575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

黒南風がザラッと首すじ撫でて行く   能登

2011年06月29日 | Weblog
人間の体で、案外感じやすいのが首すじ。
幽霊などが現れる前に、ひんやりとした風が首筋に・・・
というのが、怪談の定番でしたね。
この句も、黒南風の不気味な感じを首すじで捉えたもの。

首は「頭」を意味する漢字。
首すじの首を意味する漢字は「頸」。
では、なぜ、「頸」に「首」の文字を使うのでしょう?
一説には、 もともと日本語「くび」は「頸」を指す語だったが、
頸を斬って頭を落とす、斬首の風習があったことから、
やがて頭も「くび」と呼ぶようになったとか。

今も解雇されるのを、首を切られる、というのは、
その名残でしょうか。
どうも、首すじ、という言葉には、あまり良いイメージはないようですね。
うなじ、という言葉には、逆に美しいイメージがあり、
使い分けてきたのかも知れません。

同じ作者の句。

  白い手が死を呼ぶ茅花流しかな

茅花流し、は、茅花の真っ白なわたが風に揺れる様子のこと。
この頃吹く風、あるいは、雨のことだそうです。
黒南風と同じ頃に吹く風ですが、こちらの方が美しいイメージ。
しかし作者は、こちらにも死の予感を感じています。

                       遅足


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

生ゴミを捨てに行き蚊に刺されたり    朱露

2011年06月29日 | Weblog
   生ゴミであるが故に重いので私の担当。
   生ゴミを運んで半世紀も経ってしまう。
   我が人生は生ゴミを運ぶ為にあるのか。
   最近見ない「蚊」の為にこの句を作る。

             


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする