悪名の棺―笹川良一伝 | |
クリエーター情報なし | |
幻冬舎 |
【一口紹介】
◆内容(「BOOK」データベースより)◆
メザシを愛し、風呂の湯は桶の半分まで。贅沢を厭い、徹底した実利思考と天賦の才で財を成すも、福祉事業に邁進し残した財産は借金ばかり。家庭を顧みず、天下国家、世のために奔走。腹心の裏切り行為は素知らぬ顔でやり過ごし、悪くは“有名税”と笑って済ませた。仏壇には、関係した女の名が記された短冊を70以上並べ、終生、色恋に執心した。日本の首領の知られざる素顔。情に厚く、利に通じ----「昭和の怪物」の正体。
並外れた才覚と精力で金を操り人を動かい、昭和の激動を東奔西走。
”政財界の黒幕”と呼ばれた男の「カネ」と「女」国家観を描ききる。
書き下ろしノンフィクション。
【読んだ理由】
題名にひかれて。
昭和51年に始まったあの「戸締り用心、火の用心」のCMは印象的だ。
そうあの人だ。
【印象に残った一行】
死者に対しても使い古されたレッテルが再びいくつも貼られた。死亡記事によって、笹川良一は二度殺されたようなものだ。
こうしたレッテル貼りの記事や「進歩的文化人」のコメントがいかに的外れで、笹川の実相を捻じ曲げたものであるかは、これまでに挙げた真実が証明してくれる。
国のために戦った者を戦勝国の作った基準にしたがって、A級だのBC級だのと日本人が区別する愚かさは、いつになったらきえるのだろうか。
笹川はその中で、特にBC級の戦犯とその留守家族の支援をポケット・マネーで続けたのだ。
しかも彼は自らそれを公言するような行為すらしなかった。
【コメント】
「歴史とは常に塗り替えらる運命にあり、誰かがその作業に着手しなければならない」と著者はプロローグで述べているが、悪名というレッテルを貼られた笹川氏の功績には
驚かされたとともに、レッテルをはり続けて、我々を欺いてるマスコミ、進歩的文化人には憤りを覚える。