桜狩とは山野に桜の花を求めて遊び歩くことです。花見と同じようですが古い優雅な言葉です。
現在の東京では手近で山野はなくり奥多摩地方に行かねばなりません。
しかし桜木はは近所に沢山あり毎日あちこちに花見に出歩いています。小金井公園の桜や国立市の桜並木などです。近所を流れている野川の桜も華麗です。
これらの桜を見ながら次の古今和歌集の和歌を静かに唱えるのです。
またや見む 交野(かたの)のみ野の 桜狩り 花の雪散る 春のあけぼの
(藤原俊成)
静かに唱えると途端に近所に花見が優雅な「桜狩」になるのです。毎年の春に行う私の小さな魔法です。
この歌の意味は次の通りです。
また見ることがあるだろうか、いや、ないだろう。交野のみ野での花見で、桜の花が雪のように舞い散る、この春のあけぼののすばらしい景色を。
交野とは大阪府と奈良県の県境にある野原です。東側と南側が山に囲まれる地形で天野川が流れています。
“かたの”の歴史は旧石器時代までさかのぼり、弘法大師の降星伝説や徳川家康にまつわる伝承などが残っているそうです。
昨日撮った野川の写真を何枚かお送りいたします。
「またや見む 交野のみ野の 桜狩り 花の雪散る 春のあけぼの」と唱えながら撮った写真です。妻と桜狩に行った気分になった老境の静かな日でした。
それはそれとして、今日も皆様の平和とご健康をお祈りいたします。後藤和弘(藤山杜人)