阿智胡地亭のShot日乗

日乗は日記。日々の生活と世間の事象記録や写真や書き物などなんでも。
  1942年生まれが東京都江戸川区から。

阿智胡地亭便り⑱ #58<北野ぶらぶら①>     こんな便りを2002年頃からメールで友人知人に発信した。

2021年07月18日 | 「過去の非日乗&Shot日乗」リターンズ

58<北野ぶらぶら①>  2004.05.18

このところインドカレーを食べていないので三宮の「ガンダーラ」に出かけた。
北野町もほぼ連休も終わりかけで観光客も殆どいなかった。
 
「ガンダーラ」はマップで見ると<陳内科>の隣のビルにあるはずだが、新築のビルは
テナント募集と看板が出ているだけでまだテナントは入っていない。

前に山内夫妻が大阪から「ガンダーラ」に来られたが見つからなかったと メールを頂いていた。
なるほど入居していたビルは取り壊わされて、店はどこかへ移転したか閉店したらしい。

仕方がないのでもう一つ行こうと思っていた近くの「シャミアナ」に行った。
ここは(インドの家庭料理を出す店)とガイドブックに書いてある。


4卓のテーブルとカウンターというこじんまりした店内には一時を過ぎていたせいか
先客は一組だけだった。ランチタイムサービスのカレーはシュリンプカレーだった。


このカレーとタンドリチキン、野菜サモサを一つづつ頼んだ。インドビールは切れて
いると言うので、メニューのコリアンダー酒というのを頼んでみた。ほのかに香菜の
匂いがしておいしかった。聞くと香菜のタネを漬け込んだ果実酒だった。


サモサを食べ終わる頃にタンドリが出てきた。一口食べて相方と顔を見合わせた。
おいしい。何種類かのスパイスのバランスがいい。

主人に「他の店でも、これ好きなんで食べるけどこれは本当においしいです」と言うと、彼はにっこり笑って

「そうでしょう、うちのは一回だけスパイスタレを塗るのではなく、あぶる度に何回か塗って良く浸透させてから又釜に入れてます」と言う。


付け合せのサラダのドレッシングもサモサにつけるスパイスミソ?も一味違う。
「どれも神経が行き届いてる感じがする」と言うと、主人はとてもうれしそうに微笑んだ。


ビジネスランチらしい二人客が来てサービスカレーを食べて「マスター今日は忙しゅうて、夜又来るわ」
とそそくさ出て行った。常連の客らしかった。

カレー一つのオーダーなのにチャイを二つにサービスしてくれた。これもおいしい。
飲み終わって灰皿を頼んだら「これ試してください」と言って小型のインド葉巻を出してくれた。


いい香りでカレーの後にぴったりだった。「これはウマイ」と言うとどうぞ吸ってくださいと10本入りの
パッケージをくれた。「うわあ、こんなんしてもろたらまた来んといかんなあ」と言うと
「いや、そんなつもりやありませんから」とまたにこにこしながら言う。
 
おいしいものをおいしいと口に出して言うとなんか得があるもんだ。
このお店も新規客をつかまえようとさりげなくサービスしてくれる。
 


葉巻をやりながらボンベイ(ムンバイ)のスラムの話から始まり、なんで神戸の町の人は
こんなにおいしいインド料理をなかなか試さんのやろ、インド人の物の考え方や貧富の差の話、
やっぱり向こうへ一回行ってみんと、こんな人間の世界があるんやとわかりませんなとか話が弾んだ。


 ご主人はインド好きのようであり、日本人の五十代の人には珍しく朗らかで落着いた物腰の人だった。
何か宗教心をもっているのかなと感じた。

 

コメント
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