道会の神父に話が聞けるのです。
今日はイエズス会の竹内修一神父が来てくださいました。竹内神父の説教はいつも知的で、しかも分かり易いのです。
昔、広島のイエズス会の修道院にいた頃、あるイタリア人の神父に指導を受けていたそうです。松江や米子などに教会を作った神父だったそうです。
そのイタリア人の神父は年老いるに従って、美しく透明になって行ったそうです。そしてその神父の向こうにイエス様がはっきり見えたそうです。神も見えました。そして100歳で日本の土になりました。
竹内神父も自我を無くし透明になりたいそうです。
私はかねがね、良い神父は信者をイエス様に会わせてくれると思っていました。信者にイエスや神の愛を実感させてくれる神父が良い神父なのです。
その為には神父は我欲を徹底的に捨て去り、透明な水のようにならなければならないのです。信者はその美しい透明性の向こうにイエス様を見るのです。神を見るのです。するとイエス様の愛が実感できるのです。神の愛が実感出来るのです。
そんな説教を聞いて帰って来ました。
さて日本人はお寺の住職さんに会う機会が多いと思います。お葬式に行けば僧侶がお経を唱えます。
私は僧侶の姿を見ると、その向こうにお釈迦さまが見えるか一生懸命探します。残念ながら見えないことの方が多いのです。
淋しいです。
そんなことを考えながら猛暑の日曜日を過ごしています。
皆様、熱中症にならないようになさって下さい。
写真は今日のカトリック小金井教会のミサの風景です。









潜伏キリシタン250年は日本が世界に誇れる精神文化

2018年07月15日 | 日記・エッセイ・コラム
私は日本を愛しています。日本民族の文化を愛しています。
従って最近、以下のような記事を掲載しました。
 「国宝の仏像は日本が世界に誇れる宗教芸術」(2018年07月09日掲載)
   「国宝の五重塔は日本が世界に誇れる独特な建築遺産」(2018年07月12日掲載)
    「国宝の五つの城は日本が世界に誇れる独特な建築遺産」(2018年07月13日掲載)
これらの素晴らしい目に見える文化を私は世界に自慢したいのです。
そして日本民族には目には見えない素晴らしい精神文化もあるのです。
それは日本人の誠実さや勇気を証明する素晴らしい文化なのです。
具体的な一つの例は、250年の長期にわたって潜伏キリシタンがカトリックの信仰を守った歴史です。江戸幕府の厳しい取り調べや踏み絵にも屈しないで秘かに子々孫々信仰を守ったのです。
そして1865年、大浦天主堂の献堂式から一ヶ月後、歴史的な瞬間が訪れます。杉本ユリをはじめとする浦上の潜伏キリシタン15人が天主堂にやってきたのです。彼らは堂内で祈りを捧げていたプチジャン神父に近づき、こう囁きました「ワタシノムネ、アナタトオナジ」・・・つまりキリスト教を信仰しているということの告白です。厳しい禁教令と宣教師がいないという状況が250年間も続いたにもかかわらず、信仰が受け継がれているということが、このとき初めて外国人に対して明らかになったのです。プチジャン神父は非常に驚き、また大いに喜び、彼らをマリア像の前まで導きました。この「信徒発見のマリア像」は現在も大浦天主堂に安置されています。
このニュースは欧米のキリスト教の国々に即座に伝わり、有名になりました。
まさに奇跡です。日本人の信仰の誠実さや勇気を証明する素晴らしい歴史でした。

そして近年にもローマ法王のフランシスコ教皇はサンピエトロ広場に集まった群衆へつぎのように語ったそうです。
2014年1月15日・・・「日本のキリスト教徒は17世紀初めに厳しい迫害を受けた。司祭は追放されていなかったが、キリスト教徒は潜伏しながら信仰を守り、祈り、子どもが生まれると父母が洗礼した。洗礼のおかげで生き延びた。この出来事から私たちは多くのことを学ぶことができる。」・・・
聖職者不在のなかで約250年間、長崎の潜伏キリシタンたちが自分たちで洗礼を授け、信仰を守り続けてきたことをローマ教皇はたたえたのです。
教皇が讃えた長崎の潜伏キリシタンが大浦天主堂に訪れ、プチジャン神父と出会った「信徒発見」からおよそ150年、今あらためてこの宗教史上の奇跡が見直され、ローマ法王に注目されているのです。

そんな背景があったので、今年、国連のユネスコは「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」を世界文化遺産として認定したのです。
この認定を祝しフランシスコ教皇は次のよう談話を発表しました。
・・・「聖霊が宣教師の説教を通じて灯した火は、カトリック共同体の祈りの生活に息づいていたのです。隠れて生き延びた平信徒の中に息づいてきたのです」・・・

さてそれでは「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」とはどのような内容なのでしょうか?
「https://ja.wikipedia.org/wiki/長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産 」から抜粋して示します。
構成12資産の一覧:
長崎市
1、大浦天主堂:国宝
2、外海の出津集落:重要文化財出津教会堂と旧出津救助院を含む、重要文化的景観「長崎市外海の石積集落景観」
3、外海の大野集落:重要文化財大野教会堂を含む

1番目の写真は外海の出津集落です。

2番目の写真は出津教会堂です。

南島原市
4、原城跡:国指定史跡

3番目の写真は原城跡(国指定史跡)です。

佐世保市
5、黒島の集落:重要文化財黒島天主堂を含む、重文景「佐世保市黒島の文化的景観」

4番目の写真は黒島天主堂です。

平戸市
6、平戸島の聖地と集落=安満岳と春日集落、重文景「平戸島の文化的景観」

5番目の写真は春日集落です。
7、平戸島の聖地と集落=中江ノ島、重文景「平戸島の文化的景観」

北松浦郡小値賀町
8、野崎島の集落跡:野首集落跡・舟森集落跡および両集落を結ぶ信仰の道、旧野首教会堂を含む、重文景「小値賀諸島の文化的景観」

6番目の写真は野首集落跡と旧野首教会堂です。

南松浦郡新上五島町
9、頭ヶ島の集落:重要文化財頭ヶ島天主堂を含む、重文景「新上五島町崎浦の五島石集落景観」

五島市
10、久賀島の集落:重要文化財旧五輪教会堂を含む、重文景「五島市久賀島の文化的景観」
11、奈留島の江上集落(江上天主堂とその周辺):重要文化財江上天主堂

熊本県
天草市
12、天草の﨑津集落、重文景「天草市﨑津・今富の文化的景観」

7番目の写真は天草の﨑津集落です。

以上のような今回の「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の世界文化遺産としての認定は世界中に信仰の自由の重要性を訴えたのです。日本人の信仰の強さを証明したのです。まだ世界には特定の宗教を弾圧し、信仰の自由が無い国もあります。共産党独裁の国々もあります。信仰の完全な自由が無い国なのです。
そんな国々に住む人々へ勇気を与えたのです。これこそ日本人が自慢して良い歴史ではないでしょうか?

それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。後藤和弘(藤山杜人)