文月や六日も常の夜には似ず
七夕の前夜を詠んだ芭蕉の句です。
文月は旧暦七月のこと。ふづき、ふみづき、と読みます。
龍太とは飯田龍太のこと。山梨県出身の俳人。
俳人・飯田蛇笏の四男で、父の俳誌「雲母」を継ぎました。
自然豊かな甲斐の風土を讃えた句を詠んでいます。
水澄みて四方(よも)に関ある甲斐の国
四方を山に囲まれた甲斐の国。水の澄んだ美しい国。
国という古語が句に深みを与えています。
私の好きな句は、
かたつむり甲斐も信濃も雨の中
龍太の風、とはこの句の風ではないでしょうか?
どの子にも涼しく風の吹く日かな
有名な句を踏まえた作。
忌日を季語にしてしまう俳句ならではの句。
でも、ちょっとズルイな。
遅足