575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

蝶のどこに  鳥野

2010年12月14日 | Weblog
12月14日、きょうの中日新聞朝刊に「太平洋1700キロの旅をしたアサギマダラ」の記事が出ていました。
高知県の秋葉山近くで、10月中旬にマーキングした蝶が、台湾の島で発見されたというものです。

以前には、鹿児島県の種子島で放たれたものが、福島県や三重県に到達しています。

最近はまた、尖端の遺伝子研究で、古代のコムラサキの分布が実証されました。ユーラシア大陸からベーリング海峡を、北アメリカ大陸へ渡ったというものです。

あの繊細で、可憐な蝶のどこに、エネルギーが潜んでいるのか。

限られた食草と、僅かな露と蜜を吸って、卵から幼虫、蛹、成虫と完全変態し、宝石と見紛うばかりの美しい姿を見せてくれる蝶。

中には成虫のままで、越冬する固体もあって、俳句の季語の「凍蝶」は儚なく寂しい。

  ・ 場を違え廊下の隅に果てし蝶 その透明に花を置きやる

                        鳥野
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12月句会の最終投句です。   遅足

2010年12月14日 | Weblog
投句が一人分洩れていました。申し訳ありません。
各13句となりました。


兼題「セーター」

①セーターの愛しい胸に陽を埋め
②老いの身にセーターバチバチゲキとばす
③御下がりのセーター痩せし編み目かな
④セーターの草の実一日(ヒトヒ)陽ざし垂る
⑤坊さまのセーター姿垣間見し
⑥起き抜けのセーターの首後ろ前
⑦セーターに満天の星隠し持つ
⑧男物セーターベンチにそぼ濡れて
⑨セーターで行けない所行かぬ主義
⑩セーターの箱をかかえてイヴの道
⑪浮き上がるごとセーターに顔を出し
⑫愛用のカシミアセーター虫の穴
⑬来年ねセーター伸ばす母の顔

 
自由題
 
①日記買う勝手に決めしあと十年
②過ぎし日の文捨てがたく師走かな
③ビルの壁横切るつもり蔦紅葉
④戸口より木枯しの道戸口まで
⑤隙間風鉛筆の芯折れしまま
⑥ブナ林のまろき時間や冬支度
⑦スーツ着た娘がひとりひなたぼこ
⑧邪鬼の眼のほころびてゆく冬陽かな
⑨潜り門花柊の顔打つ香
⑩冬晴れのリビングで詩を声に出す
⑪寒月や B S 2 のブラームス
⑫午(ひる)過ぎてからすぐ冬の大落暉
⑬悪夢覚め妻の手さがす毛布かな

以上です。よろしくお願いします。
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