575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

夕空にでっかいV字鳥渡る   麗子

2016年11月28日 | Weblog
最近見た鳥の群れ。空いっぱいのV字編隊だったそうです。
渡り鳥だったのでしょうね。

「に」は、場所を示す助詞としてよく使われます。
その後にくる言葉は静止した状態を意味し、
動的な場合は「で」が使われる、と辞書にあります。
したがって「でっかいV字」は静止画として読まれます。

推敲の一つの方法として助詞を入れ替えてみる方法もあります。
「を」あるいは「の」のすると、どうなる意味が変わるのでしょうか?

  夕空のでっかいV字鳥渡る

夕空にでっかいV字、とほぼ同じ。より静止画に近い感じがします。

  夕空をでっかいV字鳥渡る

でっかいV字が夕空を〇〇〇という構文になり、
読者は自然に、この〇〇〇を動詞として連想します。
そして「渡る」という言葉に自然に繋げて読むことになります。

            

名古屋市内の空でV字形の雁を見たのは小学校のころ。
それは西から東へ飛んでいきました。
鳥帰る頃だったのでしょうか。それ以後、見たことはありません。
時々、一列になって飛ぶ川鵜はみますが。
                       (遅足)
コメント
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