575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

鳥渡る句会    麗

2016年11月17日 | Weblog
小春日和の昨日、空は青く、芸文の屋外庭園の紅葉も色づいて美しい一日でした。
鳥たちもこんな穏やかな日なら渡りも楽であろうと。
鳥たちはどこから来てどこへ行くのか、いろんな風景の中、句会場にさまざまな鳥が出現しました。
では、一言講評です。


1,またしても原発再稼働のニュース。そんなことも知らずに鳥たちは汚染されたこの国を健気に訪れます。
2,夕映えの中、キラキラと光る鳥の残像。愛知県の伊良湖や島根県の宍道湖を思い出して作られた美しい句。
3,人より小鳥の方が多い山里。過疎はますます進みます。
4,「搏(う)つ」は羽ばたくという意味があるそうです。鳥たちの求愛の行動に一歩踏み込んだ句。
5,次々新しい高層ビルが立ちます。鳥の目から見た句かも?
6,「老いた背」はどなたでしょうか?伴侶?あるいは親?淋しくなった庭に小鳥が訪れる、穏やかな一日。
7,大きなV字を描いて大空を渡っていく鳥たちにびっくりぽん!小牧の田園にて。
8、ラムサール条約で保全された藤前干潟。多くの野鳥が訪れてさぞかし姦しいことでしょう。
9,重機という人工的なものと渡り鳥という自然の対比。
10,三日月と鳥がお互いをたたえ合うかのよう。情景が美しい。日本画のようです。ここで「雁風呂」の話がでました!(雁は海上で羽を休めるために木片をくわえて渡るそうです。春にその木片をくわえてまた北へ還るらしい。浜辺に残った木片は死んだ雁のもの。その木片を集めて供養のために風呂を沸かし振る舞ったという津軽の風習。すごいお風呂ですね!!)
11,山門の扁額から仰ぎ見た空。近景から遠景へ視点が移ります。
12,「天橋立」に鳥が渡ってくる。天に橋をかけるよような鳥たち。「夕暮れ」を擬態語にしたら?というアドバイスあり。
13,長い旅を終えた渡り鳥の羽の汚れ。鳥たちへの慈しみの心が出ています。

眠りながら飛ぶ鳥もいるとか。昼夜を問わず飛ぶのでしょうか?
最も進化した動物であると思われる鳥類。目的を持って進む彼らの旅はきっと苦しいものでしょうが、あの小さな体で海を越える力はすばらしいですね。
来年も鳥たちが日本に来てくれますよに。
来月は今年最後の忘年句会。お題は「年用意」ですぞ!!
コメント
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