575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

「地上マンダラ」審査員賞受賞 余話  竹中敬一

2016年11月18日 | Weblog
今年の秋、静岡市で開かれた第50回 日本てんかん学会学術集会に合わせて、
「てんかんをめぐるアート展」が開かれました。
息子のかかりつけ医からこのアート展への出品を薦められ、詳細も知らずに
30号の油絵を事務局へ送っておきました。

事務局から連絡があり、息子の作品は審査員賞10名の中に入ったので、
出来れば受賞式に出席して欲しいとのことです。
国内の患者の皆さんの絵だけかと思ったら、国の内外から一般公募。
そのうち152点が入選。その中から選ばれたわけですから、
息子を車に乗せて静岡へ行こうと思い、このことを息子に告げると、
喜んでくれると思いきや、反応はあまりよくありません。

その日は色々、やらなくてはいけないことだが、いっぱいあって、
などと難ぐせを付けていましたが、なんとか説得して日帰りで受賞式に出席。
表彰状を受け取り、カメラのフラッシュにも、一瞬、ニコッとしたくらいでした。

今年46歳になる息子は生後まもなく、種痘後脳炎による高熱の後遺症で
難治性てんかんと診断され、知的障害もあります。
油絵は東京の文化学院に通っていた頃から続いています。
今も毎週一回、かかりつけの病院の作業療法に通って描いているのですが、
私は息子の助手で、三脚を立てたり、絵の具を並べたりの下準備は結構、
高齢の身にはこたえます。息子はそんなことには無頓着で、
今も油絵を気ままに描いています。

           

写真は受賞した「地上マンダラ」です。(油絵・75x95cm)
作者は、竹中 健さん。絵は、こんな説明がついています。

この作品は、近くの病院の作業療法に通っている時に描いたものです。
不思議と絵を描いている時は発作は起きません。
どの作品にも、決まって虹と観音様、お地蔵さんが出てきます。

注・種痘後脳炎とは、種痘の副作用によって起きる脳炎のことで
高熱を伴い、重度の後遺症が残る場合もあります。

コメント
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