575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

夏めいて もひとつはずすシャツの胸   郁子

2011年06月02日 | Weblog
はずすのは釦。
でもシャツの胸をはずす、と言われると・・・
しかも「も」ひとつです。

どんな釦を選ぶのかは、おしゃれのポイントのひとつ。
この句の場合は、どんな釦なのでしょう?
古くから愛されてきた、白蝶貝などを使った
貝釦(ぼたん)でしょうか。

ボタンはポルトガル語。
漢字の釦の文字は、明治から。
服の口にボタンを入れて、紐の代用にする意味から
「紐釦」と書き、ボタンと読ませることにしたそうです。

万葉の昔、愛しあった男女は、別れる時には
服の紐を結び合って、次の逢う時まで解くべきではない
という習俗があったとか。
紐釦と書くのも無理はないですね。    遅足



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桃子先生   麗

2011年06月02日 | Weblog
最近私の心を揺さぶった本は3年前に102歳で亡くなった石井桃子さんが
書かれた「ノンちゃん雲に乗る」。
福音館書店発行のブルーの装丁は美しく何度も読み返したくなる一冊です。

戦後まもなく書かれたこの作品は、今読んでもとても新鮮で瑞々しく児童文学の域にとどまらぬ深い内容。今こそ大人が読むべき一冊と思えました。

「くまのプーさん」などの翻訳家として有名な石井さんですが
子供たちに本を読む楽しみをということで
自宅の一室に「かつら文庫」を創設されました。
そこによく阿川佐和子さんも通っていたとのこと。
「子供たちと一緒に本を読んで人生と日本語の勉強をしたい」という思いがあったそうです。
亡くなってもその暖かい気持ちはどこかに残ります。
今雲の上におられる桃子先生はどんな風に
この世を見ていらっしゃるでしょうか?
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