ブナ林の中を歩いていれば、なぜかホッとして心身共に癒される様な気がします。
針葉樹林の様な寒々しい厳しさも無いし、照葉樹林の様なまとわりつく鬱陶しさも無い。
日本人の感性に合っている様な気がします。それとも私のご先祖様は縄文人かな?
実はまとまったブナ林が分布するのは、日本とヨーロッパ・アメリカ東部だけだそうです。
およそ3000万年前の第三紀の地球は温暖で、ほとんどが熱帯に含まれ温帯の森林は、
カナダの極北地域など北極を取り巻く僅かな地域に分布しているにすぎなかった。
それが現在のブナ林や亜寒帯針葉樹林に相当する。この植物群を「第三紀周北極植物群」と言う。
その後気候が寒冷化し、針葉樹林は現地に留まり亜寒帯林として分離した。
ブナ林は南下したが、太平洋・大西洋と中央アジア乾燥地帯に行く手を阻まれ
日本とヨーロッパ及びアメリカ東部の三箇所にのみ分布するようになった。
この内ヨーロッパとアメリカ東部のブナ林は、氷河の拡大に伴いかなり被害を受けたが、
日本列島は一部山岳氷河が発達しただけなので、ほぼ無傷で残った。
したがって日本のブナ林は貴重な存在なのだ。以上「山の自然学」小泉武栄の受け売り。
でも理屈抜きでやっぱしブナ林はいいなぁ。