575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

露句会  麗

2010年10月21日 | Weblog
十三夜の夜。
欠席の方が多くちょっぴり淋しい句会となりました
病気の話・怪我の話どうしても健康の話題が多くなる今日この頃ですが
今月のお題は「露」。
はかなくも消えゆく露。いろんな露が披露されました。

折りしも名古屋ではCOP10が開かれており、木曽三川の「絶滅危惧種」を
詠み込んだ静荷さんの

「露の玉木曽三川に絶滅種」がトップ賞になりました。
この絶滅危惧種は「イタセンパラ」と魚だそうです。
いろいろと勉強になる575の会です。


どうしても欠席者が多いとあれこれ詮索の対象になります。

自由題の

★破蓮はニルスのアポロ宇宙船

この「ニルス」は科学者か、あるいは冒険少年か?

★草紅葉詫びのメールを送りけり

誰へのどんな内容のメールなのか?
お姑さんへのご無沙汰メールという勝手な理解が主流でした(笑)

★鶏頭や心音乱れある見立て
この鶏頭は植物か、動物か?おそらくケイトウの花でしょうが、もしかしたら鶏かも??


ところで「眼聴耳視」という言葉をご存じですか?
目で聞き、耳で見て、初めて真実がわかるという意味で使われているそうです。
詩はそういう感覚から生まれるそうです。
この言葉を私は先日の毎日新聞夕刊(10月15日分)の「しあわせのトンボ」という近藤勝重編集長のコラムで知りました。(これまでのコラムをまとめた本も出ているようです)

花を見て花の笑い声を聴く。ラジオの野球中継を聞いて頭の中で球場の様子を見る。
「視」や「聴」が「嗅」や「触」と深くつながっている感覚を大切にすると
ますます俳句の世界が広がりそうです。
私の「挨拶はキンモクセイの曲がり角」という俳句は近藤編集長のコラムを575にしてみたものです。

情報過多の時代。五感を駆使してまた来月に挑みましょう。いつもいる人がいないと淋しい。
やっぱりみんな元気に会えるといいな。

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秋天の母なき家にあがりける   遅足

2010年10月20日 | Weblog
船団・星野ドクターの診断です。
母の亡くなった後、しばらくして(法事の為に)実家に帰られたのでしょう。
実家の人たちは温かく迎えて下さったのだと思いますが、
遠慮無く上がり込んでくつろげたのも母あればこそ。
母が居なければ、そこはたとえ兄弟姉妹とはいえ他人夫婦の家です。
お接待にも遠慮の気持ちが生まれますね。
母亡き後の秋天の高さが心にしみると思いました。

    ありがとうございます。


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そぞろ寒それは何かと見回しぬ   朱露

2010年10月20日 | Weblog

   「そぞろ寒」は深まる秋の寒さを言う。
   見回しても別に「そぞろ寒」くもない。
   七十六才を生きる私が「そぞろ寒」か。
   矢でも鉄砲でも持って来いと薄ら笑う。

            


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葛は優等生  鳥野

2010年10月19日 | Weblog
朝夕の気温が下がり始め、ようやく秋も本格的か。
久しぶりの涼風に、ふと「秋の七草」を思い出しました。

七草粥の材料が店先に並ぶ「春の七草」に比べ、風情だけの秋。どうも印象は薄いようです。

その中で、食用にも薬用にも優等生なのは「葛」。

その根の澱粉は本葛として、精進料理や葛切り、葛湯などに珍重されています。

根を煎じた葛根湯は、風邪の特効薬。血行をよくし、発汗、解熱に定評があります。

秋の七草は、万葉の時代から、その風流を愛されて

 ・ 秋の野に咲きたる花をお指おりかき数うれば七草の花

と詠ったのは山上憶良。

 ・ 真葛原なびく秋風吹くごとに阿太の大野の萩の花散る
                   (巻10・2096)
の秀歌も見えます。
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鰯あれば酒飯によし寝るばかり    朱露

2010年10月18日 | Weblog

      「低廉で美味大事な大衆魚」と歳時記。
      鰯、鯵、鯖、鰹、鰤の順に世話になる。
      戦後の真鶴の漁師を忘れてはいけない。
      「私ガ今日アルノハ」とそればっかり。 


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10月句会の投句が集まりました。   遅足

2010年10月18日 | Weblog
題詠は「露」、いろいろな露の景が出揃いました。
自由題も良い句が・・・
どの句が風を受けるのか? 楽しみです。  

      


題詠「露」

①白露の滑り落ちたる跡はなし
②年回の生家の庭に玉の露
③露の玉木曽三川に絶滅種
④馬つなぐ石のひびわれ露けしや
⑤露の玉濡らして朝がやってくる
⑥物干しに消えては宿る玉の露
⑦朝露を含む高原野菜かな
⑧抜きおきし草にも光る露の玉
⑨露降(オ)りて子方の獅子の稽古舞
⑩痩せ猫の露の茂みを抜けにけり
⑪ひびきあいうちふるえるや露の鈴
⑫夢の恋結ばれぬ朝露と消え
⑬露の径帰りを急ぐ下駄の音


自由題
 
①脚欠けし鈴虫二匹放しけり
②満ち足りて栗むく窓に入日さす
③破蓮はニルスのアポロ宇宙船
④彼岸花野辺荘厳(ショウゴン)と道祖神
⑤朝寒や「パーマ屋ゆんた」口ずさむ
⑥草紅葉詫びのメールを送りけり
⑦挨拶はキンモクセイの曲がり角
⑧鶏頭や心音乱れある見立て
⑨慎ましくポツリと言って木の実落つ
⑩つかのまの満月みせて雲早し
⑪門古りて金木犀の盛りなる
⑫コスモスの戦ぎて恃むところなし
⑬爪切りを妻に委ねり花木槿

        
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蜘蛛の糸       愚足

2010年10月18日 | Weblog
  我が家の庭は手入れもせずにほかってあるので草樹伸び放題の庭である。

  だから、訳のわからぬ虫どもの天国になっている。中でも殊の外活発でわがもの顔なのが

 小虫を餌にする蜘蛛の連中である。

  困るのは蜘蛛の巣である。朝夕の新聞取りにも小枝を片手に出かけるありさま。

  しかし、そんな蜘蛛の巣にも意外な素晴らしさを発見した。


  この時期の蜘蛛の巣は、網が緻密で粘り気が有り、手本といえるような造形の巣が張られている。
  
  この日、まぶしいほどの秋の日差しが庭に差し込んでいたのだが、何とあちこちに張られている

 蜘蛛の網が日差しを反射して金色の網に変身しているではないか。

  おもわず見とれて近づいていくと、女主人の蜘蛛殿から八方に縦網が輝き、それを繋いで何角形かの

 横網が緻密に重なり広がって輝いている。

  日輪である。 秋の光を一杯にすい込んで幾重にも広がる小さな日輪が、お日様と対峙している。

  むさくるしい我が庭も此の時は極楽のようであった。

  
     蜘蛛の巣の日輪となる秋野かな  
  

 
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熱燗と時雨蛤季語でなし    朱露

2010年10月18日 | Weblog

   両者とも冬だと思い込んでいました。
   しかし己の実態を見れば間違いです。
   塩辛・干物・時雨煮が三点セットだ。
   思えば血圧を上げる為の人生だった。

           

          

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そぞろ寒遠い日帰り出渋りぬ     朱露

2010年10月17日 | Weblog
   
        起き抜けに血圧を計ると上が190。
        この血圧なら文句なく休みだと凄む。
        食後計ると上142下76に下がる。
        出かけない理由がなくなった淋しさ。

                  

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おこられて今夜はにんにくのかたち   五島高資

2010年10月17日 | Weblog
作者は昭和43年生まれ。
にんにく、は季語かな?
季語でなくても面白い。

にんにく、じゃないとこの句は面白くない。
大根や人参ではダメ。

ニンニクそのもののかたち、
さらにニンニクという音が、
怒られて、ソッポを向いている。

子どものころは叱られて・・・
○○されて今夜は○○のかたち
このフレーズ、いろいろ変えて楽しめそう。


                遅足
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唐辛子この一本が今日の生    朱露

2010年10月16日 | Weblog
    陰干しの唐辛子を焙り味噌汁に少々。
    今朝の皮の焦がし方はどうかで悩む。
    種を数粒入れて激烈にするかどうか。
    仲間にピーマンが居るが彼は腑抜け。

            



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本あけて風の白さや秋桜  高柳克弘

2010年10月16日 | Weblog
コスモスのあざやかな色に本の白いページ。
そして白い風。白秋というように秋の色は白。

本、白い風という道具立ては古典的ですが、
爽やかさが伝わってきます。

高柳克弘さんの句集「未踏」の中の一句です。
作者は、昭和55年生まれ。

若い人ですが、ひらがなが好きなようで、
ひらがな愛好家の私としては
とても読みやすい句集でした。

  やわらかくわれを拒むや芒原

この句などもひらがなの表記が効果的です。

     

句を支えているのは巧みなレトリック。

  良夜なり長き小説ながく読む

長編小説を読むというだけのことなのに、
見事に俳句になっています。
気に入った句は、

  桐の花ねむれば届く高さとも

現代風俗を詠んだ句もありますが、一句だけでした。

  さみだれや擬音ひしめくコミックス

                  (遅足)




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山麓にくしゃみ轟く秋の朝    朱露

2010年10月15日 | Weblog

   晴れた早朝県道越しにくしゃみの音。
   車の往来を乗り越えるしたたか者だ。
   とメモするや否やたまらずくしゃみ。
   男を探すがくしゃみしないとダメだ。

      のち



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ヒガンバナ                 草女

2010年10月15日 | Weblog
今年のヒガンバナは例年より2~3週間遅れて咲いた。夏の暑さのせいではなく9月の高温に影響された。ヒガンバナのつぼみは5月中旬にでき、夏の暑さの中では成長しないで、秋の涼しい気温を感じると一気に成長がし、花を咲かせる。花は形といい、色といい抜きんでて美しい。最近同じ仲間で園芸種のネリネが「ダイアモンド・リリー」の名で人気を集め、ヒガンバナ球根も通信販売をされるようになった。50年前の日本では想像すらできない現象である。

今でこそ和名はヒガンバナに治まったが、異名が多く千を超えるという。「火事花・死人花・地獄花・幽霊花・剃刀花・狐花・捨て子花・はっかけばばあ・・・」等など殆どが忌み嫌われていることを現した名前である。個人的にはマンジュシャゲが
好き、これは天上に咲く赤い花を意味するそうだ。

 稲作が始まったころ中国から渡来した。全草有毒であるが、特に鱗茎にリコリンという強烈なアルカロイドを含む。その鱗茎に澱粉質が多いので飢饉に備えて人々が植えたと言われているが、実際に食べられたか分かっていない。この毒性を地中の小動物対策に使ったと考えられている。墓や畔や土手をモグラ、ネズミなどが掘らないように植えたのだ。

  ヒガンバナ科ヒガンバナ属の多年草。この草は花が咲くとき葉がない。通常の草ではあり得ない様子を人々は忌み嫌ったかもしれない。花が枯れたあと光沢のある肉厚の細い葉がたくさん出てきて翌春までしっかり光合成を行っ枯れる。異名に「葉見ず花見ず」というのもあり、この草の生活の様子を表現している。

 我が国のヒガンバナは実を結ぶことができない。3倍体の植物、つまり種なし西瓜と同じ仕組みである。花の後子房が膨らむが中に種子はない。ではどのようにして、こここまでー 北海道から沖縄まで分布を広げたか。1かけの鱗茎があれば2,3年後には1群のヒガンバナになっているという強さを利用して人々がせっせっと植えてた。

 だから、日本のヒガンバナは全てクローンなのだ。日本のどこに生育していても同じ遺伝子を持っている。同じぐらいの背の高さ、同じ地域ではほぼ一斉に花が咲くし、花の大きさや色もみんな同じという訳がここにある。

  だが、とても不思議なことがある。最近白いヒガンバナが植えられているのを見かける。これは黄色の花を咲かせるショウキゼイセン(ヒガンバナ科)と赤い花のヒガンバナを交雑させて作ったといわれている。3倍体なのに? 中国には2倍体のヒガンバナがあるという説もあるが・・・因みに白いヒガンバナの和名はシロバナマンジュシャゲという。ちょっと待って、マンジュシャゲは天上に咲く赤い花のはず、私なら素直にシロバナヒガンバナとするのに。

  
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全員救出   麗

2010年10月14日 | Weblog
チリ鉱山の落盤事故で地下700メートルに取り残された33人の坑夫。
今日無事全員救出されました。

猛暑で何もしたくないとき、チリの方のことを
思ってどこにでも出かけられる幸せを感じ自分に喝を入れました。

フェニックスのカプセルが全員を無事に運び出してくれました。
原始的な方法でハラハラしましたが何事もなくて本当によかった。
家族との抱擁シーンには思わず涙してしまいました。
今回思ったのは「待つ人のいる強さ」。
自分を地上で待ってくれる人がいる。それがきっとエネルギーになったと思います。
よかった。よかった。

      秋空に地上を目指すフェニックス   麗
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