575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

小鳥来る過疎の山里賑はひぬ   佐保子

2016年11月21日 | Weblog
下五の「賑はひぬ」は、渡り鳥で賑やかになったと読みました。
立雄さんは、野鳥観察の人達もやってきて、
過疎の村は鳥と人間でにぎわったと。こちらの方が素敵ですね。

山里によく似た言葉に里山があります。
里山は昭和の高度経済成長期に生まれた言葉です。
一方、山里は・・・

 山里は冬ぞ寂しさまさりける 人目も草もかれぬと思へば

百人一首にも出てきます。

また、過疎と言う言葉もそんなに古くはありません。
島根県の町長さんが使ったが始まりだそうです。
昭和40年代のことでした。

この句の場合は、過疎ですから、まだ人が住んでいる山里ですね。
訪れる人も少ない山里に季節を忘れず、小鳥たちが渡ってきました。

過疎化がさらに進んだ現在では限界集落と呼ばれています。
限界集落は超限界集落へ、そして消滅集落へ。
人間が消えて自然が復活。鹿や熊の増えています。

歳時記を調べたら「坂鳥」という季語がありました。
渡りをするツグミなどの大群が尾根を越えてゆくことを表すそうです。
福井県の方では、まだ坂鳥が見られるとか。

                        遅足
コメント
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