575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

生きにくい世の中     遅足

2010年12月01日 | Weblog
たすけて枝毛姉さんたすけて西川毛布のタグたすけて夜中のなで回す顔 飯田有子

生きにくい現代。
そんな世の中で必死にコミュニケーションを求める。

穂村弘さんは、「短歌の友人」のなかで、
最近の短歌には、こうした歌が多いと書いています。

  ティーが通じない私はただティーが飲みたいのですティーがワンティーが  平山洵子

何回もティー、ティーと繰り返す。切羽詰った息遣いが伝わってきます。
575777のリズムは、どこにも感じられません。

               

今朝の中部の文芸欄。俳句です。加藤かな文さんが紹介している句。

  雪の声する紬に袖を通しけり   鈴木世記

すばらしい句です。
しかし世界は予定調和のように安定しています。

俳句は、現代のような、生きにくい世界を詠んでいるんでしょうか?
伝統的な世界に安住しているようにも感じられます。
575という定型が、そういう心情を容れるためには、
短いすぎるのかも・・・

  咳をしてもひとり  尾崎放哉

自由律の口語俳句は、いま、どうなっているんでしょうね?

コメント
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