575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

文月や龍太の風の吹く日かな  静荷  

2017年07月25日 | Weblog

  文月や六日も常の夜には似ず

七夕の前夜を詠んだ芭蕉の句です。
文月は旧暦七月のこと。ふづき、ふみづき、と読みます。

龍太とは飯田龍太のこと。山梨県出身の俳人。
俳人・飯田蛇笏の四男で、父の俳誌「雲母」を継ぎました。
自然豊かな甲斐の風土を讃えた句を詠んでいます。

  水澄みて四方(よも)に関ある甲斐の国

四方を山に囲まれた甲斐の国。水の澄んだ美しい国。
国という古語が句に深みを与えています。

私の好きな句は、

  かたつむり甲斐も信濃も雨の中

龍太の風、とはこの句の風ではないでしょうか?

  どの子にも涼しく風の吹く日かな

有名な句を踏まえた作。
忌日を季語にしてしまう俳句ならではの句。
でも、ちょっとズルイな。   
                遅足
 
コメント
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