人外花境

暇人の何でも自然観察日記

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コート盛と民俗方位

2007年04月17日 | 島旅:八重山諸島

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 波照間の港から集落へ向かう坂道を上って行くと、まず目に付くのがガイドブックなどでおなじみのコート盛 である。高さ4.0m、直径10.0mほどの、琉球石灰岩を野面積みした二層の渦巻き状となっている。○○盛とは、 「遠見台」兼「烽火台」であり、17世紀半ばに江戸幕府の命により八重山諸島全域に渡り作られた。目的は外 国船や大和の船の通行監視であり、波照間島内には他に数カ所有る。

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 コート盛の上には、標高43.9mの三角点が設置されている。上に登ってみれば、確かに西表島方向の海が 良く見える。此処からの情報は烽火によって、対岸の西表島南風見村烽火台⇒小浜島大岳経由⇒竹富島小 城盛⇒石垣島の蔵元(八重山諸島の中心となる役所)へ送られていたようです。

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 この写真は正面に火力発電所の風車が見えています。地図上の方位では、西から30°南方向を見ている ことになります。三角点石標の左下を見て下さい。<東>と書かれています。この位置は、視線方向から約 120°反時計回りの方位に当たります。そうしますと西から30°+120°=150°の方位ですから、地図上の東 から約30°南へずれた方位を<東>としています。これを「民俗方位」と言い、その地域の人達が日常的に用 いる方位をいいます。八重山地方では、冬は北東から、夏は南西からの季節風が吹きます。日常的には、この 方向を南北としているため、このような方位のずれが生じているのです。

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 波照間島の野草でまず目に付いたのがこの「ショウジョウソウ(猩々草)」である。方言名はアカバナギーと 言うらしい。トウダイグサ科の多年草で、熱帯アメリカ原産の帰化植物。全島至る所に生えていた。


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