味酒を・・・巻四・七一二 丹波大女娘子
味酒を・・・巻四・七一二 丹波大女娘子
「味酒を 三輪の祝が いはふ杉 手触れし罪か 君に逢ひがたき」
校訂原点(漢字)
「味酒呼 三輪之祝我 忌杉 手觸之罪歟 君二遇難寸」
現代語訳と解説
「三輪の神官がまつる神聖な杉の木に、手を触れるような罪を犯したとでもいうのだろうか。なかなかあの方に会うことができない」
神主が大切にまつっている三輪山の杉は、手など触れることの出来ない存在でした。
実際、作者はその杉の木に手を触れた訳ではありません。しかし、それくらいの罪を犯したのだろうと思いつめています。
その罪とは、高貴な方に身分違いの恋をしてしまったことであり、その罰ゆえに会えないのでしょうか…と、くるおしい気持ちを歌っています。
三輪山は神が降臨する山。木や草に至るまで、神が宿るものとして、斧を入れることは許されていません。
作者である丹波大女娘子は、おそらく遊女だと考えられます。三輪山の神聖な杉を例えに歌うことで、彼女の身の上との差を、一層せつなく感じさせてしまうのです。
高貴な方が相手なら、なおさら遊女のことなど忘れてしまうかもしれない。
わかりきっているほどの、悲しい運命。この恋は会いたくて、でも、会えなくて、苦しさだけが心を埋めていくのです。
味酒を・・・巻四・七一二 丹波大女娘子
「味酒を 三輪の祝が いはふ杉 手触れし罪か 君に逢ひがたき」
校訂原点(漢字)
「味酒呼 三輪之祝我 忌杉 手觸之罪歟 君二遇難寸」
現代語訳と解説
「三輪の神官がまつる神聖な杉の木に、手を触れるような罪を犯したとでもいうのだろうか。なかなかあの方に会うことができない」
神主が大切にまつっている三輪山の杉は、手など触れることの出来ない存在でした。
実際、作者はその杉の木に手を触れた訳ではありません。しかし、それくらいの罪を犯したのだろうと思いつめています。
その罪とは、高貴な方に身分違いの恋をしてしまったことであり、その罰ゆえに会えないのでしょうか…と、くるおしい気持ちを歌っています。
三輪山は神が降臨する山。木や草に至るまで、神が宿るものとして、斧を入れることは許されていません。
作者である丹波大女娘子は、おそらく遊女だと考えられます。三輪山の神聖な杉を例えに歌うことで、彼女の身の上との差を、一層せつなく感じさせてしまうのです。
高貴な方が相手なら、なおさら遊女のことなど忘れてしまうかもしれない。
わかりきっているほどの、悲しい運命。この恋は会いたくて、でも、会えなくて、苦しさだけが心を埋めていくのです。
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