575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

林檎剥く色変わる間の記憶かな   すみ

2016年11月06日 | Weblog
認知症の義母さん。林檎を剥いてあげながら世間話を。
おや?さっき話していたことを、また繰返しているのでは?
記憶の続く時間がとても短いことに気付きました。
昔のことは忘れないのに、さっきのコトは覚えていないのです。
小さな悲しい驚きです。

この句、お母さんのことと分かると良いと思い・・・

  林檎剥く母の記憶の色錆びる

としてみましたが、言葉に無理を強いているようです。
はやり最初の句が良いと思います。

          

歌人の小島ゆかりさんも同じことを詠っています。

  10分も記憶つづかぬ姑(はは)の日々 泥の日向のやうに明るし

泥の日向のやうに明るし、と温かく受け止めています。  遅足
コメント
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