575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

鳥渡る残照海にちりばめて   亜子

2016年11月20日 | Weblog
海岸で鳥の渡りを見ていました。
やがて夕陽も沈み、海にはきらきらと輝く残照。
宝石を散りばめた美しさです。
立雄さんは鳥に夕日が射して輝いていると、読んだそうです。
これも良い読みだと思います。

残照は、日が沈んだ後も、なお照り残っている入日の光。
比喩的に、過ぎ去ったものごとの影響としてなお残っているもの、
と辞書にあります。

日の光とともに、飛び去った渡り鳥の姿も浮かんでくるようです。
鳥は西へ渡って行ったものと考えられます。
この時期、南へ渡る鳥にサシバがあり、「鷹渡る」という季語もあります。
しかし鷹渡る、ではこの句の美しさが失われてしまう恐れもあります。
どんな鳥かは読者にまかせておくのが一番よいのでしょうね。

                       遅足

コメント
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