ノーベル平和賞は権力者からの弾圧にも屈せずに世界へ平和をもたらすことの尊さを示してくれた人や団体に贈られるのが原則だった筈です。
そのような受賞者を思い出してみると次のようになります。
ダライ・ラマ14世、 アウンサンスーチー、ネルソン・マンデラ、 国境なき医師団、国際連合 コフィー・アナン、劉暁波、マララ・ユサフザイ、 核兵器廃絶国際キャンペーンなどなどです。
その一方、私は不思議に思いますが権力者自身も貰っています。佐藤栄作、金大中、ゴルバチェフ、ジミー・カーター、オバマ大統領、などです。
そして今回はトランプ大統領を安倍総理がノーベル平和賞に推薦したのです。
この推薦を私は何か恥ずかしい気分で受け取りました。
日本の総理大臣がそこまでしてトランプ大統領にゴマを磨る必要があるのでしょうか?
その上トランプ大統領は人種差別者です。メキシコとの国境に壁を建てています。難民を拒絶しています。
多くの国際協定から脱退してアメリカ第一主義を力づくで押し進めています。
北朝鮮を軟化させて韓国と日本へ平和をもたらしたのは事実です。しかしその手法は北朝鮮を軍事的に脅迫したのです。北朝鮮の沖に航空母艦打撃群を何度も派遣して、「鼻血作戦」で北朝鮮を空爆すると言って脅迫したのです。
北朝鮮はこの軍事的脅迫に屈服したのです。
トランプ大統領が平和的交渉で北朝鮮の心を開き韓国や日本の友好国にしたのではありません。
私はトランプ大統領が平和賞にふさわしい候補者だとは考えません。
しかるに安倍総理は恥も外聞も無く推薦したのです。
その経緯は次の報道に説明してあります。
=================================
newsweek、「トランプ大統領にノーベル平和賞を」──米政府の要請で安倍が推薦?」
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2019/02/post-11717.php
2019年2月18日(月)
2人の仲だから、ノーベル平和賞に推薦することぐらいは朝飯前?
<北朝鮮の非核化も進んでいないのに、日本の安倍首相が推薦してくれたと自画自賛>
ドナルド・トランプ米大統領が2月15日、北朝鮮との緊張緩和を理由に「安倍晋三首相からノーベル平和賞に推薦された」と、ホワイトハウスの報道陣に明かした件は、実は米政府から安倍に依頼したものだったと17日の朝日新聞が報じた。
「日本政府関係者によると、昨年6月の史上初の米朝首脳会談後、米側から『推薦してほしい』と(非公式に)打診を受けた」と、記事は言う。
「知ってるだろう?(米朝首脳会談の前は)日本の上空をロケットやミサイルが飛び交っていたことを」とトランプは言った。「それが突如として、日本は安心できるようになった。私のお陰だ」。2009年にノーベル平和賞を受賞したバラク・オバマ前米大統領には「成し遂げられなかったことだ」と述べた。
「ノーベル委員会はオバマに平和賞を与えた。オバマはホワイトハウスに来たばかりでなせ自分がノーベル賞をもらえるのか、自問自答したはずだ」。
オバマは2009年、大統領就任からわずか9カ月でノーベル平和賞を受賞。「まだ何も成し遂げていないのに」と一部から批判を浴びた。
日本にとって本当に必要なのはミサイル実験や核実験が一時的に止むことではなく、北朝鮮の核がなくなることだ。その点トランプは、米朝首脳会談で約束した通り、北朝鮮は非核化に向けた取り組みを進めており、緊張は大幅に緩和されたと繰り返し強調してきた。
だが米情報機関は、北朝鮮が核兵器を完全に放棄する可能性は低いと警告する。
ダン・コーツ米国家情報長官は1月29日、上院情報特別委員会の公聴会で次のように証言した。「われわれの現在の分析では、北朝鮮は今後も大量破壊兵器の能力維持を追求し、核兵器と製造能力を完全に放棄する可能性は低い。北朝鮮の指導者たちは(金正恩)体制存続には核兵器が不可欠と見ているからだ」
「完全な非核化とは矛盾する活動が見て取れる」
ノーベル平和賞の推薦は毎年2月が締め切りで、推薦の資格を持つのは過去の受賞者や各国の閣僚、国会議員、大学教授だ。そのなかで最も推薦してくれそうなのが安倍だった、ということか。
======================================
トランプ大統領が平和賞にふさわしい候補者か否かは過去の次の平和賞受賞者一覧を見れば分かります。
(https://ja.wikipedia.org/wiki/ノーベル賞受賞者の一覧#ノーベル平和賞 )
1989年 - ダライ・ラマ14世
1990年 - ミハエル・ゴルバチョフ
1991年 - アウンサンスーチー
1992年 - リゴベルタ・メンチュウ
1993年 - ネルソン・マンデラ、フレデリック・デクラーク
1994年 - ヤーセル・アラファート、 シモン・ペレス、イツハク・ラビン
1995年 - パグウォッシュ会議、 ジョセフ・ロートブラット
1996年 - カルロス・ベロ、ホセ・ラモス=ホルタ
1997年 - 地雷禁止国際キャンペーン(代表として ジョディ・ウィリアムズ)
1998年 - ジョン・ヒューム、デヴィッド・トリンブル
1999年 - 国境なき医師団
2000年 - 金大中
2001年 - 国際連合、 コフィー・アナン
2002年 - ジミー・カーター
2003年 - シーリーン・エバーディー
2004年 - ワンガリ・マータイ
2005年 - 国際原子力機関、 ムハンマド・エルバラダイ
2006年 - ムハマド・ユヌス、グラミン銀行
2007年 - アル・ゴア、 気候変動に関する政府間パネル
2008年 - マルティ・アハティサーリ
2009年 - バラク・オバマ
2010年 - 劉暁波
2011年 - エレン・サーリーフ、レイマ・ボウィ、 タワックル・カルマン
2012年 - 欧州連合
2013年 - 化学兵器禁止機関
2014年 - マララ・ユサフザイ、 カイラシュ・サティーアーティ
2015年 - チュニジア国民対話カルテット
2016年 - フアン・マヌエル・サントス
2017年 - 核兵器廃絶国際キャンペーン
2018年 - デニス・ムクウェゲ、 ナーディーヤ・ムラード
安倍総理や政府関係者ははたしてこの一覧表を見ているのでしょうか?
困ったものです。
それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。後藤和弘(藤山杜人)
今日の挿し絵代わりの写真は先週裏高尾で撮った梅の花です。
そのような受賞者を思い出してみると次のようになります。
ダライ・ラマ14世、 アウンサンスーチー、ネルソン・マンデラ、 国境なき医師団、国際連合 コフィー・アナン、劉暁波、マララ・ユサフザイ、 核兵器廃絶国際キャンペーンなどなどです。
その一方、私は不思議に思いますが権力者自身も貰っています。佐藤栄作、金大中、ゴルバチェフ、ジミー・カーター、オバマ大統領、などです。
そして今回はトランプ大統領を安倍総理がノーベル平和賞に推薦したのです。
この推薦を私は何か恥ずかしい気分で受け取りました。
日本の総理大臣がそこまでしてトランプ大統領にゴマを磨る必要があるのでしょうか?
その上トランプ大統領は人種差別者です。メキシコとの国境に壁を建てています。難民を拒絶しています。
多くの国際協定から脱退してアメリカ第一主義を力づくで押し進めています。
北朝鮮を軟化させて韓国と日本へ平和をもたらしたのは事実です。しかしその手法は北朝鮮を軍事的に脅迫したのです。北朝鮮の沖に航空母艦打撃群を何度も派遣して、「鼻血作戦」で北朝鮮を空爆すると言って脅迫したのです。
北朝鮮はこの軍事的脅迫に屈服したのです。
トランプ大統領が平和的交渉で北朝鮮の心を開き韓国や日本の友好国にしたのではありません。
私はトランプ大統領が平和賞にふさわしい候補者だとは考えません。
しかるに安倍総理は恥も外聞も無く推薦したのです。
その経緯は次の報道に説明してあります。
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newsweek、「トランプ大統領にノーベル平和賞を」──米政府の要請で安倍が推薦?」
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2019/02/post-11717.php
2019年2月18日(月)
2人の仲だから、ノーベル平和賞に推薦することぐらいは朝飯前?
<北朝鮮の非核化も進んでいないのに、日本の安倍首相が推薦してくれたと自画自賛>
ドナルド・トランプ米大統領が2月15日、北朝鮮との緊張緩和を理由に「安倍晋三首相からノーベル平和賞に推薦された」と、ホワイトハウスの報道陣に明かした件は、実は米政府から安倍に依頼したものだったと17日の朝日新聞が報じた。
「日本政府関係者によると、昨年6月の史上初の米朝首脳会談後、米側から『推薦してほしい』と(非公式に)打診を受けた」と、記事は言う。
「知ってるだろう?(米朝首脳会談の前は)日本の上空をロケットやミサイルが飛び交っていたことを」とトランプは言った。「それが突如として、日本は安心できるようになった。私のお陰だ」。2009年にノーベル平和賞を受賞したバラク・オバマ前米大統領には「成し遂げられなかったことだ」と述べた。
「ノーベル委員会はオバマに平和賞を与えた。オバマはホワイトハウスに来たばかりでなせ自分がノーベル賞をもらえるのか、自問自答したはずだ」。
オバマは2009年、大統領就任からわずか9カ月でノーベル平和賞を受賞。「まだ何も成し遂げていないのに」と一部から批判を浴びた。
日本にとって本当に必要なのはミサイル実験や核実験が一時的に止むことではなく、北朝鮮の核がなくなることだ。その点トランプは、米朝首脳会談で約束した通り、北朝鮮は非核化に向けた取り組みを進めており、緊張は大幅に緩和されたと繰り返し強調してきた。
だが米情報機関は、北朝鮮が核兵器を完全に放棄する可能性は低いと警告する。
ダン・コーツ米国家情報長官は1月29日、上院情報特別委員会の公聴会で次のように証言した。「われわれの現在の分析では、北朝鮮は今後も大量破壊兵器の能力維持を追求し、核兵器と製造能力を完全に放棄する可能性は低い。北朝鮮の指導者たちは(金正恩)体制存続には核兵器が不可欠と見ているからだ」
「完全な非核化とは矛盾する活動が見て取れる」
ノーベル平和賞の推薦は毎年2月が締め切りで、推薦の資格を持つのは過去の受賞者や各国の閣僚、国会議員、大学教授だ。そのなかで最も推薦してくれそうなのが安倍だった、ということか。
======================================
トランプ大統領が平和賞にふさわしい候補者か否かは過去の次の平和賞受賞者一覧を見れば分かります。
(https://ja.wikipedia.org/wiki/ノーベル賞受賞者の一覧#ノーベル平和賞 )
1989年 - ダライ・ラマ14世
1990年 - ミハエル・ゴルバチョフ
1991年 - アウンサンスーチー
1992年 - リゴベルタ・メンチュウ
1993年 - ネルソン・マンデラ、フレデリック・デクラーク
1994年 - ヤーセル・アラファート、 シモン・ペレス、イツハク・ラビン
1995年 - パグウォッシュ会議、 ジョセフ・ロートブラット
1996年 - カルロス・ベロ、ホセ・ラモス=ホルタ
1997年 - 地雷禁止国際キャンペーン(代表として ジョディ・ウィリアムズ)
1998年 - ジョン・ヒューム、デヴィッド・トリンブル
1999年 - 国境なき医師団
2000年 - 金大中
2001年 - 国際連合、 コフィー・アナン
2002年 - ジミー・カーター
2003年 - シーリーン・エバーディー
2004年 - ワンガリ・マータイ
2005年 - 国際原子力機関、 ムハンマド・エルバラダイ
2006年 - ムハマド・ユヌス、グラミン銀行
2007年 - アル・ゴア、 気候変動に関する政府間パネル
2008年 - マルティ・アハティサーリ
2009年 - バラク・オバマ
2010年 - 劉暁波
2011年 - エレン・サーリーフ、レイマ・ボウィ、 タワックル・カルマン
2012年 - 欧州連合
2013年 - 化学兵器禁止機関
2014年 - マララ・ユサフザイ、 カイラシュ・サティーアーティ
2015年 - チュニジア国民対話カルテット
2016年 - フアン・マヌエル・サントス
2017年 - 核兵器廃絶国際キャンペーン
2018年 - デニス・ムクウェゲ、 ナーディーヤ・ムラード
安倍総理や政府関係者ははたしてこの一覧表を見ているのでしょうか?
困ったものです。
それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。後藤和弘(藤山杜人)
今日の挿し絵代わりの写真は先週裏高尾で撮った梅の花です。