575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

斎宮や二上に夫(セ)か夏木立   結宇

2017年07月04日 | Weblog
「夫」は「セ」とも読み、女性が、夫、兄弟、恋人など
自分の親しい男性をさして呼んだ言葉です。

この句の「夫」は、天武天皇の子・大津皇子をさしています。
皇子は文武に秀でた人物でしたが、皇位継承争いの中、
謀反の疑いで死罪になってしまいます。
自分の運命を知った皇子。伊勢に斎王(姉・大来皇女)を訪問。
これが姉弟の今生の別れとなりました。

大来皇女は、弟が罪を犯したことから斎王の任を解かれ都に。
皇子は二上山に葬られ、山頂付近には皇子の墓があります。

  うつそみの人なる我や明日よりは二上山を弟と我が見む

弟を偲んで姉の詠んだ歌です。

作者は最近、伊勢の斎宮跡に行ったそうです。
以前は田畑だった斎宮跡。奈良の宮の跡のように整備されていました。
その一角に、大来皇女の歌碑がありました。
二上山に向けて建てられていたそうです。   遅足



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