自分が耄碌したら国際ニュースに興味が無くなると思います。ですから耄碌しないように毎日国際ニュースを調べています。
すると最近の重大ニュースはベネズエラ危機へのトランプ大統領の介入とローマ法王の歴史初のアラブ訪問の2つのようです。
今日はこの2つの重大ニュースを取り上げたいと思います。
(1)ベネズエラ危機へのアメリカ、ロシア、中国の介入
まずトランプ大統領がベネズエラへ軍隊覇権可能性に言及したニュースをご覧下さい。
「トランプ氏、ベネズエラ軍事介入も「選択肢」 米州諸国はカナダで会合へ」
http://news.livedoor.com/article/detail/15971906/
2019年2月4日 AFPBB News
【AFP=時事】ドナルド・トランプ米大統領は3日放送された米CBSテレビのインタビューで、政治の混迷が深まっている南米ベネズエラについて、軍事介入も「選択肢の一つ」だと改めて警告した。野党勢力を支持する中南米諸国とカナダは4日、オタワで会合を開き、対応を協議する。
欧州連合(EU)の7か国はベネズエラのニコラス・マドゥロ(Nicolas Maduro)大統領に対し、3日までに大統領選の実施を表明するよう求めていた。しかしマドゥロ氏は同日、スペインのテレビ局ラ・セクタ(La Sexta)に対し、こうした退任圧力には屈しないと述べ、要求を拒否した。
一方、暫定大統領就任を宣言したベネズエラの野党指導者フアン・グアイド国会議長は3日、国内では最大30万人が死亡する恐れがあるなどとして、EUに緊急の人道支援を求める意向を表明した。グアイド氏の暫定大統領就任はこれまでに、米国やカナダ、オーストラリア、中南米の一部の国が承認している。・・・以下省略。
1番目の写真はインフレに抗議する首都、カラカスでのデモの風景です。
ベネズエラ危機は物凄いインフレで食料難が起き、30万人が餓死しそうで、300万人が国外へ脱出したことで起きたのです。
(2)ベネズエラ危機は何故起きたか?
「ネズエラを襲うハイパーインフレ 通貨切り下げ前の食材と値段」
2018年08月24日、https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-45295552
南米ベネズエラで2018年08月21日、急激なインフレを抑えるための新通貨「ボリバル・ソベラノ」の導入が始まった。国際通貨基金(IMF)は、今年の同国のインフレ率が100万%になると推測している。
旧通貨ボリバルは深刻な経済低迷によってほとんど無価値になっていた。ロイター通信のカメラマン、カルロス・ガルシア・ロウリンズ氏はベネズエラを襲っていたハイパーインフレーションの実態を示すため、日用品や日々の食材と、それらの値段分の旧通貨の紙幣の写真を撮った。
ベネズエラの首都カラカスでは、2.4キログラムの鶏肉が1460万ボリバル(約250円)で売られていた。
2番目の写真は旧通貨の紙幣の山とそれで買える人参の量です。
3番目の写真は旧通貨の紙幣の山とそれで買えるトマトの量です。
(3)通貨切り下げでも物価は狂乱
「ベネズエラ、インフレ止まらず、11月年率129万% 」
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO38786250R11C18A2FF1000/
2018/12/12付 日本経済新聞
【サンパウロ=外山尚之】南米ベネズエラの議会は10日までに、11月の物価上昇率が年率129万%だったと発表した。ハイパーインフレが止まらぬ中、マドゥロ大統領はデノミ(通貨単位の切り下げ)や最低賃金の引き上げなど場当たり的な対処を繰り返しており、物価上昇が収束するまで時間がかかりそうだ。
月間の物価上昇率は144%だった。…
社会主義的な政策を取るベネズエラは、石油生産の落ち込みなどから財政難に陥り、食料品や医薬品の輸入が停滞。物不足などで物価が上昇する一方で、通貨は下落を続けている。
1月10日、インフレに苦しむ経済破綻寸前のベネズエラで、ニコラス・マドゥロ大統領が二期目の就任式を行なった。https://jp.sputniknews.com/opinion/201902045883343/
ベネズエラ国民は爆発的に怒っています。人口3000万のうち1割にあたる300万人もの人々が、過去3年間で祖国から逃げ出しています。
170万パーセントのインフレ、食料や医薬品の欠乏、国内政治に反発すれば政治犯として逮捕される。そんな状態で、マドゥロ氏に対する国民の不満はきわめて高いのです。マドゥロ氏の二期目就任を拒否しグアイド氏を支持する反政府派市民の集会には街を埋め尽くす人々が集結しており、世論調査でもグアイド氏の暫定大統領就任を支持する人々が約8割、マドゥロ氏の二期目就任を支持する人々は2割以下という結果が示されています。
この危機に乗じてアメリカとロシアと中国が自国の南米での勢力拡大のために介入しているのです。
アメリカとEUの7国はグアイド氏を支持し、ロシアと中国はマドゥロ大統領を強く支持しているのです。
日本はただ対岸の火事のように眺めているばかリです。
この暗いニュースに対して明るいニュースがありました。それはローマ法王が歴史上初めてアラビア半島を訪問したというニュースです。
(4)「ローマ法王、初のアラビア半島訪問 カトリック信者多数」
https://blogos.com/article/355547/ 2019年2月4日
ローマ・カトリック教会のフランシスコ法王は3日、中東のアラブ首長国連邦(UAE)を訪問した。法王庁(バチカン)によると、イスラム教発祥の地であるアラビア半島をローマ法王が訪問するのは初めて。
UAEのメディアによると、首都のあるアブダビ首長国のムハンマド皇太子が3日夜、空港で法王を出迎えた。法王は4日にイスラム教指導者らと会談して、中東での平和構築などについて話し合うとみられる。5日にはUAEに住むキリスト教徒ら約13万5千人を集めた大規模なミサを行う予定という。
バチカンによると、UAEではイスラム教スンニ派が多数を占めるが、同国内にはフィリピン出身などのカトリック信者が約90万人いるという。
法王は出発前、バチカンであった「正午の祈り」で、UAEが隣国サウジアラビアなどと軍事介入するイエメン内戦について言及。「長い内戦で人々は消耗し、子どもたちは飢えに苦しんでいる。食糧配給を確実にする合意が守られるよう関係する勢力と国際社会に訴えたい」と語った。
5日には、アブダビでミサを行う予定で、12万人が参列する見込み。
5番目の写真はフランシスコさんが2014年の8月に韓国を訪問した折の歓迎ぶりです。
韓国のカトリック信者数は476万人(2006年)で、カトリックが最大宗派で、組織的にも最も強固なものと言われています。
少し記事が長くなりましので今日はここでお終いにします。
それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈りいたします。後藤和弘(藤山杜人)
すると最近の重大ニュースはベネズエラ危機へのトランプ大統領の介入とローマ法王の歴史初のアラブ訪問の2つのようです。
今日はこの2つの重大ニュースを取り上げたいと思います。
(1)ベネズエラ危機へのアメリカ、ロシア、中国の介入
まずトランプ大統領がベネズエラへ軍隊覇権可能性に言及したニュースをご覧下さい。
「トランプ氏、ベネズエラ軍事介入も「選択肢」 米州諸国はカナダで会合へ」
http://news.livedoor.com/article/detail/15971906/
2019年2月4日 AFPBB News
【AFP=時事】ドナルド・トランプ米大統領は3日放送された米CBSテレビのインタビューで、政治の混迷が深まっている南米ベネズエラについて、軍事介入も「選択肢の一つ」だと改めて警告した。野党勢力を支持する中南米諸国とカナダは4日、オタワで会合を開き、対応を協議する。
欧州連合(EU)の7か国はベネズエラのニコラス・マドゥロ(Nicolas Maduro)大統領に対し、3日までに大統領選の実施を表明するよう求めていた。しかしマドゥロ氏は同日、スペインのテレビ局ラ・セクタ(La Sexta)に対し、こうした退任圧力には屈しないと述べ、要求を拒否した。
一方、暫定大統領就任を宣言したベネズエラの野党指導者フアン・グアイド国会議長は3日、国内では最大30万人が死亡する恐れがあるなどとして、EUに緊急の人道支援を求める意向を表明した。グアイド氏の暫定大統領就任はこれまでに、米国やカナダ、オーストラリア、中南米の一部の国が承認している。・・・以下省略。
1番目の写真はインフレに抗議する首都、カラカスでのデモの風景です。
ベネズエラ危機は物凄いインフレで食料難が起き、30万人が餓死しそうで、300万人が国外へ脱出したことで起きたのです。
(2)ベネズエラ危機は何故起きたか?
「ネズエラを襲うハイパーインフレ 通貨切り下げ前の食材と値段」
2018年08月24日、https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-45295552
南米ベネズエラで2018年08月21日、急激なインフレを抑えるための新通貨「ボリバル・ソベラノ」の導入が始まった。国際通貨基金(IMF)は、今年の同国のインフレ率が100万%になると推測している。
旧通貨ボリバルは深刻な経済低迷によってほとんど無価値になっていた。ロイター通信のカメラマン、カルロス・ガルシア・ロウリンズ氏はベネズエラを襲っていたハイパーインフレーションの実態を示すため、日用品や日々の食材と、それらの値段分の旧通貨の紙幣の写真を撮った。
ベネズエラの首都カラカスでは、2.4キログラムの鶏肉が1460万ボリバル(約250円)で売られていた。
2番目の写真は旧通貨の紙幣の山とそれで買える人参の量です。
3番目の写真は旧通貨の紙幣の山とそれで買えるトマトの量です。
(3)通貨切り下げでも物価は狂乱
「ベネズエラ、インフレ止まらず、11月年率129万% 」
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO38786250R11C18A2FF1000/
2018/12/12付 日本経済新聞
【サンパウロ=外山尚之】南米ベネズエラの議会は10日までに、11月の物価上昇率が年率129万%だったと発表した。ハイパーインフレが止まらぬ中、マドゥロ大統領はデノミ(通貨単位の切り下げ)や最低賃金の引き上げなど場当たり的な対処を繰り返しており、物価上昇が収束するまで時間がかかりそうだ。
月間の物価上昇率は144%だった。…
社会主義的な政策を取るベネズエラは、石油生産の落ち込みなどから財政難に陥り、食料品や医薬品の輸入が停滞。物不足などで物価が上昇する一方で、通貨は下落を続けている。
1月10日、インフレに苦しむ経済破綻寸前のベネズエラで、ニコラス・マドゥロ大統領が二期目の就任式を行なった。https://jp.sputniknews.com/opinion/201902045883343/
ベネズエラ国民は爆発的に怒っています。人口3000万のうち1割にあたる300万人もの人々が、過去3年間で祖国から逃げ出しています。
170万パーセントのインフレ、食料や医薬品の欠乏、国内政治に反発すれば政治犯として逮捕される。そんな状態で、マドゥロ氏に対する国民の不満はきわめて高いのです。マドゥロ氏の二期目就任を拒否しグアイド氏を支持する反政府派市民の集会には街を埋め尽くす人々が集結しており、世論調査でもグアイド氏の暫定大統領就任を支持する人々が約8割、マドゥロ氏の二期目就任を支持する人々は2割以下という結果が示されています。
この危機に乗じてアメリカとロシアと中国が自国の南米での勢力拡大のために介入しているのです。
アメリカとEUの7国はグアイド氏を支持し、ロシアと中国はマドゥロ大統領を強く支持しているのです。
日本はただ対岸の火事のように眺めているばかリです。
この暗いニュースに対して明るいニュースがありました。それはローマ法王が歴史上初めてアラビア半島を訪問したというニュースです。
(4)「ローマ法王、初のアラビア半島訪問 カトリック信者多数」
https://blogos.com/article/355547/ 2019年2月4日
ローマ・カトリック教会のフランシスコ法王は3日、中東のアラブ首長国連邦(UAE)を訪問した。法王庁(バチカン)によると、イスラム教発祥の地であるアラビア半島をローマ法王が訪問するのは初めて。
UAEのメディアによると、首都のあるアブダビ首長国のムハンマド皇太子が3日夜、空港で法王を出迎えた。法王は4日にイスラム教指導者らと会談して、中東での平和構築などについて話し合うとみられる。5日にはUAEに住むキリスト教徒ら約13万5千人を集めた大規模なミサを行う予定という。
バチカンによると、UAEではイスラム教スンニ派が多数を占めるが、同国内にはフィリピン出身などのカトリック信者が約90万人いるという。
法王は出発前、バチカンであった「正午の祈り」で、UAEが隣国サウジアラビアなどと軍事介入するイエメン内戦について言及。「長い内戦で人々は消耗し、子どもたちは飢えに苦しんでいる。食糧配給を確実にする合意が守られるよう関係する勢力と国際社会に訴えたい」と語った。
5日には、アブダビでミサを行う予定で、12万人が参列する見込み。
5番目の写真はフランシスコさんが2014年の8月に韓国を訪問した折の歓迎ぶりです。
韓国のカトリック信者数は476万人(2006年)で、カトリックが最大宗派で、組織的にも最も強固なものと言われています。
少し記事が長くなりましので今日はここでお終いにします。
それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈りいたします。後藤和弘(藤山杜人)